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もうじき5月、東京では三社を始め、夏祭りの季節が始まる。
祭というと話題に出る話がある。 祭が終わると直会(なおらい)がある。 いわばお祭りをした人達の打ち上げである。 私も子供の頃から御神輿を担いでいたが、その血を引いたか娘達も大のお祭り好きである。小学校の低学年からお囃子を町内に習いに行き、今は町内のお囃子連の花形である。 実の父親がいうのだから間違いはない。 その娘、長女が中学校に入った頃だろうか、直会(なおらい)に出たいという。 自分もそうしていたので分かるのだが、その場の雰囲気で中学生ぐらいの子には平気でお酒を呑ませてしまうのである。 だからすぐに帰って来るという条件で、町内会館近くでやっている直会に行かせた。 でもなかなか帰ってこない。 家内が迎えに行くというので行かせた。 でも家内は直会がよく分かっていないので、一抹の心配はあった。 直会の進行は大体以下のようである。 応援に来てくれた各御輿会の代表と一緒に、四斗樽の鏡割りをして、三合位は入るマスにお酒をつぐ。 サセ、サセ、サセ、サセの掛け声とともに、次々とそのマスを飲み干す。そしてそのマスを逆さにして頭上にかざし、掛け声はサシタ、サシタ、サシタ、サシタに変わる。 何度も飲みに加わる人間もいる。 一通り飲み終わると、ジェンカの様に前の人の肩に手を掛けて数え歌に合わせて足踏みをしながら会場を回る。 神奈川県では鎌倉以西小田原ぐらいまでドッコイという独特の担ぎ方がある。 御輿の台座に二本だけ担ぎ棒を通して、御輿の台座にはタンスといわれる金具があり、ドッコイドッコイの掛け声に合わせて、タンスを台座に当てながら音を出す。 その時よく唄う数え歌がある。 「ひとつ上総の一宮、にィで日光東照宮」 なんて歌詞で始まり、「ドッコイ、ドッコイ、ドッコイ、ドッコイ、ソリャ~、ソリャ~」のソリャ~の掛け声に合わせて跳ぶのである。 さて、娘を迎えにいった家内は、丁度その場面に飛び込んでしまったらしい。 ワケが分からないのに、いきなりマスを持たされ酒を飲まされた。 我が家でだいぶ下地が出来あがっていた上に、三合のイッキのみである。 しかも数え歌に合わせて会場を回る輪にいきなり加えられ、ソリャ~の掛け声とともに跳んでしまった。 娘はちびまる子ちゃんの、目にすだれ状態だったらしい。 母親を置いてさっさと一人で帰ってきた。 でも翌日の片づけの時、みんなに「ママ、跳んじゃったね」と言われたらしい。 その後数年、直会に行きたいとは言わなかった。 そして身を挺して娘を戒めた母親を誰も偉いとは言わない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.04.23 21:09:41
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