『夢色パティシエール』は 何であんなに面白いのか?
~松本夏実先生のコミックをひたすら読んで考察(?)ーその6
ようやくこの作品に辿り着きました!
『夢色パティシエール』
今回の松本夏実先生大フィーバーの原点。
・・・原点というか、パティシエール大フィーバーの副産物が
松本夏実先生大フィーバーだったんです。
基本はこの作品です。
今までの作品の感想は、
いかに他の作品がパティシエールの魅力に繋がるかを探るものでした。
この作品に関しては、ひたすらココが魅力だ!という内容になるかと思います。
まずは。
この作品は、とにかく題材がいいです。
夢と努力と少女漫画が間違わずに一直線にあって。
お菓子・スイーツだけじゃなく、
フリル~♪リボン~♪もいっぱいで、画面も華やかです。
・・・だからこそ、お菓子漫画って他にも結構あります。
少なくとも、なかよしには私が小学生の頃から、
女の子がお菓子を作る話はありました。
最近だと・・・
なかよしで『キッチンのお姫様』という作品が連載されていました。
この作品、
女の子が学園に転入するところから始まって・・・
パティシエ?を目指す・・・という、
正直、あらすじだけならパティシエールと同じ話です。
お菓子漫画・・・もですし、
あとは基本的に、料理漫画全般に関して言えると思うのですが、
漫画として、すごく完成度が高い作品が多いと思うんです。
少なくとも、絵はめちゃめちゃ上手い!
だって、料理がリアルで美味しそうじゃなきゃ、
料理漫画の意味がありませんから・・・。
私自身は、料理漫画オタクで
料理漫画ならなんでもかんでも読みつくしてるぜ!
・・・ってわけではないのですが;
それでも昔から多少は読んできてます。
『将太の寿司』が筆頭かな。
正直、本格『料理漫画』っていうのは、
こういった料理漫画だと思うんです。
美味しそうな料理の紹介が最優先の漫画。
・・・そう。『料理を描くため』の漫画なんです。
・・・もちろん、これはこれで正解だし、大好きです。
美味しそ~うな料理に、エピソードが付いて出て来る。
実際に食べることはできないにしても、凄く魅力的!
でも・・・だからこそ。
料理漫画は『料理の為の漫画』だと思っていたからこそ・・・
『パティシエール』は衝撃だった!
パティシエールのこんだけの感動って、
やっぱり『漫画力』に依拠するものだと思うんです。
出てくる『料理』の方が、お話へ溶けてるんです!
『少女漫画』のが先なんです。
『夢』っていうテーマの少女漫画。
・・・そこに、料理が溶けてるんです><!
少女漫画の文脈上、
すっごい凝った、トキメキ小道具・・・
みたいな形で、お菓子が出てくるんです。
一個一個の料理のインパクトが、
もう凄いのなんのって・・・;;
ちなみに、アニメを観ていて
「・・・っおおーーい!なんだこのお菓子はぁ!上手すぎだぁ!」
と思ったお菓子は、ほとんど原作に登場したお菓子でした。
このキャラクターが、
こういう場面で、
このお菓子を出してくる!
・・・というのが、凄いしっくり来るんですよ。
キャラクターの人間性がそのまーんまお菓子作りに出てきて、
更にそこから、
個人の努力やチームとしての相乗効果が付加されていって、
『夢』へ向かう気持ちいい成長エピソードにまとまる・・・という;;
スイーツ馬鹿ばっかりですから、
皆、お菓子で気持ちをアウトプットして、
お菓子で相手の努力や気持ちを読み取って・・・
お菓子を通じて恋をして・・・
そんなことを繰り返しているんです;
どんだけ美味しい食材を使っているか、切々と語る・・・のも、
『美味しそう』と思わせる一つの手段だと思いますが、
でもやっぱり!
