|
カテゴリ:生きること、自然、そして、環境
王子もこの世に生まれて2ヶ月少しになる。新書だが、脳科学に関係する本を読んでいると、この生後2ヶ月あたりで、劇的に成長が変化するのだそうだ。ちょうどリアルタイムだ。
この本は、脳科学、発達行動学が専門の小児科医が、早期教育の科学的根拠を検証しようということで書かれた本なのだが。いろいろ興味深いことが書いてある。 その中で気になったのが、早期教育などが、ADHD(注意欠陥多動性障害)の原因となっているというものだ。 赤ちゃんの脳が成長する時。シナプスという、脳神経同士の繋がりが、すごい勢いで繋がり、一部は、繋がりを切っていくのだそうだ。素人考えでは、脳の神経の繋がりであるシナプスがたくさん繋がっている方が、頭が良くなるって思うのだが。シナプスの研究をしているハッテンロッカーという方は、脳の神経の繋がりをうまく切ることが出来なかったために、脳内の情報処理の混乱が起きていると考えているのだそうだ。 従来の説のADHDの原因は、前頭葉の働きが低下することで、年齢にそぐわない注意力の欠如、集中困難、他動、落ち着きの無さ、衝動が見られる障害が起きるという考え方で。その前頭葉の働きが低下する原因にまで考えが及んでいなかったようなのだが。ハッテンロッカーさんの考えは、そのさらに原因を想定していて、ADHDの人は、他の人より、シナプスが多いのではないかと考えているそうだ。 さて、このシナプスがどのように増えるかということだが、自然にふえるものもあれば、シナプスが増える時期に刺激を与えるとつながっていくものもあるそうだ。 そんなことで、小さな時から、いろんな事を教え込んだりするしいう、教育という刺激が、過度になるとシナプスを増やしすぎて、情報処理が混乱するというマイナスの面も出てくるのだそうだ。 同様のことが、テレビの前に、赤ちゃんを長時間放置することでも起きるようだ。テレビに興味をもち集中して見ているという事で、ついつい子供の成長を喜んでしまうのが、親というものだろうが、とんだ落とし穴があるようだ。 学級崩壊が言われ出して、もう何年も経つかが、もしかすると、その原因とされた、教師の指導力だとか、家庭での教育が足りないということと、また違う原因で発生していたのかも知れません。 まだまだ、脳や発達に関してはわからないことが多いのですが。小さな時から刺激を与える事が、ADHDの原因なのではという説は、つねに発展しなければいけないという強迫的な概念では、そろそろやっていけないという事を、表しているのかもしれませんね。 赤ちゃんにもスローライフを。 参考文献 集英社新書 著者:小西行郎 出版社:集英社 サイズ:新書/186p 発行年月:2003年05月 ISBN:4087201945 ←クリックしてね ↑↑なんとなく面白そうだから貼り付けてみました。さてどのぐらいの順位になるのでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[生きること、自然、そして、環境] カテゴリの最新記事
|
|