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『あなたが生まれた時、あなたは泣いて、周りは笑っていたでしょう。
だから、あなたが死ぬ時は、周りが泣いて、 あなたは笑っていられるような人生を歩みなさい。』 いつだったか、何かで読んだ言葉です。 最近このことについて考えることが多くなりました。 職業柄、何度かこのブログでも『死』について考えてきたけれど、今の職場柄+『老い』についても考えるようになりました。 病院時代…特にICU時代は、こんなたくさんの機械に繋がれて、何本もの点滴や管が入って、苦しい処置をいっぱいされて…本当にこの患者さんは幸せなんだろうか?という思いを何度も抱いてきました。 本当にご本人のためなんだろうか、意志なんだろうかと。 ただ、家族の心の準備のための時間(それでもいいとは思いますが)や…どうしても受け入れられないのか無理難題を言ってくるご家族には、ご家族のエゴなんじゃないかと思ったことすらあります。 その頃は、無事命を永らえたとしても、今後の長い介護人生にどんなことが待っているのかまでは考えていませんでした。 状態を良くして、病棟で見られるレベルまで回復させて、病棟に行ったら療養型病床群かホームを探すまでなんとか凌ぐ…くらい。 そしていざ自分が福祉の世界に飛び込んで、たぶんその一連の流れを通ってどこも受け入れるホームがなくてここに来たであろうお年寄りたちをたくさん見てまたこう思ってしまいました。 『この方は、理想の老後を迎えられているのだろうか?』 そんなことを考えながら日々働いていたある日、私と仲良くしてくれていた(辞めちゃったの…)介護士さんが言いました。 「私、この世界に入って初めて『医療って時には罪だな』って思ったの。」 と。 ちょうど、以前から状態低迷中の入居者さんが急変して、私が救急搬送した数日後のことでした。 その入居者様は苦しくなるたび、苦しい処置をするたび、「もうこんなんだったら死んだ方がましだよ。」って叫んでいたそうです。 なのに、ご家族の希望であれもこれも…といろんな管を入れて帰ってくると。 ホームではあるけれど、注射と薬と管で生かされている状態。認知症に加えてもうほとんど目を開かない状態なのだそう。 入居者さんの「もう死んだ方がまし」という言葉がただの言葉のあやだったとしても、果たして本当に彼はここまで望んでいたのかな…と、私も考えてしまいました。 かくして戻ってきたその方は、とてもとてもホームにいるような状態ではなく、確かに24時間看護師が付きっぱなしじゃないとキツイ。 状態も不安定で、退院して1週間もたたないうちにまた呼吸がおかしくなり始め、また救急搬送。 いまではもっと苦しいであろう人工呼吸器を付けられています。 そんな人生に意味がないとは言わないけれど、QOLって、ご本人の意志って…とあらためて考えさせられた出来事。 その話をしていた介護士さんも「簡単に長生きしてね、って言うのが申し訳ないくらい重い言葉に思えてきた。」と言っていました。 「私も80歳くらいまでは生きたいと思っていたけれど、今はもうそんなに長生きしなくてもいいかなって思っちゃってるもん。」とまで。 私も、人様に迷惑をかける前に65歳くらいで人生を終えたいと考えていたので、その言葉には思わず頷いてしまいました。 理想の人生。 理想の老後。 理想の最期。 その形は人それぞれだけれど、やはり自分の生きるべき道・避けては通れない道。ちゃんと考えなければな、と思います。 だれにも迷惑をかけず。(かけてもお金で相殺できる医師・看護師位にしておきたいもんです。) 両親を悲しませず。(だから目標65歳なのです。) そしてできれば苦しまずに(笑)、眠るように逝けたらどんなにいいでしょう。 そして、大好きな人たちに囲まれて笑顔で「maryって変だけど面白い奴だったよネ。」と送ってもらえて、みんなの心の片隅にでも生きていられたら。 たまーに思い出話ついでに笑い話として思い出してもらえたら。 みんな、こんなわがまま勝手な私をありがとね~!たくさんのジュエリーやブランド物やお洋服は、良ければ持ってって!と自分自身が笑顔で最期を迎えられたら。 それが最高かな…って、今は思うmaryです* お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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