それだけじゃないよな~~!って。
美食大会で、超高級食材使った料理を、
美食家の審査員が食べて『美味い!』って言うのと、
単身赴任先から週末に帰ってきたお父さんに、
小学3年生の女の子が作ってあげたたどたどし~い夕飯と、
どっちのが美味しそうか、ってことだと思うんです。
どっちも正解です。
もちろん、『料理主本』なら前者。
でもやっぱり私は・・・文脈で食べるのが、好きだな~~と。
パティシエールって、基本的にお菓子がこう↑なんです。
しかも、「食べる」だけではなくて「作る」過程に、
人格と物語と成長があります。
・・・全国脚本ファン必見の神業だと思います。
うん、そうだな。
今まで書いてきたところは、主に『脚本』。
・・・しかし、漫画・パティシエールの凄いところは、
更にその先にあります!
『脚本がイイ』って、要は『元がイイ』!ってことだと思うのですが、
その先の・・・『演出がイイ』!
この辺りは、「読んでみて!言葉では説明できない!」って世界なのですが・・・。
うーんと・・・そう、『時かけの魅力』です!
前作・『エンジェル・タイム』で、
この方の作品を至上の作品にしている・・・その「魔法」は、
この映画なんだろうな~・・・ってことを少し書いたのですが、
パティシエールを読んでも、それをビシビシと感じるんです。
・・・恋をせざるを得ない・・・ように、描いてある。
時かけに、「コウスケくんとチアキくん」が出てきたように、
パティシエールにも「花房くん、安藤くん、樫野くん」の3人の男の子が出てきます。
でも、
表情を見せる絵の大きさとか、
視点の動き方とか、
話かけるまでのタメとか、
・・・とにかく、相手に対してのテンションですね。
これが、全然違う。
一人だけすごい自然に『特別』w。
この描かれ方をして、樫野くんに恋をしない・・・わけにはいかない!と。
この辺は、本当にもう絶妙なんですよ~~><!
また、この「テンション」の演出というか、
「恋をせざるを得ない」魅せ方というのが、
巻を増すごとにどんどん凄くなっていってるんです。
ページをめくった瞬間に、目に飛び込んでくる「印象」が凄く衝撃的で、
一瞬で『これは落ちる!』って分かっちゃうんです。
一瞬なんで、この時は凄い感覚的なんですけど、
いや、偶然のはずない!絶対トリックがある!
・・・と思って舐めるように反芻すると、
エピソードの並び方から、このシーンに向かっていたり、
手前のシーンのタメ、視線の動き方がスローテンポになっていたり、
やっぱりちゃんと根拠があるんです。
最初の方はいちごちゃん目線が多いんですけど、
巻を重ね始めると・・・他の子(特に樫野くん)のテンションの演出も多くなってるかな。
6巻の19話!
このエピソードなんかモロにそうです。
このエピソードの素晴らしさについて・・・だけで、
この間は2時間妹と電話で議論してましたから・・・;;
いや、このエピソードの、ここでこのイメージが来るのがまずありえない!神業! ・・・とか、
このシーンにこの会話の後、この視点で入っていくのが凄いんだ! ・・・とか。
全国少女マンガ演出ファン必見の 神業のオンパレード!です。
むむむ・・・やっぱり上手く書けなかった~~><!
最近、記事が停滞していたのは間違いなく
パティシエールについて、のこの記事が書けなかったからなんです・・・。
あんまり魅力的で。
どう褒めて、どうまとめていいのかさっぱり分からない。
この魅力の前には、どんな言葉も安っぽくなっちゃって;;
私に語彙力がないだけなんですけど。
とりあえず、最近読んだ他の漫画の感想も書いていきたいので、
こうしてばーーーっとアウトプットしたわけですが・・・
やっぱり駄目だった・・・;;
とりあえず、当記事をもちまして、
馬鹿みたいに挙げまくった『松本夏実先生について』を一度〆ようと思います。
この記事が書きたくて、
ここまで長々と感想を書いてきたのに・・・;;
あ~~フラストレーション;;
いつか・・・いつの日か、
私の感じている、このパティシエールの魅力を
満足のいく言葉で言い表せる日が来る・・・といいな;;
とにかく、今言えることは一つ!
『夢色パティシエール』という少女漫画作品に、
私は・・・
30冊もの作者様の前作品を全て集め、
長々とその経緯を追っかけていく記事を書く・・・という、
それだけする価値・魅力を感じているんです><!!
これだけは、実際に自分が(かなり頑張って)やったことなので、
自信を持って言えるな^^。
夢色パティシエールが大好きです!!
by姉