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高血圧の発症基盤には食塩の過剰摂取とそれに見合わないレニン・アンジオテンシン系の不完全な抑制があると私は思っていますが、この中に糖尿病発症の原因がすでに潜んでいます。すなわち食塩の過剰摂取は食塩のみの摂取過剰を意味せず、カロリーも同時に多く摂取している可能性があります。またカロリーのみ摂取するのは困難で食べれば食べるほど食塩の摂取も多くなります。たとえばフライドチキンのたぐい。その過剰なカロリーが肝臓での糖代謝や脂肪細胞の肥満をもたらし糖尿病発症をうながします。食べ物とはカロリープラス塩なのです。
また、最近の研究ではレニン・アンジジオテンシン系の主要ホルモンのアンジオテンシンIIが脂肪細胞や糖代謝細胞に働いて糖の代謝障害を来たす可能性についても報告されています。一般の状態ではこのようなことは起きないでしょうが、糖尿病状態があるような場合にはアンジオテンシンIIの糖代謝への影響も無視できません。高血圧を伴った糖尿病患者へのアンジオテンシン受容体拮抗薬の投与によって、数は少ないですが糖尿病の新規発症が抑制されたという報告もあります。また、アンジオテンシン受容体阻害薬が脂肪代謝異常の原因になる脂肪細胞分化を抑制することも報告されています。アンジオテンシン受容体拮抗薬は本来降圧薬ですが、糖尿病や脂肪代謝疾患について最近検討がなされ有益な成果が報告されています。 このように、高血圧と糖尿病は発症と治療の点でオーバーラップする疾患です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/03/14 09:56:00 PM
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