白山市の山
昨日は、先日のシンポジウムで知り合った方の山を案内して頂きました。標高600mくらいの山深い場所です。写真を撮っている時は気がつきませんでしたが、雲の影が凄い目立ちますね。雲に近い場所だからでしょうか?その山はUさんの生まれ育った村の奥山であり、特別に思い入れもあるそうです。クマや動物たちが大好きなタラの実、ミズキ、アケビや、珍しいヤマブドウなどもあちこちにあります。しかし、そこに着くまでは延々と広葉樹の山が続きます(^^;スギの木を我が子のように大事に育ててきたという気持ちも充分わかりますが・・・こんな場所でクマ被害を予防するのは大変だなぁ・・と感じました。Uさんは林業家として、自分の植えたスギの近くにはクマは、居なければ良いなぁと願う気持ちを持ちつつも・・動植物を愛する優しい気持ちも持ち合わせた方でした。また、ダムの上流にあたる山ということもあり、県民の皆さんにとって大切な水源を守ると言う責任も強く持っていらっしゃっていてとても純粋で素晴らしい方だと思いました。しかし、ずっと山で仕事をしてきたUさんですが、55歳になるまで、クマを見たことが無いそうで・・クマは増えているんじゃないかなぁ?と思うとのことでした。私が、クマも増えている(ように見える)かもしれませんが、山にはスギも増えたんじゃありませんか?と質問するとう~ん、実は、その通りだ!と仰いました。長年、石川の山で暮らして、ずっと山や森を見守ってきた方に反論する気はありませんが・・人間の視点からだけで物事を考えると、どうしても偏った考えに凝り固まってしまうのではないかなぁ?と思います。山に住み、そこで仕事をしている方々の痛みを、我々も知り一緒に考えていかなければ、本当の意味での自然の保護保全はできません。それぞれが別な観点からの話を持ち寄り、お互いの話を聞き歩み寄ったり、考えを進化させていけば・・・きっと、素晴らしい解決方も見つかるような気がしました。Uさんの山のスギは、売り物になるような良いスギはほとんど皮をはがれていました。全滅の場所もあるそうです・・。Uさんの話ではスギは手入れをせずにいると、余計にクマはぎにあうということでした。。なぜなら、下枝があると初夏にかけて水を沢山吸い上げるので皮もはぎやすく、美味しい?(謎)らしいです・・。我々から見れば、奥山にしか見えないような場所ですが・・昭和20年代の頃は、この辺りでは焼き畑をしていて1年目は、ヒエ 2年目はアワ、3年目以降にソバやアズキを植えていたそうです。米2合に、麦2合、ヒエ5合の分量で炊いて食べていたそうです。米作がほとんど出来ないので、米も麦も全部買っていたらしくヒエより、アワの方が香ばしくて美味しかったそうです。昭和30年代には炭焼きで生計をたて・・スギを植えてあるような場所は、みんな畑だったようです。Uさんのお父さんが、ナラの木を絶対切らない場所があったとUさんが思い出したように話していたことが少し気になりました。昭和40年代になると、みんな町に出て行くようになってしまったそうです。Uさんは、スギ被害もそうですが、イノシシの害にも心を痛めていて道端には花が咲き、農作物を作るのに柵をしなくても良いような40年くらい昔の、日本の山に戻って欲しいと仰っていました。まだ、我々と話があわない部分もありますし・・Uさんの知り合いには、動物に対してもっと厳しい意見をお持ちの方も、いらっしゃるらしくこれから、どんどん話し合いをさせていただき地元と協力していきたいと思います。山は2ヶ所見せていただいたんですが、先に見た山には、ヤマナシの木にでっかい洞がありました!その山では、Uさんが植林を始めた当初(30年以上前)に広葉樹の中の、スギ林の中に10本程、皮をはがれた木を見たと仰っていました。歯の跡があったかどうかまでは、覚えていないそうです。また、ブナ林を少し伐採してスギを植林したところなどは全滅状態でクマハギされているそうです・・(^^;そんな昔からクマハギがあり、こんな大きな洞のある木があるということは・・クマがなぜスギの皮をはぐのか?という元々の原因はきっと、いつも会長が話している通りの理由なんですね(*^ ^*)