季節は、すっかり秋ですね。
先日、地元の神社で秋祭りがありました。
この秋祭り、ただモノじゃないんです。
一言でいえば「とんでもない」
初めて見た時は「こんなことやってええの????」って感じでした。
地元の地区は6つの部落から成り立っていて6年に1回祭りの当番が回ってきます。
当番の部落は、祭りの花火の火の中に御輿を担いで入るんです。
当然ながら火の粉は熱いです。
法被や地下足袋は焼けて穴だらけになり、腕なんかもヤケドだらけ 、髪の毛は焼けるし
そこがハゲになってしまう人もいます。
でも法被に開いた穴やヤケドの跡が『男の勲章(by嶋大輔)』になります。
ちなみに私も2年前当番で火の中に入りましたよ。
電気が消され真っ暗になった神社の境内に「ワッショイ!、ワッショイ!」という声が響き『たま箱』とよばれる小さい神輿を担いだ者達や、まといを持った者達が入ってきます。
暗闇にかけ声だけが響き、緊張感が高まって来た頃、突然「バンバンバン」と音がして境内を縦断するように木から木へ渡してあったナイアガラに火が付きます。
「ワッショイ!、ワッショイ!」
待ってましたとばかりに滝のように落ちる火の粉の中に果敢に入っていきます。
その後も火を噴きながら回る風車花火や文字が浮き出る花火、それに打ち上げ花火など狭い境内のあちこちに仕掛けてある花火につぎつぎと火が付きます。
それに頻繁に炸裂する爆竹のでっかいやつ。
音も半端じゃありません。
「バァアアン!」「バァアアン!」
耳をつんざくような爆音。
空気を伝わって観客にも衝撃が来るほどです。
そのたびに「おおぉ~!」「おおぉ~!」と声が自然に出てしまいます。
今回私は何度も声を押し殺そうと試みましたが、どうしてもできませんでした。
クライマックスは『三国』っていう直径約40cm長さ2m位の筒状の花火。
大きいものは『大三国』、小さいものは『小三国』と呼ばれます。
花火の筒は松の木の幹に穴を開けて作ります。
松の木の選定から始まって伐採も火薬を詰めるのも当番の部落の皆でやるんですよ。
もちろん火薬を詰める時は花火工場へ行きますが実際に詰めるのは部落の人間です。
失敗すると筒がはぜたりして(花火の途中で筒が砕け散る)かなり危険らしいです。
筒の中には4種類の火薬が詰められていて、火を付けると4回花火の表情が変わり、
それが春夏秋冬を現します。
やぐらの上に据えられた大砲のような『三国』が火を噴き始めると祭りの興奮は最高潮。
そういえば2年前の当番の時、酔っぱらった地元のスキンヘッドのおじさんが膝まづいて両手を大きく広げ三国の火を一身に浴びている姿は映画のワンシーンのようで笑えました。
観客の所にも火の粉は飛んできます。
今年うちの相方はフリースジャケットに、息子はジャージの上着に穴を開けました。
息子なんて火の粉が飛んでくると皆が引くのに向かっていくものですから穴だらけ。
将来かなり有望です。
最期は『大三国』から一気に火が吹き出して終わります。
都会から来た私たちにとってこの秋祭りは、まさにカルチャーショックでした。
この花火を見ると今までの花火が子供花火だったと思います。
『大三国』は間違いなく大人花火です。
今ある意味、都会の人に一番見てもらいたい田舎の行事です。
絶対に見て損はないです。
こんな奇祭ともいえる祭りに参加できるのも田舎暮らしの楽しみですね。
4年後の当番が今から楽しみです。
田舎暮らし応援倶楽部