俺様パイロットは娶り落とした契約妻をじっくり愛したい【極甘オフィスラブシリーズ】
2023年10月刊マカロン文庫著者:Yabeさん航空会社のグランドスタッフとして働く和葉は、ある日、同じ会社のエリートパイロット・亮真から結婚してほしいと頼まれる。最年少機長となったばかりの彼は、仕事に専念したいのに、寄ってくる女性が後を絶たず困っているのだという。一方和葉も、苦労して育ててくれた母を早く安心させてあげたいと、彼との結婚を決意。単なるルームシェアくらいの気持ちで同居を開始したものの、夫となった亮真の激甘なギャップにたじたじで…!? 「これからは、遠慮なくいかせてもらう」突然始まった溺愛猛攻に、ウブな和葉は陥落寸前! 糖度120%の【極甘オフィスラブシリーズ】第二弾! ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 石神和葉=グランドスタッフ。涼真から契約結婚を申し込まれた。 井添涼真=最年少機長。和葉の人となりを気に入り契約婚を持ち掛ける。中村由香里=和葉の友人で同僚。 葛城=副機長。涼真とは同期入社のライバル。グランドスタッフとして羽田空港で働く和葉は、亡き父の影響でピアノを弾くのが趣味。部屋にあるのは電子ピアノなので、練習を重ね仕上がった曲のみ、空港のグランドピアノで弾かせてもらっている。人気のない時間を選んでのことだが、今日は傍で聞いてくれている人がいた。見ると社内一のモテ男・井添涼真ではないか。今年、最年少の33歳で機長になった彼はその容姿とどこぞの会社社長の息子ということでとにかくモテる。しかし、涼真は並みいる美人CAからの誘いを全て断わる孤高の人でもあった。そんな彼が、上手いとは言えない和葉の演奏を最後まで聞いてくれたことに驚いたが、あろうことか涼真の方から話しかけられたので緊張しきり。弾いていた曲のタイトルを聞かれ、説明すると君のおススメの曲を知りたいからといつのまにやらSNSの友達登録までさせられ何が何やら。生真面目な和葉は社交辞令かもしれないと思いつつも、帰宅するとおススメの曲とタイトルを3つわざわざ説明文まで付けて送信。すると、数時間後にステイ先なのだろう北海道の写真と共にお礼の返信が来て、少しして早速ダウンロードして聞いてると報告が来た。その後もSNSでのやりとりが続いたある日、早番が終り帰宅しようとしていた和葉はトラブルに巻き込まれた。間一髪のところをは涼真に救われ、ショックで震える彼女をカフェに誘い収まるまで傍に居てくれた。余計な手間を取らせたと礼を言ってその日は別れたが、翌日出勤するとこのことが噂になっていて和葉は質問攻めに。本当にただのSNS友達なのでそういう仲ではないと説明すると、友人の由香里始め、同僚達は一応信じてくれた。が、怖いのはCA達で聞こえよがしにひそひそやられて何気に傷付いてしまう。数日後、涼真から男一人じゃ入り難いからと女性に人気のスイーツ店に誘われた和葉は、距離を置いた方が良いと判っているのに付き合ってしまった。タルトに舌鼓を打っていると、彼は頼みごとがあるんだと切り出した。幼い頃からパイロットに憧れ、必死に勉強をこなし念願の機長にもなれた。が、学生時代から女性のアプローチが凄まじく、毎度毎度断るのも一苦労だと言う。パイロットは医師と同じく日々勉強。浮ついた気持ちでないだけに正直煩わしいのだそうだ。そこで、数年程俺と契約結婚してもらえないだろうかと。要はせめて数年煩わしさから逃れたいので女避けに協力して欲しいということか。流石に結婚となると迷うが、涼真の気持ちも判る。しょっちゅうCAの誰かに付き纏われていただの、美人で評判のCAが告白して玉砕していた等、グランドスタッフの方にまで聞こえてくるほどなのだ。断るのにも労力使うし逆ギレされたりしたらメンタルにも影響しそうだ。