最後尾床下から出火か
約40時間ぶりに搬出された黒く焼け焦げた事故車両。最後尾床下から出火か JR石勝線特急火災 【北海道占冠(シムカップ)】上川管内占冠村のJR石勝線・第1ニニウトンネル付近で27日夜、特急列車「スーパーおおぞら14号」(6両編成)が脱線して全焼し、39人が軽傷を負った事故で、JR北海道は事故から約40時間たった29日午後、事故車両をトンネルの外に搬出した。地元消防によると、最後尾の1号車の車両の燃え方が最も激しかったことが判明。道警は出火元の特定を急ぐとともに、事故原因を詳しく調べている。 捜査関係者によると、全焼した6両のうち最後尾の車両底部の中央部の燃え方が特に激しかったという。付近には燃料タンクが配置されている。JR北海道を捜索へ 特急脱線、業務上過失傷害の疑い今回の事故で落下したのと同じ車両タイプの推進軸 JR石勝線(北海道占冠〈しむかっぷ〉村)の特急列車脱線事故で、車体の下部から「推進軸」と呼ばれる部品が脱落していたことが分かった。JR北海道が28日、明らかにした。同社や国の運輸安全委員会は、部品の脱落が脱線を引き起こした可能性が高いとみて調べている。 一方、道警は車掌や運転士による避難誘導が遅れた結果、多くの負傷者が出た可能性もあるとみて、週明けにも業務上過失傷害の疑いで同社の本社を家宅捜索する方針を固めた。 脱線したのはディーゼル車の「スーパーおおぞら14号」(6両編成)。脱線後にトンネル内で白煙が出て緊急停止し、煙を吸った39人が病院に運ばれた。 JR北海道によると、推進軸はエンジンの動力を車輪に伝える。脱落したのは後ろから3両目の推進軸で、長さ約1.1メートル、重さ83キロ。同社が調べたところ、トンネルの約2.2キロ手前の枕木に部品がぶつかったとみられる跡があり、その約700メートル先に推進軸がバラバラの状態で落ちていた。さらに約700メートル先からトンネルにかけて、枕木に脱線した跡が残っていたという。 脱線した「スーパーおおぞら14号」の最後尾車両。炎上して車体が焼けこげている=28日午前11時32分、北海道占冠村の第1ニニウトンネル