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カテゴリ:書評とか書店とか
「三島由紀夫」とはなにものだったのか
(新潮文庫、橋本治) こちらに引き続き、また橋本治氏の本です。 著者の小説は、もう二十年も前にこちらとこちらを読んだ程度しか記憶がないのですが、そんな著者の「三島由紀夫」論に興味を惹かれ、五百ページ近くの大作でしたが、完読しました。 本書では、三島由紀夫という異彩を放つ作家が依拠する論理(ロジック)の特異性を各作品のテクストを丹念に読み込みながら解き解していきます。特筆すべきなのは、ほとんど他の文芸評論家の引用や孫引きもなく、ひたすら自分の言葉で 「三島由紀夫」論を展開している点ですね。作家論が成功しているか否かは、それによって原典を読みたくなるかどうかにかかっているのでしょうが、そういう意味でも素晴らしい出来栄えだと思える一冊です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/04/02 10:59:24 AM
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