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とても久しぶりに図書館というところを訪ねた。
図鑑の類いでは感じられないのだが、いわゆる「物語」を手に取ると、その内容が1つの総体として、まるで診察室で患者さんを前にした時のように感じられる。 適切に本を選び、それを読み、内容を十分に理解、共感するためにはある程度定まった手順と作法がある。ましてや、ある書物から人生の本質を学ぼうと思うなら、その作法はおろそかには出来ない。人により、その作法はさまざまだと思うが、私はまず表紙と装丁と帯をつくづく見た後に、目次を眺め、前書きと後書きに目を通してから本文を第一章から順番に読み進める事を原則にしている。また、あるテーマに沿って書かれた書物を深く理解しようとする時には、同じテーマについて書かれた同じ著者の書籍を出来る限り読みこみ、平行して同じテーマについて書かれた違う著者の書籍も意識的に読みこむ事が有効である。この読書方法で学びを深めようとする時に特に大切な事は、著者が異なる場合は、同じ内容を表現しようとして異なる言葉が用いられているのが普通であるため、その言葉の表面的な相違に惑わされずに、文章の背景にある「原像の世界」を理解しようと努めることである。 この手順は、私が毎日の診察を通して患者さんという物語に接する時の作法と大変良く一致している。「異なる単語で表現される」という部分を、「異なる症状として現れる」と読み替えてもらえば、理解頂けるだろうか。 丁度、人生の智恵をあたえてくれる「物語」を読む時にそうであるような、直感的伝達、流れ来る生命力や感情的な力がの伝達が、「人間という書物」に接する時にもあるという事だ。 そして、優れた著述家は、ある書物を書く時に、『自分ではなく、ある力が私にそれを書かせたのだ』と述べる。 「人間」という書物は、誰をとり上げても、すべてすぐれた著述家によって書かれた書籍のようなもので、すべての人の人生の背後には個人の意識を超えた著述家がいる。 臨床医としてその書物を開く時に、症状を表現した真の著者とその意図に思い至れば、患者さまから学ぶ事には限りがない。 日々拝見させて頂く患者さまたち、日々出会うすべての人、日々見聴きするすべての事柄が、人生を導く書物です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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