東京片隅日誌

午前中は近所に出来た新しい公園で
過ごした。
子供の頃はまったく違う用途利用されて
いたこの広い敷地が、
地形とそこにある自然を生かした公園に
生まれ変わっていた。

泥水に生き物がわんさかいる湿地あり、
桜の咲く土手あり、
野外調理場ではバーベキューの下ごしらえを
する数組、、、
”ここ、良い公園になったよねー”と
田舎家と田植えも出来る水田コーナーを
見下ろす東屋で缶ビールを開けながら家族で寛いだ。

娘は石垣を住処にしているトカゲに夢中。
皆が涼しげに東屋でおやつをつまんだりしている間
小１時間はトカゲの穴の上を動かない。
意外にも娘は虫、とかげなどの生き物が大好きで
アメリカの学校でも蛾の幼虫を個人的に
可愛がっている。
おがくずの布団とりんごのえさが
満載のソースカップの家に住むその虫は、
身体に褐色の縞縞の節があることから、
名前は”ストライプス”。
濃い茶のしまうまみたいでしょ、ということだ。

ダンゴムシも、尺取り虫も、てんとう虫も
イモリも手のひらにそーっとのせて、
まるでシルバニアンファミリーの動物の赤ちゃんを
持っているかの様に、手でそーっとなでて可愛がる。

快適な公園から帰った後は
たまたまアメリカ東海岸にいる叔父が
出張で来ていて、実家へ来た。
出張から父も戻り、若いお友達を連れて来た。
夫の母もいる間で、大人数にて街の中華屋さんへ
食べに行った。

この若い青年はつい最近まで
京都で工学を勉強していたが、
音楽が好きで好きで遂には大学をやめて、
東京へ来た。
この春、東京G大のなんと指揮科を受験したそうである。
指揮科の２次といったら
”所見の楽譜で歌を歌う”なんていうのは基本、
”６くらいの和音をばーんっ！とピアノで出されて
それを言う。”とか
”12小節くらいの短い曲なんですけれどね、
目の前で演奏されるんです。
それを聴いてその場で楽譜にするんです。
管、弦６パートありました。”
という世界である。

叔父も私もそこにいた家族達は
口を揃えて
”そんな試験を受けて立つくらいなら、
もう学校で勉強する事なさそうだけれど！”。

”～～さん！のだめカンタービレって知ってますか？
音大の世界は本当にああなんでしょうか！?”
俗人な私であった。