それでも、と渋る和葉にもう一押しとばかりに涼真は入籍して一緒に暮らせば家賃も浮くし、実家への仕送りも増やせる。生活費全て俺が持つと畳みかけられ、彼女は決心した。そのうち母を引き取り、妹が結婚するまで独り身のつもりだったが、先に自分が結婚した方が母も安心だろう。それに仕送りが増やせるのはありがたい。せめて2年以上は継続したいと言われたので、期間含めて追々決めて行くことに。母にも結婚報告し、許可を貰うと早々に二人は入籍。スケジュールが合わず、涼真の両親との対面は少し先にはなるが歓迎されていると言っていた。引っ越しを済ませ同居生活が始まると、これでお前にの前では猫被らなくていいなと、彼は態度を一変。好青年の仮面を脱ぎ捨てた涼真は所謂俺様だった。しかし、多忙故に女性たちからの猛アプローチに困っていたのは本当のようで、それより煩いと怒鳴るのを我慢するのが大変だったそうだ。少々早まったかもしれないと思ったものの、俺様ではあるが何か無理強いしてくるなどの問題行動も無いので気にしないことにした。由香里には疑惑の目を持たれているが、あんたが幸せならそれでいい、と何かあったらすぐに相談して欲しいと念押しされた。同僚達からは概ね祝福されたものの、他の部署、主にCA達からの風当たりが強く、聞こえよがしな悪口はしょっちゅうある。由香里がいなかったら心が折れたかもしれない。涼真との関係に変化が生じたのは入籍から1ヶ月経ったある日のこと、彼の同期の葛城からちょっかいを掛けられた際、慌てて間に入った涼真と葛城が一触即発状態に。慌て止めたので事なきを得たが、帰宅後彼からキスをされ、俺以外の男を見るなと抱きしめられた。以降、俺様のまま和葉を溺愛する涼真の態度にたじたじ。虫除けだと結婚指輪を買い、二人で嵌めると諦める者が続出したのか悪口も減った様に思う。数日後、無事に涼真の両親にも挨拶を済ませた和葉はその歓迎ぶりに数年で別れるのに何か騙しているようで心を痛めた。それから数週間後のこと、休暇中に友人に会うと出掛けた涼真を見送り、出勤していた和葉はしょうこりもなく話しかけて来た葛城から、涼真が浮気していると教えられ・・・。勿論、涼真は浮気なんてしていません。彼が会いに行ったのは【極甘オフィスラブシリーズ】第1弾の主役CP達で、そのヒーローの拓海さんとは古い友人でした。たまたま拓海さんが席を外した際、前作のヒロイン・千鶴と話していたのを葛城に見られてたんですね。由香里からの連絡で、和葉が葛城に連れて行かれたと知った彼は慌ててやって来て、俺の妻に手を出すなと激怒。元々和葉に気があり、ライバルの涼真に取られた腹いせをしようとしていたのを気付かれ指摘されたことで、葛城も観念。浮気疑惑も晴れます。帰宅後、涼真が語ったのは実は1年ほど前から和葉に惚れていて話しかける切欠を待っていた事、裏で可愛いくて面白い子だとパイロット達から大人気の彼女を取られたくなくて契約婚を申し込んだのだと。思いがけない真実にパニくる和葉でしたが、改めて彼から好きだと告白され、いつの間にか自分も彼に心惹かれていたことを悟り、気持ちを打ち明けるのでした。由香里にだけは真実を打ち明け、でも今は両想いで幸せと報告。葛城との騒動で、涼真の性格がバレはしたものの社内で評判のラブラブ夫婦となった二人の様子が描かれて幕。この【極甘オフィスラブシリーズ】、3作目を先に読んでしまったんですが、多少登場人物がリンクしているだけでどれから先に読んでも問題ありません。因みに今作は2作目。前述の通り1作目の主人公たちは名前だけですが登場しており、ストレスで倒れた和葉が連れて行かれた病院の担当医が名前は出てなかったけれど恐らく3作目のヒーローの俊介さんかと。実はヒーロー同士が知り合いでしたってのに気付くのがシリーズものを読むちょっとした愉しみかなとも思います。1作目はまたそのうちにでも。評価:★★★★☆