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カテゴリ:家族
娘達が中学生だった頃であろうか。
私は甚平が気に入って、夏の夕方はいつも甚平に着替えていた。 祭が近づいた夏のある日、私はいつものように甚平に着替えて、晩酌を通り越してすっかいり酔っぱらった状態で、近くの町内会館でお囃子の練習をしている娘達を見に行った。 酔っぱらいの常として、自分のみっともなさには気がつかない物だ。 私は目はとろ~んとして、赤ら顔で、顔中の筋肉が弛緩しているような状態で、見るからにだらしない酔っぱらい状態だったらしい。 しかも着ている甚平が、胸をはだけ、見るからに見苦しい状態だったようだ。 お囃子の練習を終えて帰ってきた娘達が、もうすでに酔っぱらって眠っていた私に代わって、家内を責めたらしい。 「何であんなお父さんを来させたの?」 「あんなだらしない格好させないでよ!」 それ以来、甚平が着にくくなって、ほとんど着ていなかった。 ところが先週の父の日に、娘達がお金を出し合って買ってくれた父の日プレゼントが甚平だった。 私にとって甚平は鬼門だと思っていたのだが、プレゼントが甚平というのは実に微妙である。 娘達が大人になって、甚平を着たがる私に配慮したのか、もう親離れをして、オヤジがどんな格好をしても気にしないという意思表示なのか? 取り敢えず甚平を着る時は、居住まいを正し、姿勢を正しく、懲罰動議など出されぬように着なければいけないと身構えている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.06.23 18:29:00
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