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時間、思考の垂れ流し状態が続いてた春。
そんな春のまどろみの中に佇んでいたら、夏に向けて温度をぐんぐん上げてきた太陽が、もたもたするなよ、と僕をせかし始めました。 理由無き焦りと期待で心がいっぱいになったとき、あぁ、またこの季節がやってきたんだ、と彼のことを思い出します。 五月に自ら命を絶った友達のこと。 いま思えば、彼がこの季節に命を絶ったのも、太陽にせかされたからかもしれない。 お葬式の日もそうやった。せかすような強い陽射しが、彼や、彼の家族や、花や、しゃぼん玉や、僕らを包んでいて、ゆったりと流れているはずの時間の中、喪服の下にじっとりと汗をかきながら消しようのない焦りを感じていたのは僕だけだったんだろうか。 五月は死が一番近くにやってくる。 抗えないほどの恐ろしい力を持って。 例えでもなく、誇張でもない、端っこに触れるだけで、ただ、ただ死にたい気持ちになる。 だからこそ、何気ない、けれど泣きたくなるほどあたたかい日常のありがたみを切実に感じることができる。 死を想い、いま、その一瞬一瞬を噛み締めること。 希望と絶望を内包して、前に歩き出すこと。 彼は、まだまだいろんなことを教えてくれる。 感謝と、祈りと、愛を込めて、今年も彼の実家に花とクッキーを送りました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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