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カテゴリ:病気・健康・デスモイド腫瘍関係
みなさま、こんばんは。 今日は哀しいご報告をしなければなりません。 私と同じ病気を抱えて 共に「デスモイド腫瘍って知ってる?」の コミュの副管理人を務めてくれた HN「てらさん」(本名:寺澤務 享年39歳)さんが 去る5月4日(日) 夕方 5時ころに 還らぬ人となってしまいました・・・。 私がお願いをして・・・ てらさんにmixiに入会していただき コミュの副管理人をお願いして 引き受けていただきました。 代わりの居ない戦友を 失ってしまいました・・・。 デスモイド腫瘍には大きく分けて 2つの種類があります。 私のように内臓以外の箇所にできる 「腹壁外デスモイド」。 そしててらさんのように 内臓に出来る「腹壁内デスモイド」。 「腹壁内デスモイド」は 主に「家族性大腸大腸腺腫症 」 (家族性大腸ポリポーシス FAP)の 副産物として発生します。 このFAPという病気・・・・ てらさんは無知だった私に 病気が進行したことで続けられなくなった 職場の退職金を使って 東京まで私に会いに来てくれました。 2009年1月11日に 東京で私が企画・開催させていただいた 「デスモイド腫瘍で悩む仲間の情報交換会」の 開催前に、東京の喫茶店で 初めててらさんに会いました。 「櫻井くんは腹壁外デスのことは詳しいけど 腹壁内デスのことは、わからないでしょう? だから少し、勉強してほしくて 資料を作ってきました。」 そう言ってファイルを取り出したてらさん・・・。 そこには丁寧に纏められた 資料が用意されていました。 FAPとは・・・ 正常な状態の人間は体のなかに 「不良細胞」が出来たときに、それを攻撃して 壊してしまう遺伝子を持っている。 でもFAPの人は、その遺伝子を持っていないので 不良細胞が出来たら、どんどん拡がっていってしまう。 これは遺伝の病気で、親から50%の確率で遺伝します。 この病気が発症するのは平均16歳で 大腸に数千個のポリープが出現することがある。 FAPがわかった時点で大腸を全摘出することが多い・・・。 それは放置すると ほぼ間違いなく「ポリープ」がガン化するためで 治療を受けなかった場合の平均寿命は39歳・・・・ FAPの人の平均寿命は 一般の人に比べて短い・・・・(てらさんの解説より) http://grj.umin.jp/grj/fap.htm (参考資料) 正直、淡々と語るてらさんの言葉は 私に大きなショックを与えました・・・。 櫻井くんは「デスモイド腫瘍」について 沢山、相談を受けるでしょう?? だから「腹壁内デスモイド」についても わかっていてもらいたいから 僕は説明に北海道から、今日は来ました^^ そう笑ったてらさん・・・・ 私が大阪に帰るときに てらさんは新幹線のホームまで入って 見送りに来てくれました。 それ以来、彼と私は戦友になりました。 同い年だったことも 繋がりが深くなった理由かもしれません。 腹壁外デスモイドについては私・・・ 腹壁内デスモイドに関しては、てらさんが 専門的に情報を発信する形が出来ました。 てらさんは98年7月に FAPの合併症であるガードナー症候群 そして2005年3月より「腹壁内デスモイド」と 長い間、闘病を続けてきました。 致死量ギリギリの 抗がん剤にも何度もチャレンジをされています。 実はてらさんは 今年の初めに主治医から 「余命」について話をされていました。 つまり、「治療」について 見込みがつかないので 残りの人生について自分の生き方を 考えなさい・・・と。 そのことを 彼らしい言葉で そして大きな勇気を持って 私に知らせてくれました。 積極的な治療が もはや難しい・・・・と宣告されたなかで 彼は「グリベック」という 分子標的薬へのトライを決断します。 彼は私に言いました。 「自分がこの薬にトライすることで もしかしたら、後に続く人にデータが残せるかもしれない」 お母様と私は てらさんが亡くなってから 先日、電話でお話をしました・・・・。 「もう治る見込みもないし、体に大きな負担をかける グリベックなんか、もうやらなくてもいいんじゃないの??」 お母さんはそう問うたそうです。 無言で居るてらさんに お母さんは「やっぱり、やりたいの?」と聞くと 「うん。僕はやってみたい・・・・」 そう、てらさんが答えたそうです。 実際、分子標的薬のグリベックを 何度も投薬していると、かなり変調が起こってきたので 4月の末に、グリベックを止めようと決意。 自分で運転は難しくなっていたので お母さんが病院まで乗せていき 正面玄関に車を止めたときに事件が起こります・・・・。 てらさんが車を降りた瞬間に 意識をうしなって倒れてしまい・・・・ 腰骨を砕く重傷を負ってしまいます。 通常であれば全身麻酔で 腰骨の再建手術を行うのですが 全身麻酔がもはや、てらさんの体力では 耐えられない・・・・と主治医が判断、手術を断念し 以前より悪化した際に 予約していたホスピス(緩和病棟)へ搬送されます。 この頃にてらさんは 最後のミクシィのつぶやきを書かれています。 私はてらさんにメールをしてから 電話をしました・・・。 「僕はなにもかも失った・・・・。 これから自分の人生、楽しいこと考えようと思っていた先に もう、僕は動けなくなってしまった・・・・ こんな形で動けなくなるなんて、悔しい!」 「まだすぐに死ぬ・・・ということはないんだよ。 ジリジリとここに縛られる・・・食べないと・・・って 看護士さんは言うんだけど、食べられないよ」 40分くらい・・・色々と話したでしょうか・・・ 何しろ百戦錬磨の 世の中にある、苦しい検査や痛い検査や 手術や抗がん剤・・・・ もう人生の病院で経験する 様々なことをほぼ全部、体験していて、 いつも笑いながら 優しく経験談で力強く教えてくれる・・・ あのてらさんが絶望している・・・・ 私は何もしてあげられなかったから 「よし!