高知競馬歴、約30年の西川敏弘騎手。
11回目の黒船賞騎乗となる今回は、メイショウツチヤマ（牡９歳、松木啓助厩舎）とコンビを組んで臨みます。
最も高知競馬を知る男に、黒船賞にかける想いをうかがいました。

◆メイショウツチヤマへの騎乗依頼を受けたとき、どう思いましたか？
「『乗り馬があってよかったなあ』と思いました。黒船賞は、やっぱり乗りたいレースですよね。他の馬の強さを見てみたい。一緒に乗ってみないとわからんですやん。テレビで見るだけでは、どれだけ強いんかわからん。強い馬を相手に、『自分の馬がどれだけできるんかな』と作戦を考えるのも楽しみ。やっぱり、こういうレースは乗るべきですね。乗せてもらえるだけでありがたいです」

◆最も印象深い黒船賞は？
「やっぱり、ＪＲＡのノボトゥルーに乗せてもらった黒船賞が、一番印象深いですね」

◆2005年の第８回黒船賞ですね。ノボトゥルーに騎乗予定だったミルコ・デムーロ騎手が疾病で騎乗変更。さらに、デムーロ騎手の代わりに騎乗予定だった石橋脩騎手も怪我をしてしまった。それで西川騎手が、ピンチヒッターとして指名されました。

「パドックで初めてノボトゥルーに跨ったときは、特になにも感じなかったんです。ところがレースとなれば、エンジンが違う。すごいスピードで行きゆうのに、そこから第２エンジンが点火するというか。『こんなにハイペースで行って、もう１回ターボエンジンがあるんや……』みたいな。今まで味わったことがない感覚でした。勝ったマイネルセレクトは１頭抜けてたんですけど、最後は『ひとつでも前に！』という気持ちで追っていました。２着を獲れてよかったです」第８回黒船賞の映像

◆2001年の第４回黒船賞では、高知のウォーターダグで４着に食い込みました。第４回黒船賞の映像
「昔は『ひょっとしたら着が拾えるかも？』っていうようなメンバーやったんですけど、最近はどれもこれもが強い。黒船賞に出走する中央馬のレベルが上がっているのを、肌で感じます。以前はずっと芝を走ってきて、黒船賞でいきなりダートに挑戦する中央馬がいたりすると、『チャンスやな』って思っていました。だけど最近は、ダート路線の一線級が来ますからね。５頭のうち、どの馬が勝ってもおかしくないイメージ。この高知の深い馬場が苦手な馬がおってくれたら、ありがたいんですけどね」

昨年の黒船賞では、トルバドゥールに騎乗

◆ハイレベルな戦いが高知で繰り広げられるのは嬉しいし、その中で地方馬が好勝負をしたら、すごいことですよね。

「僕らはそれを目指してやっています。メイショウツチヤマには乗ったことがないんで、どれくらいの力があるのかわからない。どれだけやれる馬なのか、僕自身も楽しみにしています」

高知転入後は10戦９勝と、素晴らしい成績を挙げているメイショウツチヤマ。
だるま夕日賞を快勝して黒船賞の出走権を獲得し、大一番に臨みます。
西川騎手との初コンビで、どんな走りを見せてくれるのか。楽しみにしちゅうよ。

草つけてすまし顔のツチヤマ。がんばってね。
３月15日の黒船賞まで、あと２日！