自動車検査員試験に向けて
分かる人には分かると思うんですが、指定工場の自動車検査員ってやりたい仕事ではないんですよね。自動車整備の関係の仕事に就く人の多くは、①車が好きな人②機械いじりが好きな人③整備士自体に憧れがあった人などなど、車自体やそれをとりまく環境や雰囲気が好きで整備の仕事に就いていることが多いと思います。私といえば、元々は車への知識や運転技術が周囲の人間に比べて低く、それをコンプレックスとしていました。当時はインターネットもそれほど普及していなくて雑誌や本の知識が全てながら、それらを読み漁っては自動車や整備のことにのめり込んでいきました。もともとは車とは全く無関係の事務中心の仕事から、30歳を目前に見習いどころか洗車係からこの世界に飛び込みました。最初は、先輩たちの作業の全てが輝いてかっこよく見え、早く同じようになりたいと毎日が充実していたように思います。だんたんと仕事を覚えながら、いろいろ小さなことでもお客さん車にやってあげたい、少しでも良い状態で渡したいと思う反面、触れば触るほど整備ミスの可能性は生まれてしまうことや、次々と作業を終わらせていかなければ預かっている車両をこなせないことに直面していきます。車検整備で、ブレーキの摺動面の古いグリスを細々と真鍮の細いワイヤーブラシで落としている最中に、ベテラン整備士から「レストアじゃないんだから」と声をかけられたことも、当時は反感しかなかったものが、だんだんとその意味が分かるようになってしまいました。これが良い成長なのか悪い成長なのかは分かりませんが、少しずつバランスをとっていくようになってしまいました。本当は全ての車両にできる限りの「やってあげたほうがいい整備」をしたい気持ちはありますが、会社組織としての運営も気にしなければいけないんですよね。ただ残念ながら、やらなければいけない作業以外は当然のように見ない作業者が残念ながらどこかにいるのも、理由はともあれ事実だと思います。本人の問題ではあるのですが、「なるべく安く車検をしてくれ」「早く車検を終わらしてくれ」などなど、ユーザーや会社の悪気はなくとも心無い一言が、自動車整備士のモチベーションを少しずつ下げているのかもしれません。タイトルの内容とは違う前置きが長くなりましたが、私ごとですが現在自動車検査員の資格取得に向けて勉強中です。ざっくりいえば、会社内の整備士が整備した車両が車検に適合するかを検査する役目。役割としては重要なのですが、1台1台の車両の状態を細かく見ていくこれまでの立場とは違う仕事になります。転職当初の想像していた仕事内容とは違いますが、安全な車社会を実現するには大変重要な資格になります。今までの仕事への見方を変えなければモチベーションも上がりませんので、勉強しながらそんなことも考えています。以前に受けた3級2級の整備士資格に関しては、過去問をまとめたサイトがあったので良かったのですが、自動車検査員に関しては受験する地区ごとに問題が違うようで、なかなか見つかりません。3級2級は現在はアプリまで登場しているようですね。とりあえず法令全てを覚えるのは無理なので、過去問を中心に勉強していますが、現在はコチラのサイトで練習問題の数をこなしています。自分のやりたいこと、やらなければいけないこと、役立たなければいけないこと、日々いろいろと想うことはありますが、試験当日まで精進していきたいと思います。