いかがわしかったり、テキトーだったりで、
名刺にもデザイナーなんて書いていないのに、
ちょくちょくデザイナーみたいな仕事もしている関係で、
そりゃ、たまにはアートにだって触れておかなくては！
と、打ち合わせの空き時間を使って
写真美術館ってところに行ってきたんですヨ。
そこでは2つのテーマの作品展をやってまして、
最初に入ったのが「光と影」をテーマに
黎明期からの写真が集められたものなんですネ。
撮影年代不詳の半分絵みたいな感じものとか、
人物の周囲にブラシかけたみたいなのとかを、
よく解ってないクセに、
離れたり、近寄ったり、
頷いたり、目を細めたり、
眉間にシワを寄せたり、アゴを撫でたりして、
まかしとけ、お前らの遺志は
オレがまるっと受け止めてやる！
って、イッパシの鑑賞者のフリをしてきたんですヨ。
そんな独りよがりな小芝居に酔いながら入った2つ目の展示室では、
うってかわって山、風景、生き物などの
3人のネイチャー系カメラマンの作品展をやってたんです。
やっぱりネ、
ボクにはこっち方面の方がしっくりきます。
特に、アートだぞ！ってかしこまった感じじゃない生き物系。
"おいどんの生き様ば、しっかと見ときんしゃい！"
って、ヤツら語りかけてくるんですヨ。
その力強さにすっかり釘付けですヨ。
もう、前に見た写真の印象なんて
どっかに吹っ飛んじゃってます。
つくづく自分がアート系の人間じゃないな
って、思い知らされます。
でもネ。
暗がりでサケをくわえてるクマを見たら、
なかなかかなうモノはありませんヨ。
ヤツ、怒ってますから....
ヤツ、腹減ってますから....
ヤツ、睨んでますから....
おいおい、
レンズ向けてる場合じゃないんじゃないの！？
って、気になりますヨ。
野生の息吹に触れた夜、
よし！ボクも逞しく生きよう！
と、激しく決意して鏡の前に立ってみました。
ンンン？ 精悍......かぁ？
やっぱりダメかぁ.......
焼きサケの切り身をくわえたくらいじゃ......
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