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70 昨日、久しぶりにあの白猫を見た。 約1年ぶりではないだろうか。 買い物から帰って来た時、ちょうどウチの庭から飛び出してきた。 何故かはわからないが、3年ほど前からこの時期限定で姿を現す。 また、JCへのお誘いだろうか。 今年はパンデミックという厄災の年だけあって、競馬界も稀にみる歴史的な1年になった。 東日本大震災の年にオルフェーヴルが史上初の栗毛の3冠馬になったことを思い出す。 今年は、デアリングタクトが史上初となる無敗での牝馬3冠を達成した。 その翌週、今度は牡馬クラッシックレースの最終関門、菊花賞をコントレイルが制し、こちらも無敗で3冠達成。 しかも世界的に見ても珍しい親子2代(父ディープインパクト)にわたる偉業達成ということになった。 しかし、なんと恐ろしい年だろう。 同じ年に牡馬牝馬がそろって無敗の3冠馬になるなんて、この先100年生きてもたぶん見られない。 その無敗の3冠馬同士が、なんと早くもこのJCで激突する。 しかも8冠馬アーモンドアイも参戦表明とあって、ボルテージは最高潮。 なるほど、白猫が出てくるはずだわい。笑 71 こんなB級風味の話題の時にしか、俺たちの出番なんてないぞ。それいけー、って感じで脳内スクリーンに男女4人の姿が映し出される。 場所はどうやら喫茶店。 パドックでは馬のどこを見るかという話題で盛り上がっている。 「タオさんは?」と尋ねられた女性が、モニターに映った馬の臀部に見入りながら、こう口走る。 「ヒップ」「ナイスヒップ!ナイスヒップ!ベリーナイスヒップ!」 どうやら世間には馬のお尻が大好きという女性は多いらしい。 よくは知らないが、どうもそうらしい。笑 たぶんそういう女性は筋肉フェチの気があるのではないか。 ここでふと思い出したのが、昔読んだ中原昌也の「路傍の墓石」。 『マリ&フィフィの虐殺ソングブック』という短編集の一発目だ。 タイトルからして、おふざけモード全開で、この話題にマッチしているところが大変よろしい。笑 さっそく、思い浮かんだ箇所をお見せしよう。 「俺はじっくりと間近で見て、よりその絵の素晴らしさに引き込まれた。黒いマチエールと淡い紫、そして金色と少々の茶色という非常に限られた色のみで描かれたその絵は、馬というよりは筋肉質の黒人のようだった。」 「俺」というのは学校をサボって、街をうろついているような不良っぽい高校生。 そんな「俺」が、たまたま入ったカフェの壁にかかっていた馬の絵に魅了される。 そこに居合わせた教師たちの言葉から妄想するに、どうもこの絵は「絵を描くしか能のない」少年がどこかに軟禁されて描かされているものらしい。 うーん、なんだかよくわからないけど、とにかく、「俺」は躍動感溢れる馬の絵を見ているうちに「黒人の野生的なエロスを想起」してしまう。 要はそれだけの話なんだけど、ここで、ふと思い浮かんだのが、ロバート•メイプルソープ。 そもそも黒人男性の肉体美がアートのレベルにまで昇華されて、一般人の目に触れるようになったのは、この人のおかげかもしれない。 おそらく中原昌也もメイプルソープの写真を頭に浮かべながら、例の文章を書いたのではなかろうか。 ここで興味が湧いた人は、ネットでメイプルソープが撮った黒人男性のヌード写真を見ながら、逆に馬の筋肉を思い浮かべてもいいだろう。 さて、さて。 人は何故、馬のお尻に魅せられるのか。 それはあのCMの女性に聞いてもわからないだろう。 人は何故、馬の絵を見て、黒人男性の筋肉を連想し、そこにエロスを感じてしまうのか。 それは頭の悪そうな「俺」に聞いてもわからないだろう。 ましてや作者の中原昌也に聞いてもわからない。 ただ、B級テイストを装ったCMや短編の中で、何か微妙なものが露わにされることもある。 そして、そこに漂う「無垢」な調べに敏感に反応する人だっているかもしれない。 今回は、つまるところ、そういう話だ。 ちなみに私は筋肉には何の興味もなく、従って、メイプルソープの写真をどれか1枚あげると言われたら、星条旗のやつをもらうわ。笑 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.03.01 13:08:35
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