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4年間、一度も取らなかった有給休暇を、北風と太陽的技法で奪還してモロッコに行ってきた。
12日間の海外旅行。 日本からの直行便がないので、アリタリア航空でローマを経由してからカサブランカへ。 13:15発、関空発。 レオナルド・ダヴィンチ空港へは13時間のフライト。 寝ても覚めてもロシア上空なのにはまいった。 機内映画でジャッキー・チェン主演の「カンフーキッド」を観る。ジャッキー、歳取ったな。 となりに座っていた、香水の少しきつい日本人のおばさんが話しかけてきた。なんでもジェノヴァに住む恋人に会いにいくのだそうだ。目が少女のようにきらきらしてた。こんなに目をきらきらさせてくれる人と遠く離れたところで暮らすのはせつないことやな。でもそういうのも含めて楽しんでるんやろうな。 19:00ローマ着。日本との時差は7時間。 21:00ローマ発カサブランカ行きの飛行機をターミナルで待つ。コーヒーのいい香りがしたのでふらふらと匂いのもとへと歩いていくと、シンプルなカフェ。イタリアで初エスプレッソ。すごくおいしい。長旅の疲れが、エスプレッソの濃い香りに溶かされていくようだ。 ターミナルGからカサブランカ行きの飛行機に乗り込む。日本人は自分だけ。イスラム教の人がスパイシーな匂いを発しながら並んでいる。搭乗開始しているのに、隅っこのほうではまだお祈りしている人が。 壁に向かって、黙々と、粛々と。 壁の向こう側にはアラー。 機内ではまた窓際の席。夜だからまっくらだけど、端っこは落ち着くな。 窓からは翼の赤灯が同じリズムで点滅してる。 それを眺めてたら少し眠たくなってきたので、少しだけ寝ようと思ったら、起きたときには着陸態勢に入ってた。4時間のフライト。疲れてるのか図太いだけなのか。 寝ぼけ気味でなんだかよく分からないまま入国。ムスリムたちは母国に帰ってきたのが嬉しいのかやけにハイテンション。吉本の若手芸人くらい声を張って、なにかを話してる。 入国審査も無事に終わり(日本人の信用度の高さにはいつも感謝!ありがとう、海外で信頼を積み上げてきた先人たちよ!)、空港の外で待ち構えてる白タクを振り切り、乗り合いグランタクシーでカサブランカ市街へ。この乗り合いタクシー、古いセダンタイプのベンツがほとんどやけど、がんがん飛ばす。クラクションもとにかく鳴らす。助手席に2人座り、後部座席には4人。かなり窮屈で揺れるんやけど、人間クッションがきいていて、なんだかすごい安心感。空港から40分でカーサヴォヤージュ駅に到着。料金は400ディルハム。日本円に換算すると、大体1200円くらい。物価は日本の3分の2程度かな。 航空券を予約したときから、今夜は街に着くのが遅くなるのは分かっていたので、ホテルはあらかじめ予約しておいた。フランスのホテルチェーン「IBIS HOTEL」。このホテルはほんとどこにでもあるな。外観はどこにでもあるIBIS、でも内装はモロッコ様式で、タイルがかわいい。 全然しゃべらなくて愛想はないけど誠実な受付のお兄さん。 螺旋階段。 三階。 赤い壁。 疲労。 鳥の鳴き声。 風にゆれるカーテン。 遠くに来たという喜びと不安も、眠気の前には無意味に感じる。 さあ、明日は早起きだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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