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カテゴリ:新事業
(ここで紹介する『オアシスルーム』は、前回の日記で書きましたように、患者さんの声を元に一切の妥協なく造りまし た。ゆえに、「やりすぎだ!」と思われる方も居るかも 知れませんが、あくまでノウハウの蓄積の為に究極を目指しただけであり、健常者の方はここまでの工事は必要でないので、あらかじめその旨ご理解下さい!ま た、私は患者さんと接する機会多いので、日常生活も徹底したオーガニック生活となっています。ご理解くださいませ。 さ て、基本的に『オアシスルーム』というのは、質の良い睡眠を確保するための寝室の小工事「プチ・リフォーム」から新築まで、全ての建築条件に対応できる 『体に負荷のかかりにくい住空間』のことです。もっと詳細を知りたい方は「建築ジャーナル11月号」の30ページをご覧下さい!)
今回はキッチンです。
キッチンに関しては、女性の方が一番こだわりたいモノだと思います。もちろん、私の妻も一番楽しみにしている部分でした。 有名メーカーのショールームをほとんど回り、妻も「あれがいいな♪これもいいな♪」の状態でした。しかし、大きな問題が立ち塞がりました。合板を使っていないキッチンが全く無いのです。繰り返しになりますが、この工事の目的は患者仕様で完璧に近い部屋を目指し、ノウハウを蓄積することであったので、妥協は許されませんでした。 通常のシステムキッチンは、貼り物(専門用語で「フラッシュ板」といいます)であって、骨組みに一番安物のパーティクルボード(木の屑をボンドで固めたもの)を使っており、天板の下地に合板があるのが普通です。 10年前、私が家具職人であった頃、大手キッチンメーカーのシステムキッチンを作ったこともありました。コストを落とすために見えないとところは徹底して最低の材料を使っていました。立派に見えるシステムキッチンも、見えない部分は信じられないくらいお粗末な構造で、ダボ(ジョイントのための木の棒)とタッカー釘(ホッチキスみたいなもの)と木工用ボンドと速乾ボンドでつなぎ合わせただけの安普請です。 既製品で患者さんも大丈夫な物が無かったので困っていたところ、ナスステンレスとトーヨーキッチンの2社にオールステンレスを謳った商品があることを突き止めました。ネットで調べたら、妻がデザインも機能性も気に入ってくれたので、逸る気持ちを抑えながら再度ショールームへ行きました。 しかし、実際の商品を見てみると結局はアウトでした。引出しの下地に合板、天板の下地に合板が使ってあったので、とても患者さんが耐えられる仕様ではありませんでした。 そして悩んだ挙句、結局業務用の厨房機器メーカーさんに頼んで、フルオーダーで製作してもらうことにしました。そのオリジナルキッチンが画像のキッチンです。 斬新なデザインであったので、かなり製作に苦労されたみたいですが、ばっちりイメージどおりに出来上がりました。 患者さん仕様なので、IHクッキングヒーターはやめてガス式にしました。また、食器洗浄機もつけていません。その理由としては、私の知る電磁波過敏症の患者さんの全てが「IHは頭痛が止まらない」ということでしたので、止めにしました。また、食器洗浄機も我慢できない患者さんが多かったのでこれも止めにしました。食器洗浄機に関しては意外に思われる方も居るかもしれませんが、これはモーターの電磁場が原因みたいです。たとえ、電源を切ってもモーターに残った磁場がつらくて我慢できないという人が多かったので、これも諦めました。食器洗浄機がボツになった時、妻はかなり悲しんでいましたが(苦笑)・・・。 このキッチンに関しても、いくつか特殊な処理をしています。オールステンレスなので、外部からの携帯電話や地デジなどの高周波、家庭用の低周波などが帯電する危険性があるので徹底して電磁場の軽減処理をしました。また、給水に関しては塩素カットはいうまでもありませんが、水道管もステンレス管にしました。 一般的に用いられているのはプラスチック系の水道管です。ねずみ色や赤茶色、黒色のプラスチック水道管には、塩化ビニル樹脂(可塑剤含む)が使われています。これは燃やすとダイオキシンの発生原因にもなる恐ろしい素材です。建材に対してはダイオキシンの使用の公的基準がありません。なので、建材を焼却する際には猛毒のダイオキシンが発生する問題には全く取り組みがなされていません。 ゆえに、リスクの多いプラスチック系はやめてステンレス製を選びました。 最後なりますが、右の画像奥の飾り棚を見てください。元々の間取りではこのキッチンの位置にユニットバスがありました。そのユニットバスの入口を飾り窓として利用しました。 このユニットバスの入り口には壊せないコンクリートの壁があり、間取りを決める上で一番のネックとなりました。このマンションは玄関側に窓が無く、電気をつけないとかなり暗い状態でした。そこで、この飾り窓を採光窓としても兼用することで、玄関も明るくなり、それっぽく?見えるので、今ではお気に入りの飾り窓となっています。
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