時間を見つける旅

[旅行記] カテゴリの記事

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• MAHALO NUI LOA ！

  カウアイ島、オアフ島の旅から戻りました。自然、そして人の在りようの美しさ、神秘さに、心打たれた旅でした。

  2005.09.12

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• デュークの像にレイを掛けるには・・・？

  絶妙のタイミングでrocomoco7788さんの日記に写真が載っている、ワイキキのデューク・カハナモク像。彼の差し出した両手には、いつもたくさんのレイが捧げられている。ホノルル最後の夜、PARADISE COVEのポリネシアンダンスショーを観に繰り出した。歓迎に掛けてもらったレイや、ハクやクペエ作りののワークで作ったたくさんの花々を身につけて、深夜にワイキキに帰って来た私たち、レイは自然に還さなければならないので、その足でデュークの像へ。しかし・・・高い！！その高さ約5m、どうやって手にレイを掛ける？輪投げの要領でレイを投げてみたりしたけど、風に煽られてあらぬ方向へ。見物に来ていたカップルが受け止めて返してくれた。結局諦めて足下に並べて来たけど、みんなどうやって腕に掛けているのかなぁ？

  2005.09.10

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• 両親の旅

  ハワイのホイケ。 別のツアーでハワイに来ていた両親が、自力で ワイキキから遠く離れた町はずれのホイケ会場までやってきた。 旅慣れている二人とは言え、無事に来られるか不安だったので、 会場に二人の姿を認め、とてもほっとした。 両親のショートトリップの顛末。 THE BUSに乗った両親は、まず運転手さんに行き先を告げる。 運転手さんはバス停を通り越して、バスルート上でもっとも行き先に 近い地点で降ろしてくれたらしい。 そこからは徒歩でのんびり会場に向かっていると、自家用車で 会場に向かう現地の人に拾われ、まっすぐに会場に入れた。 会場では隣に座った人達が色々と気遣いしてくれたらしい。 帰りは深夜のチャーターバスで、Sちゃんにお世話になったみたい。 私がハワイに行けたこと、踊れたこと、たくさんの人に助けられたおかげなんだけ ど、 両親もまたそうなんだなぁ。 たくさんの人に感謝・・・・！

  2005.09.09

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• 今日も海へ

  お天気は少し微妙だけど、また海へ。ボードを抱え、海に入ろうとするが、波打ち際の波があまりにも荒く、翻弄される。なかなか泳ぎ出すに至らない。一度海に入ってしまえば、あとは波に任せて漂っているだけですごい開放感と楽しさが味わえるんだけど・・・夫は今日はビールを飲んでもっぱらお昼寝。何度目か、波に巻き込まれたときにはゴーグルが無くなってしまった。それでもめげずに波と格闘していたら、ついにボードで突き指・・・！ありゃりゃ。プーイリ、ちゃんと扱えるかな？？でも、楽しかった～！海って本当にいい！渋滞に巻き込まれるのを避けて早めに水から上がり、水沼の家に戻ってお風呂。ハクやレイを作る時のために、庭で葉蘭の葉を10枚ばかり摘み、近くの養鶏場でおいしい卵や野菜を買って出発。泳いだので眠くなって途中のPAでパンを買って食べたりしながら夕刻には我が家に帰り着いた。さて、これからフラレッスン。

  2005.08.15

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• 日常脱出

  夫と二人で水沼の別荘へ。水着、おやつ、ボディーボード、CD、実家から送って来てくれた、夫方の甥っ子用のおもちゃを車に満載。水沼の家に荷物を置いたらすぐに九十九里浜に向かう。すごい天気。日焼け用のオイルを塗って、すぐ海に入る。ボディーボードだけど、フィンを付けていなかったのであまり沖に出られず（ライフガードに注意されちゃった）、波の崩れる場所が合わなくて、あまりちゃんと乗れない。それでも、波の音を聞きながら、波待ちをしているだけでも気持ちいい。夕方までゆっくり泳いで家に帰り、ゴルフをしに来ていた義父と合流して茂原の町まで夕食を食べにいく。フォアグラ大根とか、牛刺しの握りとか、ちょっと不思議な和食。静かな家で、またビールを飲みながら義父秘蔵のハワイアンLPレコードで懐かしの山口銀次や日野てる子などを聴く。私が昨日習った曲を練習しようと持ち込んだプーイリに義父は興味津々。

