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サンデープロジェクトで、Googleの創業者セルゲイ・ブリン氏(以下SB)と田原紘一郎氏の対談があった。Googleの成功は興味のあるところ。これを聞いていると、日本人の会社に対する意識がまだまだ未成熟であると感じる。
TVなどでアンケートを見ると、会社は従業員のものと考える人が半数ぐらいいる。自社株をどれくらいの人が所有しているのか?自社株を持っていることはすなわち会社を守ることに直結する。会社は株主のもの。なら経営人、従業員で株を持てばいい。自分は何もせず会社は安泰であって欲しいと願っている。 アメリカ的資本主義といわれ、何処となく冷たい感じがする。勝ち組、負け組みのハッキリした制度というが、実はとても理に叶っているのかもしれない。日本的資本主義は、共産主義のさいたるもの。資本に国境を作り、まだまだ鎖国している。 Googleは製品開発こそ会社の力といっている。ライブドアの話題もでた。ライブドアの戦略。買収先のコンテンツを丸抱えする。ブログで有名になったが、ブログのシステムを開発したのはライブドアではない。ライブドアのサービスでオリジナルがあるのか?などと考えると、買収して大きくなるしかない現状なのかと思ってしまう。
▼番組の対談再現 Google成功の理念と戦略。 Google20%のルール。会社のプロジェクトを80%、仕事以外の研究に20%を当てる。 SB:GoogleニュースやGoogleグループスなど多くの製品は上が命じてつくらせたものではありません。私や役員達の要望で作られたものではありません。 田原:それでスタンフォードに似てるんだ。自分の好きな勝手な研究をやっているかもしれないんですね。 SB:その通りです。20%は会社の仕事をし、残りの80%は会社の仕事をするのです。しかしその80%の仕事が20%の時間に影響を与えることがあるので、担当している個々の仕事のやる気を確認するようにしています。 田原:自分の勝手なことやって特許をとって大儲けしたときには、会社の利益?個人の利益? SB:多くの特許はあるが重視していない。一般的に社員が素晴らしい仕事をしたときには、確実に報酬を用意しています。社員のやる気に対し的確な価値を決めるのは困難です。でも我々は最善を尽くしています。 田原:他の会社はせいぜい数万ドルだけど、200万ドルも与えたと、桁が全く違うわけですね。 SB:我々はひとつにチームに1000万ドルの報奨金を出しました。チームで分けるんですが、皆が同じ金額を貰うのではありません。一人で200万ドル受け取る人もいます。それを良しと思っています。自分の仕事で正当な評価を得るには、起業するしかないと思って欲しくないのです。 田原:日本の人たちは、インターネットとTVが融合すると思っています。融合するのか?別々に進んでいくのか? SB:まだ先だと思いますが、融合するでしょう。それは我々にとって重要なことではありません。TVは好きなときにチャンネルをあわせて番組を見ますが、それだけでなく、膨大な過去の映像と質の高い情報を持っています。検索している時に、そういった情報を知りたいかもしれません。我々がその情報を提供すべきだと思っています。それはTVが提供する娯楽とは異なるかもしれません。 田原:Googleみたいに成功している会社を大きな会社が買収しようとした時、どうやって守る? SB:敵対的買収をしたい企業にとって、わが社は標的にならないと思います。しかし貴方が言うようにGoogleを買収したいというメディアもあります。ですから我々は取締役会、株式の運用・管理などでその様な起こりうる事態にたいする防衛策を講じています。わが社の価値は新しい製品を作る開発力であり、更に将来作り出される価値なのです。 田原:日本では二重株などといいますが、そのような手段をとっている? SB:我々は二種類の株式を持っています。株式市場で売買するものをA株とすると、それに対しB株はとても強い議決権を持っていて、これが敵対的買収に対する防衛策になります。 2種類の株式=複数議決権つき株式 A株⇒1議決権 B株⇒10議決権 多くの民間メディア企業もこれと同じシステムをとっています。間違っていないといいのですが、NYタイムズやワシントンポストもそうだったと思います。なぜならメディア産業は敵対的買収が起こりうるからです。 田原:NYタイムズやワシントンポストは上場しているが、Googleも同じ仕組みをとっている。つまり乗っ取られないと? SB;同じ制度を取っています。 田原:日本でライブドアという会社が、ラジオ・テレビの会社を買収しようとしているが、ご存知か? SB:名前は聞いたことがあります。関連記事を読みましたが詳しくは知りません。 田原:Googleが将来、TV局を買収するなんてことはあるか? SB:そのつもりは全くありませんが、将来何が起こるかわかりません。 田原:そこでお聞きしたい。会社は誰のものか? SB:会社は株主のものです。一般の株主。社員の株主。これには私自身とラリー、エリックも含まれます。それに上場当初から株を持ち続けている基幹投資家も含まれます。 田原:会社は株主のものだけど、社員やブリンさんも沢山持っているんだ。 SB:そうです。最初にかなりの割合で社員に配分しました。おそらく私やラリーのような創設者を除き、1/3以上は社員が保有しています。 田原:日本は資本主義だといいながら、会社は経営者と従業員のものだといっています。 SB:大切なのは社員が自分も会社の所有者なのだと思えるように、正当な配分をすることです。しかし、従来のストックオプションでは大量の株を社員に割り当てます。そうすると5年後くらいに社員は、自動的に自社株を手に入れます。つまりその間社員が十分会社に貢献していなくても、自社株を取得できるのです。我々はこの問題を改善しています。それ以上に、世界中の人々に素晴らしい製品を提供することに、やりがいを感じます。さらにそれがやる気の源にもなるのです。 田原:社員というのは勤めるだけじゃなくて、会社の持ち主なんですね。 SB:まさにそうです。自分の会社だという意識を持つことはいいことだと思っています。それにより会社の意思と決断を意識するからです。 ▼Bフレッツでインターネット! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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