奥穂高岳断念 涸沢岳 滑落経験と滑落事故目撃 2016/04/29~5/2
涸沢岳に行きました 2016/04/29~5/2 相棒とザイテングラートから滑落してしまいました。とりあえず ヤマレコ天候 高山市4/29 山は曇り時々晴れ 気温H11.3℃、L2.4℃ 平均湿度76%最小53% 平均風速3.1m/s4/30 山は晴れ後曇り後雪 気温H17.1℃、L2.3℃ 平均湿度74%最小29% 平均風速1.3m/s5/1 山は雪 気温H22.7℃、L7.6℃ 平均湿度73%最小34% 平均風速1.7m/s5/2 山は曇り後晴れ 気温H27.6℃、L7.1℃ 平均湿度59%最小21% 平均風速4m/s4/28 2020自宅発→2025大阪王将2106→松山IC→4/29 養老SA(仮眠)→高山IC→サークルK→アカンダナ駐車場→0850バス→上高地BT4/29 山行 6時間32分 休憩34分 合計 7時間6分S上高地バスターミナル09:36→09:42河童橋09:49小梨平(森のリゾート小梨/上高地野営場)09:50→10:32明神館10:34→10:40徳本口(徳本峠分岐)11:25徳澤園11:46→11:59新村橋(パノラマ分岐)12:0012:58横尾 (横尾山荘)13:0013:24横尾岩小屋跡14:15本谷橋14:1615:37Sガレ15:38→16:33涸沢ヒュッテ16:38→16:42涸沢テント泊4/30 山行2時間20分+涸沢岳(40分) 休憩1分 合計2時間21分+涸沢岳(40分)泊涸沢08:56→10:08ザイテングラード10:09→11:17穂高岳山荘泊5/1 穂高岳山荘 停滞5/2 山行7時間55分 休憩2時間19分 合計10時間14分泊穂高岳山荘06:53→08:32ザイテングラード08:54→09:28涸沢11:09→11:23涸沢ヒュッテ11:24→12:00Sガレ12:58本谷橋13:03→13:41横尾岩小屋跡14:02横尾 (横尾山荘)14:04→14:49新村橋(パノラマ分岐)14:50→15:03徳澤園15:10→15:58徳本口(徳本峠分岐)16:09明神館17:07上高地バスターミナル→ 1800アカンダナ駐車場→ひらゆの森→原田酒店→あんき屋→高山西IC(道の駅ななもり)5/3 0530ななもり→R158→R73(せせらぎ街道)→R257→R472→郡上八幡IC→松山IC→1730帰宅 58.5キロ主目的は 1.春の奥穂高岳登頂GW山岳事故詳細 穂高岳山荘 ぼちぼちいこか相棒を止められずに滑落してしまった。1.奥穂高岳は事故の事もあり相棒と登りませんでした。代わりに涸沢岳に登りました。下山時のミス、命拾いしました。奥穂高岳に行っていたら・・・まだまだ修行が足りない事が解りました。この一年、一からやり直しです。自分だけが登るのと相棒といっしょに登る事の違いがよ~く理解出来た山行になりました。4/290938 上高地BTを遅い出発 重そうです 私も30キロを超えて重いです 1108 明神が綺麗 天気は予報より良くなりました 1213 サルが春の芽を食べてました 2月に来たときは木の皮を食べてました 1238 梓川のせせらぎと小鳥のさえずりを聞きながら そして景色を堪能しながら歩きます横尾の橋を渡りしばらくすると雪がちらほら出てきました1359 雪崩の後を乗り越えて 1415 本谷橋を渡りアイゼン装着 1455 雪が少ないので夏道を歩きます 1538 四国には無い景色を見て相棒は感動 と思ったら重くてしんどい の一言 1612 涸沢フュッテが見えてきました 今日はテント泊 右にデブリ跡 ちょっと遅くりましたが・・・急いでテント設営 1745 アーベンロートは見れませんでした 1746 食事の準備 今日はカレーライス 鍋料理が食べたかったのですが・・・多数決でメニューは決まりました。1807時 涸沢フュッテ 気温 -5.5℃ 4/300514 モルゲンロート相棒はもちろん起きません で 遅い出発になります 雪は多く降ってないので多分雪崩は無いでしょう0857 白出のコルを目指します あづき沢から登ります 0949 次第に斜度を増していきますザイテングラートまで来ました軽アイゼン装着やピッケル無、ヘルメット無の無謀な登山者を見かけた 年毎にひどくなっているかも涸沢フュッテまで来た人が欲張ってコルや涸沢岳、奥穂高岳を目指すのでしょうか。涸沢フュッテでも注意喚起はしていると思うのですが・・。良識ある方は自分が行けて降れる範囲で留まってました。1035 更に斜度アップ 滑落できません 雪質は比較的歩きやすい感じ 1103 最後の急登を這い上がります 下りきつそうです 1107 コルに到着 涸沢フュッテが豆粒に テントがゴマに 人がノミに見えます穂高岳山荘でうどんを頂きました 美味しくて相棒の分のお汁も飲み干しました食事を終えて奥穂に行こうか行くまいか 相棒は行けないと言っているのでどしよ と思っていたら・・・滑落事故が発生してしまいました。次の写真は事故直後の奥穂高岳の核心部 滑落瞬間を撮影出来ましたがシャッターを切りませんでしたヘルメット着用、ザックとワカンも最後まで背負っていたので助かるのでは??