  2005.08.14

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• 休暇ゲット！

  昨日の休日出勤で同情を引いたところで更に今日もバリバリ働き、もう、絶対に拒否できないほど上司を追いつめて休暇申請。９月のハワイ旅行全日程分、無事認可。嬉しい！

  2005.07.19

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• 敦煌で赤痢発病！

  莫高窟を堪能し、さらに西へと向かう予定だった。朝早くホテルを出て、柳園駅で電車を待つ。ホームに滑り込んできた砂埃まみれの列車に乗り込もうとバックパックを背負い上げたとたん、胃の中身が逆流した。体中の力が抜ける。この後の18時間、席なし硬座での旅行は不可と判断し、敦煌の町に戻った。泊まっていた安ホテルで病院に電話してもらい、往診を頼む。医師が来てくれたときには、全く身体が動かなくなっていた。高熱。激しい下痢。医師は難しい顔をして、一緒に病院に来るようにという。この田舎町で、救急車など望めない。医師の乗ってきた自転車の荷台に捕まり、ふらふらと彼に付いていった。日干しレンガを積み上げた、いかにもシルクロード風の病院は、30分ほど歩いた町の外れにあった。明るい中庭を囲んで、回廊式に診察室や病室がある。医師の診断は、アメーバ赤痢。あまりに暑くて、町のおじさんが売りにくる手作りアイス（氷菓）を食べたのが敗因か？おじさん、みんなが道に投げ捨てたアイスの芯棒、拾ってまた使っていたからなぁ。赤痢は、抗生剤を飲んで3日も入院すれば治るという。医師や看護婦達が集まってきて、私のガイドブックを見て大騒ぎをしている。お尻に大きな注射をするという事になると、病院中の職員や患者達が見物に来た。中庭側の窓に見物人が鈴生り。プライバシーを何とかしてくれ！回廊に沿って、病室を回る。ほとんど足腰が立たないが、入院のためだからと仕方なく医師に付いて歩く。結局、空きベッドは一つもなく、病人歩き損。また町中まで30分歩き、町一番のホテル、敦煌賓館の特別室に隔離された。ふかふかのベッド、バスタブ、毎日のお湯のサービス・・・元気ならどんなにか楽しめただろう。このとき、日本を出て3週間が過ぎていた。その夜、初めて日本の夢を見た。特別室の壁がいつの間にか透けていて、自宅につながり、両親に会う夢。涙がたくさん出ていた。絶食し、日に3回、致死量を超えていないか心配になる、両手いっぱいの薬を飲み、脱水症状を避けるために塩と砂糖を溶かした水を飲み続けた。同行の友人達の看病もあって、2日後には完全復活。3日目の朝、今度こそバックパックを背負い、西域へ向かう18時間の旅に出た。

  2005.06.22

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• 敦煌莫高窟へ

  録画したNHKアーカイブス「敦煌」を観た。80年代、初めてのシルクロード旅行の記憶が甦る。当時、敦煌の町は驢馬に引かれた荷車の行き交う、砂漠の小さなオアシスだった。莫高窟は長い間の憧れだった。重い貸し自転車で敦煌の町を朝早く出発し、防砂用のポプラ並木が続く道をまっすぐに莫高窟へ向かった。黄色い砂の丘陵が続く砂漠に、転々と塔のようなものがある。砂の向こうに莫高窟が見え、自転車をこぐ足も軽くなる。窟の中はひんやりとして、暗い。灯りを向けると、鮮やかなブルーの空に縁取られた飛天たちの姿が目に飛び込んできた。とたんに、目の前のものが踊り始める。夢中で部屋から部屋へと足を運んだ。何百とある窟の壁に、それぞれの時代の風俗を反映した仏画や像が続く。もっといかめしい遺跡を想像していたが、生き生きとした信仰の香を残す、軽やかな大画廊だった。いったんまぶしい外に出て、大仏殿へ。ここにも、大きな仏様の慈愛が親しく満ちていた。夕刻、鳴く砂で知られる鳴沙山へ。中国人観光客の団体が駱駝に乗っている。わたしたちも駱駝に乗り、周囲の沙漠を散歩した。すぐ足下にはロマンチックな三日月の形をした月牙泉が見える。沙漠のくぼみに突如現れる泉は不思議でもあり、ほっとする存在でもあった。ゆっくり沈んでゆく、乾いた夕日。丘に座り、自転車の前かごに入れて運んできた蘭州の白葡萄酒を開けた。ぬるくて甘くて、少しえぐい味だったが、乾いたのどに十分おいしい。沙漠がグレーになり、空が濃いゴロワーズブルーに変わっていくのを眺めながら、私たちは、ラベルのはがれかけた緑の瓶を、何度もまわし飲みした。やがて真っ暗になった沙漠を、私たちは自転車でこぎ出した。貸し自転車にはライトなど付いていない。ポプラ並木の陰はぼんやりと見えるものの、道が先へ続いているかさえ見えない、漆黒の闇。すぐそこに宇宙を感じられるほど近い、星ぼしに気を取られ、どうせ地上は何も見えないからと、上だけを見て走り続けた。すぐ前で、友人の叫び声。ごそごそいう音をたよりに近づいてみると、友人は自転車ごとわら塚に突っ込んでいた。もう町はすぐそばだ。この後、私の身に大変な災難が降り掛かるのだが、その話はまたの機会に！

