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もう締めなくなった帯を解いて 自分用のバッグを作ってみた。 帯ともなるとその生地は非常にしっかりとしており 縫うのにも時間と労力とを必要とする。 この前などその帯地が余りにかたく、力を込めて縫い針を押しつけたところ 勢い余って自分の指を(狭い範囲ではあるけれど)貫通してしまった。 そんなこんなで、ようやく完成。 落ち着いた色合いで 固い生地である故に型くずれもせず 大変重宝している。 解いた帯地がまだたくさん残っているので 今度は 娘のお花のお稽古バッグを制作中。 自身の化粧ポーチやティッシュケースも作ってみようと思っている。 この年になって思うことは、自分で使うものは (もしも可能であるならば)自分の手で作ることが一番よいのかも知れないということ。 以前は手芸店で生地を購入し、身の回りのものを作っていたけれど そして「作る」という行為自体は今も変わってはいないのだけれど、 今では、使わなくなった着物や帯の生地を使って 様々なものを作り出している。 デザインを考え出すのも楽しいし そして何より、製作するのはもっと楽しい。 今まで何十年という長い時を生きてきた着物たちである。 今度は「身の回りのもの」という新しい形で これからも長く生き続けていく。 そういう佳きものとともに過ごす時間も また楽しいものである。 今、手がけているバッグや身の回りのもの、 大切に使えばずっとずっと長持ちするに違いない。 そうしたら、いつか娘がそれらの品を手に取り 「これはお母さんが作ってくれたもの」と、懐かしく思い起こしてくれるだろうか。 そしてもしかしたら 孫娘たちにも引き継いでいってくれることだろうか。 ・・・そんなことを考えながら 一針、一針、こころを込め まだ見ぬ40代、50代の娘に そして孫娘たちに 想いを馳せている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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