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レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系については数日前に話しました。レニンというホルモンは腎臓から分泌され、この系を通して食塩を保持する系として働いています。食塩が不足している場合にはこの系が働いて食塩を腎臓から再吸収して不足分を補うことができます。しかし、逆に多い場合はレニン分泌の抑制が不十分にしかかからず食塩が過剰な状態となって高血圧発症のもととなります。高血圧の状態でレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の抑制が不十分であれば血管作用のあるアンジオテンシンIIも抑制されておらず血管作用をもたらします。メタボリック症候群では血管内皮細胞の酸化ストレスが動脈硬化の引き金になることをいいました。このアンジオテンシンIIも血管内皮細胞に作用して酸化ストレスを引き起こすことが知られています。このように、食塩を過剰摂取すると高血圧になりますが、さらに分泌抑制不十分なレニン・アンジオテンシン系によって動脈硬化が進行することになります。
糖尿病、肥満、高脂血症、喫煙などの場合においても、レニン・アンジオテンシン系の刺激(存在)が血管酸化ストレスを増悪させ動脈硬化を進行させます。 レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系は食塩過剰文明ではむしろ無用な存在になっています。血管障害を抑制するために、早期からのレニン・アンジオテンシン系抑制薬(アンジオテンシン受容体阻害薬やアンジオテンシン変換酵素阻害薬)が有効と思われます。この抑制薬は高血圧への保険適応のみならず、糖尿病性腎症や心不全にも適応があるくらい心・血管・腎障害には有効なお薬です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/03/10 02:39:57 PM
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