  2005.06.21

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• フラ合宿2日目

  フラ合宿２日目。素晴らしいお天気。少し早く起きてコーヒーの出がらしで洋服を染める。庭の水道で洗って絞って、低いモミジの木にかけ、乾かす。シーツやタオルを洗濯して庭に干し、一日のスタート。昨日のバーベキュー＆踊りまくり＆酒盛りの後遺症でみなさんはちょっと遅めに起床。BunちゃんとＨ君はすでに波乗りに出かけている。コーヒーを淹れ、直売所のトマトやパンを庭のテーブルに出して日差しの中でまったり朝食。幸せ。ウグイスの声がして、はっぱがさわさわ言って、近くの山の名前を知らない木に薄ピンクの花が咲いている。Aiちゃん家に空き巣が入った時、駆けつけた警官を仕切ったという伝説の持ち主、ゴージャス美女の「デカ長」が意外や料理好きで、次々とおいしいタケノコ料理を作ってくれるので、また飲み始めてしまう。庭の山椒を摘んできて飾ったタケノコご飯、おいしかった～ぁ！午後はまた海へ。ターコイズブルーのBunちゃん号を見つけ、波乗りするBunちゃん、Ｈ君を眺めつつ、またしてもフラ三昧。海を見ながら踊っていると、だんだん波と同化して来て、頭の中のつまらないことも吹き飛んでゆき、自分も波になったように踊る。サーファーさん達、浜で踊りまくる７人のフラガールに驚いただろうな～。風が冷たかったけど、踊っているうちにぽかぽかになり、寒くて車に避難したダーリンズをしり目に踊り続ける。あっという間に日が暮れて、薄暗い中で水沼の家の近くに湧く名水を汲み、手に手に清水の入ったペットボトルを持って帰宅。その水でコーヒーを淹れるとまろやかに澄んだ味で、すごく美味しい。一休みしたらみんなが手分けして家を綺麗に掃除してくれ、また車３台に分乗して水沼を後にした。楽しかったフラ合宿もこれで終わり。すごく寂しくなってしまう。でも、大好きな韓国料理屋さんで豚トロ石焼ビピンパを食べたらまた元気になって、楽しい気分で眠りについた。

