高知競馬場に、可憐な新人ジョッキーがやってきた。
黒船賞当日、JRAの藤田菜七子騎手が6つのレースに騎乗しました。
遅ればせながら、【菜七子フィーバー~高知編~】を振り返ってみます。
1レース前から、平日とは思えぬほどのにぎわい。
県内外から、たくさんの観客が駆けつけました。
第1レースのパドック。ディープランマに騎乗して周回する菜七子騎手に、「ななちゃんがんばれ~!」と声援が飛びます。
菜七子騎手の高知初戦は6着でした。
バラエティに富んだラインナップ。
57歳のレジェンド・川原正一騎手と18歳の菜七子騎手が並んでる~。なんだかニヤニヤしてしまう。
第2レースで菜七子騎手が騎乗したエメラルドビームは目迫大輔厩舎の所属馬で、元騎手の目迫美香さん(旧姓・森井)が曳いていました。
そして第3レース。
芦毛の逃げ馬・メトロノースに騎乗した菜七子騎手は、デビュー以来初めて1番人気に推されます。心なしか緊張の面持ち。
2番人気はアランルース。鞍上は別府真衣騎手です。
メトロノースもアランルースも、別府真司厩舎の管理馬。別府調教師ってば、名マッチメイカーすぎる。
菜七子騎手はデビュー以来、初めて逃げを打ちました。
高知の馬場は、内から約3頭分の砂が深くなっています。菜七子騎手はこの日の騎乗を「内ラチからここまで空けて走ることはなかったので、最初は戸惑いました」と振り返りましたが、逃げればなおさら調節が難しかったかもしれません。
そして別府騎手が、鮮やかに差し切って1着! 菜七子騎手は3着。
菜七子騎手との競演を楽しみにしていた別府騎手。
「なんか、『ごめんね……』と思いながら、差し切りました。。」
地方競馬通算587勝目の勝ち星。カッコよかったです。
念願の初勝利はつかめませんでしたが、第1レースから最終の「一発逆転ファイナルレース」まで、黒船賞デーの夜さ恋ナイターを盛り上げた菜七子騎手。
多くのメディアが集まったこともあり、レース終了後に記者会見がセッティングされました。
藤田菜七子騎手「初めて乗せていただく競馬場で、とても緊張しました。『別府真衣騎手からたくさんのことを教えてもらおう』と高知に来ました。そしてたくさん教えていただいて、これからもっともっと聞きたいと思います。別府騎手は姿勢がとても綺麗で、馬への当たりもとても柔らかくて、追う姿も綺麗だし、馬も伸びるし……『すごい騎手だな』って、間近で見て、改めて感じました」
別府真衣騎手「あんなにお客さんがいるのを見るのは、高知では初めてかもしれません。人間のほうが物見してしまいました(笑)。すごく楽しかったです。菜七子ちゃんは、ひとレースごとに慣れてきて、最後の2レースはちゃんと流れに乗っていたんで、すごいなと思いました」
根本康広調教師「別府真衣さんをはじめ騎手の方々、高知競馬のみなさま、今日は本当にありがとうございました。初めての競馬場、初めてのナイターということで、どうなのかなと思っていましたが、別府さんが言ったように、最後の2レースは流れに乗っていたと思います。そういう飲み込みは早いのかなと思いますが、やっぱり、勝負所での厳しさがもっと欲しいですね。いい経験になったと思いますし、感謝しています。乗せていただけるのであれば、どこへでも飛んでいきたいですね」
「有馬記念で落馬したときよりも、メディアが多いなあ」と、自虐ネタで笑いをとる根本調教師。師の「高知の別府真衣ちゃんと一緒に乗せたい」という発案と、高知競馬関係者の協力がガッチリ噛み合って、黒船賞デーの高知競馬場は華やかに盛り上がりました。楽しい1日を、ありがとうございました。次回の高知遠征を、心待ちにしています☆
さて、本日3月21日(月)は、3歳重賞の土佐春花賞が行われます。暮れの金の鞍賞を制したブラックビューティや、キモンクラブ、サプールコンゴといった新興勢力が、どんなレースを繰り広げるのでしょうか。
そして3月26日(土)には、福山けいばメモリアル競走が行われます。
そんなわけで、黒船賞が終わっても、高知競馬から目が離せません。
福山けいばメモリアルまで、あと5日!