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カテゴリ:国際問題
最近読んだ本だが、この「エルミタージュの緞帳」は非常に面白かった。元NHKのモスクワ支局長だった人が書いた本だ。
またエルミタージュとは、世界一大きな美術館の名前で、元はロマノフ王朝の宮殿だった所で、大きな建物が一杯並んでいる。美術館と言うが、世界で一番広い国の王宮だったのだから、大きくて広い筈だ。 1918年(約100年前)ニコライ2世は、皇后と、12歳の皇太子と、3人の娘と一緒に幽閉されていたが、レーニンの命令で連れ出され、桟殺されて、沼に捨てられたのだ。 その暗殺の事実はソ連時代には秘密であったが、ペレストロイカに寄って、秘密が暴露され、1991年に沼から発見された。その骨のDNA鑑定の結果、本人達と確認され、歴史的には非常に新しい事実なのです。そんなニュースすっかり忘れて居た。 そしてそのエルミタージュ美術館の中に、劇場があるのだが、その緞帳が、今でも残っている。しかもロマノフ王朝の家紋が描かれた緞帳だ。 つまり共産革命では、反対側は白ロシアと言われ、諸外国からの援助を受けながら戦ったが、負けて、大勢が難民となって、外国へ逃げて行った。今のシリアやイラク難民と同じ様な事が起きたのだった。 それ等の戦闘で、約3000万人の犠牲者と言われている中で、ロマノフの家紋緞帳が残る筈が無いのに、残っているのだ。 どうして残ったのかを調べると、やはり凄い美術品だから、勿体ないと思う人が居たのだ。そんな事をした事実が発見されたら、殺される可能性があるのに、緞帳の上に、別のモノを貼り付けて被せ、見えなくしていたそうだ。 そしてペレストロイカに成ってから、上のモノを除いて、ロマノフ王朝の家紋の緞帳が出て来たそうだ。 実は、この本を読む前は、本を疑っていた。何故なら、この著者であるNHKモスクワ支局長は、外大でロシア語を選択したそうであり、卒業してNHKに就職したそうだ。 そしたら、多分共産主義礼賛者か、又はロシア文学が好きな人しか、ロシア語を選ばないから、読むのを躊躇したのです。 日本の外務省でも、中国課の人は、大半が学生時代に中国語を選択した人で締められているから、親中派が主流を成しているのと同じ構図です。嫌いな外国の言葉を習う人はこの世に居ないからです。 だけど、読んで分かったが、全く逆で、共産主義の不合理な面ばかりを、強調した本で、私と全く同じ立場だった。 ソ連の近現代史の内情を書いた本で、興味ある人は読んで欲しい。面白い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.01.08 07:30:27
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