失恋メイドは美形軍人に溺愛される ~実は最強魔術の使い手でした~
2023年11月刊メディアワークス文庫著者:雨宮いろりさんメイドとしてグラットン家の若旦那に仕えるリリス。若旦那に密かな想いを寄せていたもののーー彼の突然の結婚によって新しい妻からクビを言い渡されてしまう。失意に暮れるリリスだったが、容姿端麗で女たらしの最強軍人・ダンケルクに半年限りのメイド&偽りの婚約者として雇われることに。しかし、彼はリリスに対して心の底から甘やかに接してきて!?その上、リリスの持つ力が幻の最強魔術だと分かりーー。失恋から始まる、世界最強の溺愛ラブストーリー! ↑楽天ブックスより、あらすじ引用登場人物 リリス=グラットン家の若旦那に仕えるメイド。ダンケルク=軍人。解雇され行き場を失ったリリスを雇い入れる。ウィリアム=グラットン家の若旦那。 セラ=聖女。リリスと知り合い友人関係になる。幼少時から使用人としてグラットン家に仕えるリリスは、ある日突然、想い人でもある若旦那ウィリアムから結婚を告げられた。正直、ウィリアムは治癒魔術の使い手として少々名の知れたグラットン家の後継に相応しく優秀な治癒術師ではあるが、ぽっちゃり体型故か全くモテなかった。そんな彼が結婚!?いつの間にお相手を見つけたのか。デートしていた素振りも見受けられなかったし見合いしたとも聞いていない。しかも、妻と名乗る女性がメイドを引き連れてやって来て、これ以上のメイドは不要とリリスは追い出されてしまったのだった。途方に暮れるリリスはウィリアムの友人・ダンケルクが雇い入れてくれることに。彼は軍人で暫く激戦地に派遣されていたようだが、無事帰還し暫くは王都の本部での勤務になるらしい。リリスは掃除魔術の使い手で散らかり放題の部屋もあっという間に片づけてしまう。しかし、実際に目にしたダンケルクはそれが掃除程度に使われるような代物ではない事に気付き、数日後、顔なじみの魔術師にリリスの掃除魔術を見せた。すると案の定、友人の見立てではこれは「秩序魔術」だろうとのこと。150年ほど前、大聖女と共に邪悪な黒煙の龍を倒した大魔女・アレキサンドリアが使用していたのと同じもの。一方、数日ぶりに再会したウィリアムのやつれ具合にリリスたちはびっくり。ダンケルクによって着飾されていたとはいえ、彼は長年一緒にいたリリスのことすら判らなくなっていた。どう考えても嫁が怪しい。伝手を頼り、当代聖女・セラの力を借り、何かしらの術を掛けられていたウィリアムを救い出すことに成功。正気に戻った彼は案の定何も覚えていなかった。夫人を名乗っていた美女は紡績業で羽振りの良いキャンベル家の次女。ダンケルクの話ではそもそもキャンベル家自体、何かときな臭い家だという。黒い靄を使いこなす姉妹たちは、何かしらの方法で黒煙の龍の力を取り込んでいることが判り・・・。設定や展開をかいつまんで書いても相当な長文になりそうなので大分割愛してます。一介のメイドが扱う掃除魔術が実は秩序魔術という、かの大魔女と同じ力だと判明。なし崩しに黒煙の龍の力を持つキャンベル姉妹たちと戦う羽目に。実はリリスは大魔女の転生?って話かと思いきや、龍の呪いで転生できなくされた大魔女が自らの記憶の欠片を分けてあちこちに飛ばしており、その一つがリリスにというからくりでした。正気に戻ったウィリアムと聖女のセラ、そしてダンケルクの力を借りてキャンベル五姉妹を倒すべく奔走するリリス。ダンケルクはリリスに想いを寄せており幾度も求婚するも、彼女には想い人がいるのでなんだか気の毒でした。まぁ最後は色々報われて相思相愛になるんですけど、リリスのモノローグで綴られているため、一人称の小説は読むのがキツイという方には正直お勧めしません。それに全体通して割と好き嫌い分かれそうな内容だとも思います。キャラ自体は皆魅力的なんですけどね。個人的に読むの早い方だと思ってたんですが、この本も何だかんだと時間かかってしまったなぁ。所謂目が滑る系。評価:★★★★