吉田健一と詩
■最近買った新潮社刊『考える人』の最新号を読む。そのなかの、丸谷才一インタビューがけっこう好きで読んでいる。というのも、この人は文学がよく分かっている、ということがよく分かるからである。その最後に、こんなことが紹介されていた。(適宜改行) 吉田さんは、一杯のんでいるとき、丸谷さん、 あなたの好きな詩はどんな詩ですか、みたいなことをいう。 僕が英語の詩で覚えているのを数行、 十六世紀のトマス・ナッシュの詩かなんかをいうと、 ああといって、くちゅくちゅと口のなかで繰り返す。 そして、ああきれいだな、とかいって喜ぶ。 カラスミとかウニを食べるような感じなんですよ。 詩が酒の肴になるのね。 僕はなるほど詩というものはこんなふうにして 楽しむものか、と思いました。■これを読んで、吉田健一は詩の読み方、そして楽しみ方をよく知っているなあ、と感心した。感心した、と言っては彼に失礼だが(^_^;)。■ちなみに数年前から吉田健一には興味があって、ちょこちょこ文庫を買い集めている。 手元にある吉田健一