アニメ感想『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』
以前より気になっていたアニメ作品をネトフリで鑑賞しました。超簡単感想です。『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2018年・全13話)『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -』(2019年・劇場版)『劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン』(2020年・劇場版)高い戦闘能力を持ち、「武器」と称されて闘った少女は、戦争の最中で両腕と最愛の上官を失う。終戦後、上官の知り合いだったホッジンズの立ち上げたC.H郵便社で、文字の書けない依頼者の代筆を行う「自動手記人形」として働き始めた少女は、同僚や友人、依頼主たちとのを交流通じて、様々な「愛」に触れていく。彼女の名は、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。CM→ 第1弾、第2弾京都アニメーションの美しい映像美と、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』という浮世離れしたキレイな名前が印象的で、鑑賞してみたかった作品です。TVシリーズ・劇場版ともに、丁寧に作られた1話1話、とても見応えがありました。様々な依頼者が都度現れ、また「呼ばれれば駆け付ける」という自動手記サービスとしているため、毎話ガラッと変えた感情やシチュエーションで話を回すことが出来る点が、アニメーション用として非常に上手な仕掛けだな、と思って鑑賞しました。京都アニメーションは、言わずもがなですが、圧倒的な美麗作画・映像クオリティが一番の売りで、特に本作のような、デフォルメの少ない作品の艶っぽさ、細かなディティールの繊細さが圧巻…だともちろん思います。…が、実は私(たち)は、あんまりにも美しい…ぬるぬる動くアニメーションが少し苦手で。というのも、キャラクターの動作/表情が、いちいち大袈裟だと感じることが多くて。効果的で取捨選択した上での、必要な「動き」なら、いいんですよ。でも、あんまりにも神作画過ぎる作品って、「この情報を伝えるのに、この大袈裟な動作はいらないだろ」とか、「この部分の感情表出/話回しのために、こんなやたらとオーバーな演技/表情変化いらないだろ」と思っちゃうことが多い。特に「演技/表情」に関しては、大げさ過ぎると全体のバランスが崩れちゃうというか。どういうテンションでキャラクターたちの感情変遷を捉えればいいのか、ちゃんと情報の表出にデフォルメなりテンポなりで緩急をつけてくれないと、1作品として、一番重要な感情を一番重く捉えられなくなっちゃう…というか。本作も、パッと見た感じ、上記の印象を受けそうな作品だな…と思っていました。ただ、実際に鑑賞してみて、思ったよりもずっと素直に受け取ることが出来ました。出だし、無表情で他人の気持ちがなかなか理解できないヴァイオレットちゃんにとって、サブキャラたちも含めて、周囲の人たちの「感情表現の豊かさ」は、学びの対象であり、憧れの対象であり、非常に尊いものだからだと思います。オーバーな表情、オーバーなリアクションを、ヴァイオレットちゃん目線を通じて、とても好意的に受け取ることができる…作品の設定に鑑賞者の受け取り方も引きずられるんだな、と思いました。これは実際に鑑賞してみないと感じ取れない、興味深いところでした。TVアニメシリーズの3話・10話・11話、劇場版の『外伝 - 永遠と自動手記人形 -』が個人的には気に入りました。完結篇となる劇場版も、きちっと幸せなラストに締めてくれて、鑑賞者の期待したいものを見事に全部描き切った、優等生なアニメーション作品だな~、という印象でした。鑑賞できて良かったです。by姉