昨日の日記の中で、
技術開発、製品開発よりも、
それを売っていく販売システムを構築する方が、
ずっと難しい仕事であると書きました。
これに反論する方もいることと思います。
技術開発や製品開発はそんな簡単なものではないと。
技術系の仕事をされている方の多くが、
こう思っているのではないでしょうか?
そして、「こんなにいいものを作ったのに、
それが売れないのは営業がだらしがないからだ」
こうこれらの人は思っているのでしょう。
このような考え方の根底には、
技術に関わる仕事は専門知識の必要な
レベルの高い仕事で、
営業に関わる仕事は誰でも出来る
レベルの低い仕事である、
という意識があるように思います。
江戸時代に「士農工商」と
「工」が「商」の上に置かれたことが、
今日にも影響していると言ったら、
言い過ぎかもしれませんが、
伝統的にそのような見方がされていると感じます。
知的財産の分野でもそうで、
産業財産権のうち、
営業に関連するのは商標のみで、
他の3つはいずれも技術・製品に関するものです。
営業のシステムそのものを対象にしたものは、
「ビジネス方法の特許」があるものの、
自然法則を利用したという大原則は変わらず、
あくまでも例外的なものに過ぎません。
このような技術偏重の傾向は、
知的財産に限らず、
イノベーションや企業秘密などの概念も、
技術の方へ偏心させることとなってしまっています。
そして、このことが中小の製造業などの
もの作りを行う企業の経営に大きな影を落としているのです。