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2016.11.22
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カテゴリ:国内政治経済
 皆様は余り興味が無いと思うが、癌の先端医療薬「オプジーボ」が劇的に癌に効くそうで、年間の薬代が3500万円もすると言うのをご存知だろうか。

 この高額薬代で、健康保険が崩壊すると、厚生省が言い始めたから、私はそのニュースで「オプジーボ」を知った。

 そんなに高価な薬を使用するのは、誰も無理だと思うが、日本では、健康保険が全員に適用される社会である。

だけど瞬間的に考えたのは、健康保険の個人負担割合である。普通は3割負担だから、3500万円なら、約1000万円が必要で、殆どの国民にオプジーボは無理だと思った。

 所が日本には国民皆保険制度の他にも、高額療養費制度というものがあり、年収が約770万円未満の患者の自己負担限度額は年間100万円程度で済むのだが、例えばオプジーボを用いる場合は総額3500万円の3%も満たさず、残りの97%は全て公的負担ということになる。

 そして、このオプジーボを開発した小野薬品は、売り上げの半分をこの薬に依存している。だけど開発費を、特許期間で、回収するとなると、その単価になるのであり、べら棒な単価では無いそうだ。

 所が、初めはガンの中でも皮膚がんと言う、患者が極少ない病気でのみ、適用されたが、肺がんにも効くと分かり、ドンドン適用されるようになり、健康保険制度そのものの維持が難しい状態に成り始めたのだ。

 そして、とうとう下記のニュースの様に、単価を半分に落としたそうだ。まあ、少ない患者だけでなく、肺がんと言う、大勢の患者が罹患する病気に効くとなると、薬の使用が増えるので、開発費用が早く償還されるから、単価を半分にしたようだが、株価は、大きく下げた。5800円もした小野薬品の株価が2800まで落ち込んだ。


 
 新薬の開発には、膨大な研究費が掛かっている。それを特許で守る期間中に、開発費を取り返さないと、製薬会社は存続できないのだ。
 
 特許期間が過ぎれば、ジェネリックとして、開発費を組み入れない薬が他社から売り出されるから、何処の製薬会社も新薬開発意欲を無くしてしまうのだ。

 そして、この薬だけの問題なら、それで終わるのだが、これからは、益々医療水準は向上して行く。そして益々高価になるだろう。それを健康保険で賄うのは難しいのではなかろうか。

 例えば将来は、各臓器をその人に合わせて製造し、それを移植する様になる。そうなると、もうコストは数億円の医療費になる。それを、健康な国民の掛け金で、支払うのが、良いのだろうかと言う問題だ。

 要は、そんな高額な医療費は、億万長者だけが、自分のお金で受けられる医療にして、健康保険制度の維持が大切ではなかろうか。最先端医療を全ての国民が享受できるのが理想とは分かっているが、現実には無理だと感じる。

 理想と現実は離れている場合が多く、それでも理想を追求しおたら。その制度が崩壊するのだ。これは憲法9条も同じだと思う。

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Last updated  2016.11.22 20:34:02
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