整理整頓

雨の予報なので傘を持っている人が多い。
今日は電車で太った中年の女性の間に座ることができた。
もちろん私も中年だけどね。
左はとても太った女性だったけれど私が座るときちんと座りなおして
少し場所を空けてくれた。
その後、その人の身体に触れることはなく、その女性は背筋を伸ばして
文庫本を読んでいた。
右に座っている人はふんぞり返って座り彼女の右隣が少し空いているのにかかわらず
席も詰めず、ぐにゃりと座って本を読み、彼女の肘が脇に当たって不愉快だった。
彼女はそこそこ太めできちんと座らずふんぞり返って本を読んでいた。
仕事のモチベーションの上げ方と部下の使い方、というような本だった。
彼女は傘をスカートなのにもかかわらず、腿ではさんで保っていた。
少しすると彼女は本を閉じ、さらに踏ん反りかえって眠りだした。
傘をはさんでいる腿は少し緩み傘の柄が前にたっている男性の股間に当たっていた。
男性は少しずれたが、また傘が倒れてその男性の股間を追いかけている。
ふんぞり返って豚みたいな顔をしている、そのいぎたないおばさんに
げんなりした。
放置するにはあまりに恥ずかしいので、
豚おばさんに肩を静かにたたいて起こし、「傘が倒れていますよ」と
教えた。
豚女は「あ、すみません」と以外に、歳のわりに、可愛らしい声をだし、
少しだけ背筋を伸ばして座り直し、傘をしっかり太ももに挟んで
また眠った。
救いのない気持ちで斜め前に座る女性を見た。
若くて顔立ちのはっきりした綺麗めな女性も
膝に傘を挟んでいた。スカートなのに。
スカートでもデニムで腿で、膝で傘を挟んで座るってどうなの。