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昨年放送された「三屋清左衛門残日録」の完結編の話です。藤沢周平の作品をドラマ化したもので、隠居した元側用人が主役なのですが、どこにでもありそうな派閥争いをテーマにしていて、とても中身のある筋立てで、個人的には優香が演じる嫁役が何とも素晴らしい演技で、バラエティでは見られない味を出しているように思います。
残念ながら、そんな機会には巡り合えませんでしたが、このような妻または嫁がいたらと思ってしまいましたよ。また家禄に執着する老人たちも登場してくるのですが、地方大名の家来という設定ですから、主役の三屋清左衛門ですら870石、そして昔一緒に道場で剣術の稽古をした友人が、理由があるとはいえ25石と大幅な差が、また妬みとかを生み出しているそんな世界です。
それほど詳しくはありませんが、当時の大名や旗本は領地から送られてきた米を蔵前の札差に預け、換金化していたようですが、何年分も前借をしていて、札差に頭が上がらないとか、その家来たちの俸禄も半分を借り上げと言って取り上げていたりとかが普通であったようですね。
旗本や御家人という将軍直属の武士と言っても、そんな時代ですから内職をしていたり、社宅に当たる屋敷地の一部を医師に貸したりとかあったようです。藤沢正平の世界では庄内藩(今の山形県鶴岡市)を舞台にしたものが多く、そんな下級武士の世界を取り上げていますが、上司に当たる家老たちの欲に振り回されて暮らしていく、そんな世界ですね。
私が退社後、初めての旅先はこの鶴岡市で、その前にあったドラマ「たそがれ清兵衛」が鶴岡市の近郊で撮影され、セットが残されていると知り、出かけたものです。そんな作品がこうしてドラマ化されると、無理しても見ないわけにはいかないと言うものです。