いわぴいのドラマ日記

　「命がけの功名」というのは、何も一豊に限った話ではなかったんですね。一乗谷に朝倉義景を追い込んだときにすべての決着がついたように思えた矢先の浅井長政の裏切りは、信長が本能寺と桶狭間と同じくらい死を覚悟した事件だったことだろうと思います。そして、そのしんがりを買って出た秀吉にとってもまさに織田家中における地位を上げるための命がけの戦いだったんですよね。三角の布を頭につけた秀吉主従の姿からは笑うしかないほどの悲壮感がなんとも言えず漂っているような気がしました。

　今回は冒頭から怪しげな雰囲気が物語全体を包み込んでいましたよね。信長のおかげで擁立された将軍足利義昭が、自分が傀儡であることに気づいたのか、全国の諸大名に密使を送り信長包囲網を作り上げる中で、信長も諸大名を討つ為の口実にそれを利用しようとするところなんかは狐と狸の化かしあいのような感じすら受けました。

　そして、その反信長勢力を討つ為に徳川家康に使者を命じられた一豊にも何かしらの兆候があったんでしょうね。岐阜に立ち寄ったときに千代が感じ取ったのは、そんな死の兆候だったのではないでしょうか？信じあった夫婦だからこそ感じ取れるようなそれほどのことだったのかもしれませんが、それだけに一豊と千代の絆をあらためて感じさせられたような気がしました。

　絆と言えば、信長とお市の絆も強かったですよね。浅井の裏切りを袋の中に入れた小豆で表現するところなんかはまさに戦国の世の女性という感じがしました。ただ、僕の記憶が確かならば中に入っている小豆は一粒だけだったような気がしたんですが・・・。実際はどうだったんでしょうね？長政との夫婦の絆があるために書状はしたためられない彼女の辛さがなんとも言えず悲痛だったことは確かなんですが・・・・。このときから、浅井三姉妹の悲劇の物語は幕を開けることになるんですね。

　話を一豊に戻しますと、まさに金ヶ崎城の明け渡しのときに相手方の剛の者を討ち取ろうと言うときに千代の予感は的中してしまいました。あの至近距離で敵の弓矢を受けることになったとき、さすがの一豊すらおびえを隠しきれませんでしたよね。見ているこちらも、生きている心地がしませんでした。結果的には頬骨を貫通する形で一豊の命に別状はなかったようでしたが、やはり矢が突き刺さった一豊の姿は痛々しくて仕方なかったですね。それでも、千代のお百度参りのおかげで、あれだけで済んだと考えるべきなんでしょうか？

　戦国版ミサンガのおかげで何とか助かった一豊の命ですが、来週はしんがりの役目の辛さでさらに命の危険にさらされることになりそうです。その上、一豊が浮気をしてしまうようで、千代の前に立ったならば戦場よりも恐ろしい状況が生まれそうで、そちらもなんとも言えず恐ろしいですね。今週以上に来週は息つく暇もない展開になりそうです。

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