  2005.05.05

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• 炎のフラ合宿！

  さて、今日からフラ合宿！別荘のある水沼は静かなので、時間が判らずにいつも寝坊してしまう。朝ご飯の準備をしていると呼び鈴が鳴って、フラシスターと家族達がやってきた。私たち夫婦を含めて総勢１１人のフラ合宿スタート！まずは竹林でタケノコ堀り。みんな苦労して掘り出すのに、Leiちゃんのダーリンは何故か３秒くらいでひょいっとタケノコを持ち上げる。何者？？大騒ぎしながら沢山掘って、とりあえずは生を刺身で食べてみる。あ～！これから海に行くのにみんなもうビール！？堀りたてのタケノコはしゃくしゃく瑞々しくて甘いけど、食べ過ぎると胃がヒリヒリした。車３台で九十九里浜へ。すごくいい天気。風が強くて、おにぎりもビールも砂でじゃりじゃり。でも気持ちがいい。フラを踊る。あれ？この曲の振り、どうだっけ？みんな少し前の曲はすっかり忘れていて大混乱。私も脱臼で休んでしまったので、Na ka pueoを教えてもらう。う～ん、やっぱり海で踊るのは最高！帰りにお魚屋さんでバーベキューの材料を購入。大きな生牡蠣が１個７０円！ホッキ貝も２００円。ふぐの一夜干しや鯛のカマ、鰹の刺身、と沢山の収穫。庭で早速バーベキューの準備にかかる。またもやLeiちゃんダーリンがさっくり火をおこし、色々な食材を焼き始める。（これがタイトルの炎ね）ふぐはフクフク！おいしい！タケノコ甘い！山芋さっくりほくほく！牡蠣ジューシー！ホッキ貝歯ごたえがあって旨～い！などと言いながらどんどん食べる。お酒も入ってフラやタヒチアンをみんなで踊る。足が悪くてちゃんと踊れないのが残念。（手だけで踊りまくってたけど）Puameriliaちゃんが監督に捧げた曲をまた踊ってくれる。監督もきっとここに来てるよね。去年は監督、ここで気持ちよさそうにいっぱい飲んで寝てたなぁ。今年は息子のＨ君が参加してくれている。お母さんのフラシスターと合宿するなんて、なんと鷹揚な若者。ハンサムで、ゆったりしていて、監督に似てる・・・。夫と、監督の弟Bunちゃんが、二人で超怪しいタヒチアンを踊っている。面白すぎ！Bunちゃんの奥さんNuiopuちゃんはよそのハラウにいるんだけど、ケアリイの曲を踊ってくれる。表情が豊かで、おっきな口を開けて笑いながら踊っているのが超キュート！この曲、習いたい！本当にこのフラシスター達に出会えて良かった！みんな楽しくて可愛くて個性的で、話は尽きない。そしてこんなフラ馬鹿集会につきあってくれるダーリンズにも感謝感謝！踊ったり食べたり飲んだり、遅くまで盛り上がり、水沼の夜は更けてゆく。

  2005.05.04

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• 静かな時間

  夫と二人、千葉県長生郡の別荘へ。庭の竹林で沢山のタケノコ発見！竹林は明るい緑の光と影がふわふわと交錯していて、足下はふかふか。歩くだけですごく気持ちいい。３本だけ掘って、後は明日のお楽しみにマークしておく。タケノコを関西の実家に送ろうと田舎道をうろうろ走り回り、宅配事務所を探し、やっとの事で発送。腐葉土の大袋を買い、農作物直売所のトマトやクレソン、花の苗を買い込む。お腹が空いたので夫が子供の頃に行ったと言うおそば屋さんでおいしいおそばを食べる。別荘は大きな門で外界と隔てられたような空間。縁側から見渡しても、周囲には大きな杉の木や山の木立しか見えない。蛙の声や鳥の声、風の音を聞きながらゆっくりと過ごす。何もしないことが楽しい、長い時間。

