緊急事態宣言が五月末までに延長されました。しかしコロナ禍が終息する時期は見通せないので、今できることは国民一丸となって精一杯やらなくてはならず、緊急事態からの脱出時期は、その成果次第ということになるでしょうか。
古の聖者曰く「まことの観賞者は死を見ず、病を見ず、また苦を見ず、しかも一切を徹見し、一切処において一切を得る」と。勿論これは解脱者にのみ得られる安楽の境界だから、一般衆生には無縁だとも思われるかも知れない。
そこでこの解脱者観法を一般衆生の次元に置き替えてみると、「コロナウイルスに関わらなければ、感染せず、病死の苦も見なくてすむ」ということになって、何某かのヒントにはならないだろうか。例えば「外出するときは、コロナウイルスの侵入を完璧に断つ防禦服を着用する」というようなことを類推してみる。しかし、そんな服は今のところ手に入らないので、現在流布している感染予防の知識は、国民が一致団結して守ることで、その代用とする。
また解脱者の「一切を徹見し、一切処において一切を得る」という面も満たすために、「コロナウイルス感知器」のようなものも欲しいところだけど、これも今のところ手に入らないので、感染していても症状が無くて分からない人物を見分けることが出来ない以上、自分も含めた一切者に対して、感染予防の知識を実践し、感染拡大を防ぐべく努めること。これが今私たち一般衆生にもできる「コロナウイルス解脱対応」ということになるでしょうか。勿論こんなことは、改めて語るまでもなく、誰でも知っていることではないか、とガッカリされるかも知れません。しかしこういうことは、国民一丸となって実践しなくては、成果が遠くなるものですから、「誰でも知っていること」ほど良いのだとも思えますね。