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2010.10.29
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カテゴリ:航空券
たまに予約数が定員座席数を上回ってしまい、乗れない乗客が
出ることがあります。

予約を取っていながら定員を上回るのはおかしな話ですが、鉄
道のように「立ち席」が認められない飛行機では、定員以上の
乗客を乗せて離陸するわけにもいきません。

鉄道の場合はよほどのことがない限り、予約に乗らない乗客は
いませんが、航空の場合にはチェックイン時刻に姿を見せない
NO SHOW(ノーショー)がかなりいます。



飛行機のチケットは、後からは売れない商品なので、エアライ
ンは出発時点で100%になるよう、キャンセルや予約変更を
見込んで定員を上回る予約(オーバーブッキング)をとります。

オーバーの程度は、良心的なエアラインで1割程度といわれて
いますが、海外のひどい航空会社になると定員を4~5割も上
回った座席を販売したりします。

しかし、この率は定率ではなく、経験則が加味されるため、外
れて調整できないケースが生じるのです。



予約期間が長く、販売箇所も広い国際線の場合は、誤差が大きく
運がよければ空いているビジネスクラスに格上げされることもあ
りますが、足りない座席の調整は格安航空券や団体運賃客で行な
われます。

国際線の予約は、1年前から受付が開始されます。

旅行会社にエコノミー席がまとめて卸され、パックツアーなどに
加工され、一般に販売されます。



半年前くらいから個人の予約が入ってきますが、ここでも旅行者
は二股三股をかけていることが多いものです。

出発日の1ヵ月半前から1月になり、キャンセル料が発生する期
間にはいるとパックツアーが売れ残った席を戻したり、二股をか
けていた客が、本命以外をキャンセルするので実態が見えてきま
す。

エアラインはここから調整作業に入ります。

確定している格安券の乗客を正式に予約リストに加え(ブッキン
グ)、定員を大幅に上回っていれば、航空会社は代理店に未販売
の座席の返還を求めるのですが、販売機会の損失を恐れる代理店
は架空名義を提出して抵抗します。



それでも調整が難しい場合には、ノーネームチェンジ(名義変更
の場合には違約料を徴収する)を通告して実態を解明しようとし
ます。

ビジネスクラスや正規割引運賃で予約を入れるとすんなりと座席
まで指定できるのに、格安航空券だとなかなかフライトが確定い
ないのはそのためです。

調整方法としては、団体客、格安客を他の経由便などに回すこと
もあります。



それでも整理が完了しなかったり、正規運賃客の新たな予約が入
ったりして、100%を上回ったまま当日を迎えるフライトもあ
ります。

そうなると、航空会社は格安航空券をチェックインの早い段階で
「足切り」し、定員におさめることになります。

この辺の事情を熟知している団体旅行の主催者は、到着時間が遅
いことを理由に「切り捨てられる」リスクを減らすため、集合時
間を早めてチェックインを他の客よりも早く済ませるのです。

したがって、あぶれる可能性が高いのは、旅慣れていないか格安
航空券の利用者ということになります。

以前は、あぶれた乗客への対応は個別に行なわれていました。



調整は空港の現場職員に任され、説得に応じてくれそうな乗客に
狙いを定め、顔色をうかがいながらの交渉でも、ときに交渉が決
裂し、出発が大幅に遅れることがありました。

かつては「切捨て」られた乗客が泣き寝入りしていましたが、今
では救済のルールが作られています。

一方、エアラインにとってもルール化は必要でした。



航空自由化によって収益が厳しくなったエアラインは、処理をル
ール化して迅速に対応するとともに、オーバーする上限を引き上
げることで搭乗率を上げようとしました。

それが日本では2001年から始められたフレックストラベラー
制度です。

補償の内容は、予約者が座席数を上回った場合、座席の譲渡に応
じた乗客に対して、当日の他の便への振り替えには1万円または
マイレージでは7500マイルが、翌日便への振り替えには宿泊
費などと2万円または1万5000マイルが支払われます。



譲渡者が旅行を取りやめて航空券の払い戻しをした場合でも、補
償は受け取ることができます。

この補償額は国内各社に共通ですが、これは国際相場でもありま
す。

国土交通省の趣旨説明では、「オーバーセールス発生時における
旅客の取り扱いに関する統一的な手続きを定めることによって、
オーバーセールスに対する公平かつ円滑な解決を実現し、利用者
利便の向上をはかる」とあります。



そして概要としては、
1.オーバーセールスの発生が判明した時点で自主的に予約便へ
  の搭乗を取りやめる旅客を航空会社が幅広く募集する。

2.募集に応じて搭乗を実際に取りやめる乗客に対して、航空会
  社が一定の協力金を支払う。

ということになっています。

大手は調整作業を円滑に進めるために常連客に事前協力を呼びか
け、オーバーブッキングがはっきりした際、まずその登録者を探
し出し、協力を求めるようになっています。

ちなみに運賃競争の激化からオーバーブッキングが頻発する米国
では、輸送量の0.12%の63万6000人に達しており、早
くから補償制度が取り入れられています。



その結果、補償制度によって席を明け渡した乗客がそのうちの
92%で、意志に反してフライトの変更を強いられた乗客は全体
5億3980万人の0.009%(4万8千人)となっています。

しかし、補償制度があるので安心してオーバーブッキングを重ね
ているような印象の航空会社もあります。

LCC(格安航空会社)では対応が分かれ、サウスウェスト航空
の拒否者は1万人当たり0.69人ですが、ジェットブルーは自
主協力者が全体で32人あるものの、それだけで調整がつき、拒
否者を全く出していません。

こうしたデータに航空会社の経営姿勢が垣間見られます。







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Last updated  2010.10.29 21:20:27



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