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カテゴリ:熟語・慣用句・文法
聖書出典のことわざに「Young man see vision; old men dream dreams」があります。秋本弘介先生はこの英語を「青年は未来を夢み、老人は過去を夢みる」と訳しています。 「英語のことわざ」秋本弘介著(English Proverbs 創元社発行)には、600近くの英語のことわざが掲載されています。その中に聖書を出典とする英語のことわざが19個あります。その一つがこれです。 引用 See visionは、将来のことを空想すること。Dream dreams は過去の想い出にふける意Dreemsはいわゆる同族目的語 (P154ページより)
英語圏では、「若い人は未来を考え、老人は過去を懐かしむものだ」というような意味で、この言葉を用いているようです。若者は将来を考え生活するが、老人は振り返るだけだというような老人にとって寂しい意味で解釈されているようです。しかし、もともと、ヨエル書にそのような意味はありませんでした。 ヨエル書での意味は、この世の終わりに、神がご自分の霊を若者にも、老人にも注ぐというものです。キリスト教会では、ペンテコステ、聖霊傾注の預言として解釈されています。 新約聖書の使徒行伝2章16節~19節「神は言われる。終わりの日に、わたしの霊をすべての人に注ぐ。すると、あなたがたの息子や娘は預言し、青年は幻を見、老人は夢を見る。その日、わたしのしもべにも、はしためにも、わたしの霊を注ぐ」 つまり、「聖霊が人々に臨み、人々は幻を見たり夢を見たりする」というのです。 老人が昔のことを懐かしむというような否定的な意味ではなく、むしろ、老人に聖霊が臨み、神の意思や希望の実現の夢を見るという前向きな意味なのです。
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最終更新日
2023年08月08日 22時21分07秒
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