ヘレン・ケラーの言葉で思ったこと!
ヘレン・ケラーの『障害は不便ですが、不幸ではありません』これを見て、ある本に書かれていたことを思い出しました。わたしにとっては、お得意の本で、またみなさんに「またか」と言われそうです。そうです。あの『涙が出るほどいい話』です。ちなみに、河出書房新社さんから刊行されています。その中から一つご紹介したいと思います。 『指で書いた「ありがとう」』 友人と二人でスキーからの帰り、早朝6時ごろの新宿駅でのホー ムのことです。車椅子を自分で押しながら歩いている手足と言葉 の不自由な二十歳前後の青年に会いました。 彼は一人で山手線に乗ろうとしていました。ホームまでは誰か、 ほかの人に車椅子を上げてもらったようです。 電車が入ってきて、彼の隣にいた若い男性が車椅子を電車に乗せ、 彼は自力で乗り込みました。電車が動き出すと、すぐその勢いで、 彼が私のところに倒れこんできました。わたしはとっさに彼を 支えましたが、彼の体重の軽さに驚かされました。 私は彼を隣に座らせました。彼は持っていたひらがなの文字板を 出し、不自由な指で 『あ・り・が・と・う』 と指しました。私は思わずジーンとしました。 私はこの後、彼の行く手がどうなるのか心配になりました。そん な時、前に座っていた中年の女性二人が彼に声をかけたのです。 「どこに行くの」 彼は文字板で『う・え・の』と指しました。 「そう、私たちも上野で降りるから一緒に行きましょう」 その言葉を聞いてホッとしました。 自分一人で電車に乗った彼の勇気と努力には涙が出るほどでした が、その彼に対する一人一人の優しさにも感動しました。こうし て彼はまた違う人の親切を受けながら、目的地までたどり着いた ことだと思います。 彼の持っていた文字板の隅に、 「かわいそうではありません、話しかけてください」 と書いてありました。 周りの人が協力すれば、障害を持つ人でもできないことはないの ではないか、とその時、あらためて思いました。 『涙が出るほどいい話』よりわたしがこれを読んで感じたのは、周りの人たちの優しさは素晴らしいものですが、一番重要なのは、彼の文字板に書いてあった、「かわいそうではありません、話しかけてください」だと思います。非常に酷な言い方かもしれませんが、彼が持つ障害は、そう簡単に消えてなくなるわけではありません。周りがどう思おうが、多分、一生彼についていく問題なのです。だから、当人にしてみれば、当たり前のことであって、大変とは思わないのではないでしょうか。確かに普通の人と比べれば、大変なことは大変です。だからと言って、いつも悩んでいる訳にはいかないでしょう。楽しいときには笑い、悲しい時には泣き、誰しもそうやって、生きていくのだと思います。それに、人工透析を受けている人たちだって、身体障害者の認定を受けているわけです。見た目では、全然分からないわけですよね。たぶん本人から言われなければ、気がつかないでしょう。大切なのは、どんな人でも困っている時に、手助けをしてあげること。見た目で判断して、かわいそうと思うのではなくて、必要な時に、どのくらい手を差し伸べてあげることが、できるかではないでしょうか。どんなに、その人を思いやろうが、変わってあげることはできません。また人はそれぞれ、色々な悩みを持っています。その悩みが原因で、自らの命を絶たれてしまう方もいらっしゃいます。大切なのは、話しかけてあげること、聞いてあげることなのではないでしょうか。そうすれば、助けを求めてくるかもしれません。あるいは話すことによって、心が癒されるかもしれません。お互いが足りない部分を、補っていけるような世の中になれば、いいなあと思っています。◇ホームページ世界の名言を紹介しています(相互リンク募集中です) 世界の名言