  2005.05.03

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• ルーマニアの小さな小さな村で

  １９９２年８月。チャウセスク政権崩壊後、間もないルーマニア。都市部では早朝からパン屋の前に長い行列ができ、品不足でパンを買えなくて怒るおばさんが私の袖をつかんで言った。「この行列を見てちょうだい！６時から並んだのにパンを買えなかった。　このひどい状態を写真に撮って帰って世界に紹介してちょうだい！」ルーマニアレイの価値は暴落していて、銀行で１００ドル両替しようとすると、そんなにレイの手持ちがないので２０ドルにしておいてくれと言われ、レイの札束を渡された。それでもルーマニアの人々はとても親切だった。ルーマニア語とイタリア語は語源が同じで、かなり意思の疎通ができた事もあり、ハンガリーからの長距離列車で知り合った一家が、ルーマニア最初の街で私を家に泊めてくれ、面倒を見てくれた。当時ホテルの外国人レートが適用されたばかりで、ホテル代はルーマニア人の３倍以上に跳ね上がっていた。私が街を移動するというと、「あんなに高いホテル代を払ったら君はすぐに旅費がつきて死んでしまうよ」とみんなで心配してくれた。果たして、涙の別れの後、強引に乗った長距離バスを降りると「あれだあれだ」と言いながら駆け寄ってくる一家族がある。前の街の人々から連絡が入っていたのだ。それ以来、ルーマニア旅行を通して私は「知り合いリレー」で街から街へと受け渡される事となった。マラムレシュ地方のサプンツァという村に滞在していた時のこと。この村は陽気な木彫りの墓標で有名な村だ。その墓の主の人生で重要な出来事が素朴な木彫りのレリーフに彫られ、鮮やかに彩色してある。墓地に行くと、たくさんの幸せな人生に囲まれて、何となく暖かい気分になる。宿を提供してくれた家のおじさんが呼びに来た。近くの小さな村で、一番小さな家に赤ちゃんが生まれたというのだ。早速、みんなで見に行くことになった。少し山の上の方にあるその家は、本当に絵本の中の家のように小さく、可愛らしかった。８畳一間位しかないのでは、と思えるほど。家の前に一本の低い木があり、枝という枝にカラフルなホーローのカップやヤカン、壺、鍋などが掛けてある。これはこの地方の習慣。家の中は綺麗に片づいていた。壁一面分の木の棚に寝具やリネン類が収納され、そのどれもが赤や黄色や黒の鮮やかな縫い取り織りで、部屋の装飾をかねている。棚板には奥さんが編んだレースが貼り付けられ、優しいムードを醸し出していた。明るいブルーのペンキで塗られた壁にも奥さんやそのお母さんが織ったという布が掛けられ、絵皿が飾られている。その童話のようなおうちの中に、ちいちゃな生まれたての赤ちゃんがいたのだ。古い木のゆりかごの中に、天使のような女の子が眠っていた。村の人がたくさん集まり、楽しい会食になった。都市部では食糧不足が深刻だったが、自給自足の農村では単調ではあるが、かなり豊富な食生活をしていた。お父さんが屋根裏で作っているベーコンは塩がきつく、よく燻されて強い香気があった。その濃厚なベーコンを小麦、チーズ、ミルクと合わせて煮込んだポリッジがもてなし料理だった。こってりしたポリッジにプラムから醸造したという強いお酒がよく合い、話も弾んだ。私から見ると本当に小さな村、サプンツァの人々が「いや～小さな村に小さな家、赤ちゃん、可愛くていいね。」などと口々に話し、小さいものを愛おしむ気持ちとお祝い気分で一杯だったことも、とても新鮮に感じられた。あの小さな村へのピクニックとランチを思い出すと、今でも子供時代に旅をして帰ってきたような、懐かしく、暖かく、ワクワクするような気持ちになる。

  2005.04.28

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  ヨルダンの旅の記憶

  Fredに会って1987年の中東の旅を思い出した。ギリシャから船でトルコに入り、トルコを回ってからヨルダンに南下し、パレスチナ難民の家族と２週間過ごした。難民達は、あっという間に財産を失った経験があるため、教育に力を入れていた。余裕のある人は子弟をヨーロッパに留学させたりしていたし、難民キャンプにいる貧しい子供達は、いつも私にお水やナツメヤシを勧めてくれながら、「英語教えて」と集まってきた。子供達と話す中で、「将来は何になりたいの？」と聞いてみた。「生き残りたい」と最初に答えた小さい女の子の黒い瞳が忘れられない。第２次大戦、ナチスの暴挙の後、生き残ったユダヤ人の補償問題に頭を抱えたヨーロッパは、ユダヤ人達のシオニズムに目を付け、当時混乱状態にあったパレスチナの地の中で、港とオアシスのある豊かな地域をを強引にパレスチナ人から奪い取り、ユダヤ人に与え、補償代わりとした。あの難民キャンプの子供達は今頃２０代の若者。イスラエルは圧倒的な経済力と軍事力を背景に今も入植地に強硬に住宅建設を続けている。彼らが今、自分の身を犠牲にした「自爆テロ」に身を投じていても不思議ではないと思える。なぜ日本の報道はパレスチナのレジスタンスを「テロ」と呼び、ヨーロッパとアメリカの身勝手を許そうとするのか。ナチスに対するフランスの抵抗運動は「レジスタンス」で罪もない人を巻き込んだアメリカの石油戦争は「テロとの戦い」？何かが間違っている。読んで欲しい本：パレスチナ新版反テロ戦争の犠牲者たちパレスチナ瓦礫の中の女たち子どもに伝えるイラク戦争

  2005.04.24

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