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カテゴリ:生きること、自然、そして、環境
ライオンの洗濯用洗剤「トップ」の広告表現に対し、環境関係の団体などから抗議をする動きが出ている。
それは、洗濯用洗剤「トップ」の広告表パーム油は環境によいという表現が使われているが、パームつまり椰子の木畑をつくるために、インドネシアやタイなどの東南アジアや中南米を中心に様々な環境や社会問題を起こしているのにも関わらず、石油を使っていないから環境によいという表現をしてしまっては、不適切ではなかいという指摘だ。 一般的に、パームの生産地では、熱帯雨林の伐採など、大規模な森林生態系の転換。用地取得に伴う地元住民の権利の侵害。不適切な農薬の使用による水質・労働者の健康への影響。低賃金・危険作業等の労働問題が起こっていると言われています。 それにも関わらず、CM等で繰り返し情報を流すことで「パーム油=環境にやさしい」という誤解を視聴者に与える恐れがあります。 環境にいいと信じ込んで商品を買ったら、その商品によって、環境が破壊されていたって事になり、それを知ってしまったら、多くの人の善意が無駄になるし、心に傷を負うでしょう。 また、環境保護団体としては、フェアトレードのような感覚で、問題のない生産方法をしているパーム油の購入を推し進めているところなのですが。問題のある生産方法のパーム油が、環境にいいとして売れてしまうと、問題解決が遠のいてしまうそうなのです。 そんなことで、環境保護団体は、ライオンに対し1.誤解を与えない表現にして欲しい。2.パーム油の生産現場の情報開示をして、環境的にも社会的にも問題がないかチェック出来るようにして欲しい。というような要望を出すそうだ。 ライオンもRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)に参加しているようなので、おそらく、問題のない(問題の少ない)パーム油をつかっているだろうと思われるが。 「パーム油は(パーム油を使用しているから)環境にやさしい」というイメージがついてしまうと。他の問題のあるパーム油を使っている会社に利用され。せっかくRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)に参加して、問題のないパーム油を使おうとしている取り組みも無駄とまではいかないけど、取り組みと逆の効果を生み出してしまうかもしれない。 今回の件は、環境保護団体が、ライオンは環境問題に取り組んでいるはずなのに、結果として逆効果なことをしていることについて指摘するというスタンスで。 不買運動とかそういうメーカーを否定するような動きではないのが興味深い。 企業の社会的責任が問われる中で、環境保護団体も企業と友好関係を結びつつも、言うことは言うというスタンスになっているのであろう。 そういえば、ライオンの「トップ」は、酵素入り洗剤をいち早く導入した直後に、琵琶湖や海の赤潮などの原因となる"リン"をを使わない、無リン洗剤をもいち早く発売し、環境に良いというアピールをしたが。無リン洗剤には、リンの替わりに、アルツハイマー病の原因と言われる"アルミ"が入っていたということで、一時期、環境問題に詳しい人たちから、疑問の声を持たれたという経験のある商品だ。 あれから25年ほど経っているが、その経験が今も生かされているのなら、広告の表現に対して、慎重に決めているはずだ。 他の洗剤メーカーもそうだが。洗剤メーカーは、人の身体と関係する商品が多いので、様々な実験をして安全性などを確認し、広告表現にも気を使っているのだが。商品を売るために、どうしても、インパクトのある表現をしなくてはならない。 おそらく、近年の環境指向、去年、流行語となった、LOHASというライフスタイルの影響もあり。環境に良いことをイメージさせる表現は、インパクトを与えるということで「パーム油は(パーム油を使用しているから)環境にやさしい」という表現になったのだろう。 限られた条件の中で表現する広告は、一方で、圧倒的な量をメディアを通して情報をばらまくだけに、表現が難しいとあらためて感じた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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