世界遺産10 石見銀山遺跡とその文化的景観
久々の 世界遺産 今回は 2020年秋の GO TOキャンペーンで 山陰地方の鳥取・島根に行ったときに伺った 石見銀山世界遺産センターの様子などを中心に紹介してみます。石見銀山遺産とその文化的景観は 2007年に環境に配慮し、自然と共生した鉱山運営を行っていたことが特に評価されて世界遺産に登録されました。石見銀山世界遺産センターJR山陰本線 大田市駅からバスで33分石見銀山は最盛期には 世界の産銀量の三分の一を占めた日本の銀のかなりの部分を石見銀山で産出されていたと言われています。石見銀山の銀は地図のように日本海に近いため はじめは中国との貿易で流通していましたがヨーロッパ人の参入により世界的な経済・文化の交流に影響を与えたと言われています。金塊という言葉はよく聞きますが、銀塊とは初めて・・・もちろん金塊も持ったことはありませんが・・銀塊も30kgとは・・・重い。この日のレートは 91円/1g なので 2,730,000円ですね・・・いやいや・・・高額。ちなみに金だったら 本日 30kgで 2億1492万円 おお・・・・・この銀の採掘は 採掘から精錬まですべて手作業で行われていました。暗い坑道に酸素を失わない程度の火を灯しノミで採掘。今でも坑道跡には 当時の方々のノミの跡が残っているそうです。銀貨・・・東京銀座には江戸時代銀貨鋳造所で銀貨を作っていたため いまでも銀座という地名になっていますが、石見銀山で産出された銀も江戸まで運ばれていたそうです。残念ながら・・時間がなく石見銀山世界遺産センターまでしか行けませんでしたがこの先には龍源寺間歩という常時公開されている坑道もあります。坑道の長さは600m、当時のノミで掘り進めた跡がしっかりと残っているそうです。配水のために垂直に100mも掘られた竪坑も見ることができます。この龍源寺間歩は江戸時代中期ごろに開発されたもので、昭和18年に閉山され約230年もの間採掘がおこなわれていたことになります。別の採掘場所である大久保間歩は 龍源寺間歩よりも規模が大きく江戸時代の手作業の採掘跡のほかに 明治時代の機械堀りへの変移を感じることが出来る貴重な遺産となっています。この石見銀山のすばらしさは、規模529ヘクタールという(東京ディズニーランド約11個分)広さに銀の採掘、鋳造、人々のくらし、積出港、街道など全体像が自然と一体になっていることがなによりも素晴らしい点と言えます。美しい街並みの 島根県太田市大森町銀の精錬には多くの木材を火力として必要なため 山の木がなくなってしまうのが通常でしたが石見銀山では 採掘当時より山を崩したり森林伐採をせず銀鉱脈に沿って狭い坑道を掘り進め伐採した数と同じだけの植林を計画的に進めるという適切な森林管理がしっかりとできていました。今世の中で叫ばれている 環境破壊の中止 SDGs などなど・・・江戸時代の人々に私達は学ばなければならないことがたくさんあるのかもしれません。