てらさん、一度、そっちに てらさんに会いに行くわ!何にも出来んけど、北海道まで顔見に行くわ!」 って言ったら 「櫻井くん、来てよ~~此処はさ、ホスピスだからさ~ 泊まれるんだよ。千歳空港から1時間半でさ、高速バスがあるからさ・・・ ここの夜がね・・・・長いのよ・・・眠れなくてね・・・ 一晩、付き合ってよ~~~」 彼はそう言いました。 少しだけ・・・・笑顔を見せてくれました。 その次の日・・・・その病院の理事長が来て てらさんは「全身麻酔」の手術の提案を受けます。 もちろんリスクはあるなか 耐え切って、無事に生還しました。 「櫻井くん、手術無事に終わりました。 なんとか歩けるようになりそうです。 ですので、ここは脱出しますので泊まれなくなりますから。よろしく。」 お母さまのお話では すでに車椅子で散歩もし 早くリハビリをして、外に出る気満々だったそうです。 5月4日(日) 看護士さんがお風呂に入れる・・・と 連絡があったそうです。 お母さまが 「そんな無理して、まだお風呂に入らなくても良いんじゃない?」 と聞くと、てらさんは 「せっかく入れてくれる・・・って言ってるから 入れてもらうわ」 ・・・と答えたそうです。 その入浴後から状況は急変します。 意識混濁のなか お母さまと妹さんに とりあえず、てらさんは傍に居てほしい・・・と 言ったそうです。 最後まで薄れ逝く意識のなかでも てらさんは少しでも 呼びかけに反応し、うなづき続けたそうです。 妹さんがFAPを発症しなかったこと お母さんに心配をかけること いつも大切に想っていた家族が 傍に居てくれたことを 本当に嬉しく思います。 お母さまに先日、電話でお話をしました・・・。 いつも、てらさんは 周りの仲間を気にかけて・・・・ 大切にしてくれていました。 もし自分の息子が 社会の皆さまの役に立っていたのなら こんなに嬉しいことはございません・・・ そうお母さまは言っておられました。 てらさんは生前に もし自分が死んだら、誰かの役に立つんだったら 献体でも何でもしてもらってかまわないから・・・・ 何度か・・・そう話したそうです。 本当に優しく、そして本当に強い意思を持った男を失ったこと 本当に残念でなりません・・・・。 もし、てらさんに そして、てらさんのお母さま、妹さま、ご家族の方に メッセージがございましたら 月末までに私まで送ってください。 私が責任を持って 北海道に郵送させていただきます。 もし必要であれば 私の住所をお知らせいたしますので 封書で送っていただいても構いません。 写真はてらさんの「手」。 繊細な優しい性格が映されているような・・・ そんな気がします。 偉大なる優しい戦友に 心よりのお礼と哀悼の意を表します・・・・。 てらさん、ありがとう。またね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
ご無沙汰してます。mixiの方にメッセ送りました。よろしくお願いします<m(__)m>
(2014/05/26 09:09:53 PM)
はじめまして。 フラフラとデスモイドに関するサイトを探そうとしていた所、こちらに辿り着きました。 かくゆう私もデスモイド持ちの人間です。 私の場合、座骨神経を巻き込むようにして左大腿部に腫瘍があるのですが、やはりこれといった確実な治療法はなく、投薬で治療しているところです。 この病気に出会って、もう7年近く経とうとしていますが、やはり不安や悩みは絶えません。 なのでこうして同じように苦しんで戦っている仲間をみると、元気や勇気をもらえます。 わたしもステロイド治療に踏み切ろうか悩んでいるところです、貴方の更新する記事一つ一つにも縋る思いをしています。 あなたの安否確認も含めて、更新をお願いします。 それから、てらさん。 同じ病と闘ってきた戦友として、頑張ったねという労いの言葉と、心からのご冥福をお祈り申し上げます。 (2015/05/23 11:41:03 PM)
ミッキーさま>>>
こんにちは。さくらひです。 コメントの書き込みをいただきまして ありがとうございます。 このパソコンの世界に存在を置いているのが 辛くなってしまい、ご無沙汰してしまってました。 お返事が遅くなってしまい、申し訳ございません・・・。 ミッキーさんと私は ほぼ同じ箇所にデスモイドが出来ていますね。 私も近年、少し腫瘍の勢いが 戻ってきてしまい、次の治療方法も含め 模索しているところです。 ステロイドは今、私も最も注目している 治療法ですが、なかなか整形外科では (ましてデスモイドに)使用例がなく 皮膚科、呼吸器内科と連動して 情報を集めたところ、プレドニンを 体重分(約60ミリ)が(もしくはその半分の30ミリ) 妥当なところではないか・・・ その際には感染症、糖尿等の 副作用が出るので、入院は必須であろう・・・という 意見でした。 私の場合、腫瘍の80%は枯れた状態になっているため あと残りの20%を押さえ込む方法 もしくはバランスをとれる方法を模索中です。 (2015/06/06 02:26:56 AM)
かずりんさんへ
こんにちは。櫻井です。 お返事が遅くなってしまい すみませんでした。 私の体調をお気遣いいただきまして ありがとうございます。 おかげさまで デスモイドのほうは、落ち着いていまして ここ数年は、経過観察で 済んでいますので、助かっています。 腹壁内デスモイドを含む 情報ですが https://www53.atwiki.jp/desmoid/pages/16.html こちらのウィキか http://soft.vis.ne.jp/desmoid/ デス持ち会を覗かれてみるのはいかがでしょうか?? (2017/07/03 12:20:02 PM) |