登りの途中の滑落とか 登り最後の梯子の上の雪面て滑り白出沢側に落ち、雪面に落ちた瞬間にワカンを落とし山荘の焼却炉付近で止まりました滑落事故のルート 事故後、岐阜県警山岳警備隊と小屋の方に助けられ直ぐにヘリが飛んできて搬送されました意識不明の重体との事、助かって欲しいものです。 ロープを手でつかんで雪面を下る人たち 恐ろしい下り方 ロープ無いより良い??手袋をした手でつかんでもすべるのでは?? ロープ出すなら正しい使い方を学ぶべきです。懸垂下降か自信無ければムンターヒッチで降ろすべきでしょうか。(後で写真検証するとマッシャーをしてました ロープが凍らなければ大丈夫かも)と この2日後、人の事を言えなくなりました。 滑落する瞬間を見た私は相棒との奥穂高岳を断念し涸沢岳に登りました。これは正しい選択です登り始めは曇 登るにつれて天候悪化 小吹雪っぽい感じたとえ短時間、短距離でも装備を持って行くべきなのですね。またまた反省 涸沢岳もけっこう危険 慎重に歩く相棒 5/1 停滞日 4/30夕刻から降り始めた雪は翌日も降りました30~40センチの降雪雪崩の危険を説く山荘関係者視野無くしかも新雪 兄弟も下山を断念し小屋で一日ストーブを囲んで団欒 命拾い5/1は一日中吹雪で小屋に停滞 涸沢から上がってきたのはガイドツアーの3人と単独の1人だけ。稜線から来た人はツララを全身に付けた2人と4人の2パーティーのみ 後の人は遭難西穂から私は来れたのか?エビの尻尾 冬に逆戻り停滞したので小屋からビスケットとポップコーンのおもてなし ビールが欲しくなったのですが相棒に却下されました5/2 雪は止みましたが曇り空 御来光は無しだったかなガイドツアーのパーティー 1+2 奥穂高岳に登られました要所はスタカットで登ってました 5/2 0516 私はザイテンの下見 相棒は布団の中この辺りの雪はアイゼンは効きますが所々ズルッがあり厳しい所もありました 油断出来ない下りです0522 弱層テスト ピッケルで掘っている間に少し剥がれ テストすると軽い力で表層から7センチの所で剥がれ落ちました 雪崩の危険大食事をしてすぐ下ることにしました 気温が上がると雪崩のリスクが高くなりますロープを張ってショートロープで下ります 止められるのか?上部で相棒がコケたが止められた。がしかし・・・下るにしたがい雪質は3~5歩でアイゼンが団子になる状況 もっと早朝に下るべきだったか?でも下る途中で必ず団子はありえる。2年前もあずき沢を下ったが直ぐに団子になった。滑落危険度が上がる。団子を取るため足を上げた間にピッケルで落とし急斜面を下る。1000回やって1000回確実に出来るのか?相棒は無理かも。私も自信無し。危険な箇所は後ろ向きにアイゼンの前爪を使って下りました(すぐに団子になるので)相棒が滑ったらいけないのでザイテン登る人を避けてあずき沢側に前爪を使ってトラバースをしてザイテン沿いに下山する事にしました 雪崩の危険は増しますが。確保準備する私 スタンディングアックスビレイ+ムンター までしたのに 魔が差してこの後解除 ORNETTSさん写真ありがとうございます 最初はピッケルを刺して相棒をスタンディングアックスビレイで確保 相棒が行けそうな感じだったのでスタカットからコンテに切り替えようとした瞬間でした 行動変化の時に事故はよく発生します。事故発生のお手本みたいな滑落でした。ピッケルを抜いて振り返ると相棒が静かに数m滑って落ちていた キャーとか言えばいいのに。 ロープが張られ私は引っ張られる、すかさずピックを雪面に刺すが雪が脆くガリガリと音を立てるだけで滑り始めた 体重をピックに掛けるが止まらず、相棒もピックを差していたが止まらず・・こうやって人は滑落して死ぬのか~と考えながら滑る滑る~そのまま二人共滑り小ジャンプ台で跳ねたのだろうか・・何が起こったか解らないまま滑落停止の姿勢で滑りあずき沢で止まりました雪質も悪かったし・・・ 滑落直後の我々の写真 緩斜面であること、雪質が柔らかい事で止まったようですしかしピッケルで確保しないとズルズルと滑りました撮影してくださったmanimaniさん、ありがとうございます。 滑落直後の写真 この後、相棒の機関銃攻撃 何も言えず少しは言い返しましたが止められない私が駄目 私の過失による事故です 車なら交通刑務所入り。まあ、周りに貢献した事といえば、これから登下降する登山者に注意喚起が出来た事か0823 ガイドさんにサングラスを拾ってもらいました 相棒のアイゼンワークについてもアドバイス頂きました ありがとうございます。 0905 まだ油断は出来ないが・・・雪は重く尻セードも出来ない状況なのでロープ解除 0915 我々の滑落コース ザイテングラードの稜線近くから100mは滑ったかスタカット ビレイ解除しショートロープに切り替え中に事故は起こりました。そのままスタカットで30m下ろすべきでした幸いだったのは 1.滑ったコースに岩場が無かったこと(無いと思われるコースを選んだ事。小屋でいっしょになったT中さんに教えてもらいました ありがとうございます) 2.人が居なかった事(人が居ない方向を選んだ) 3.相棒も私もピッケルを持ち滑落停止動作が出来た事 相棒はアイゼンを雪面に引っ掛けない動作が出来た 4.おひさまと気温上昇で雪が柔らかかったこと 5.雪崩が起きなかった事事故原因 1.ここなら滑っても大丈夫という油断があった事、こんな事どんな山でも、どんな状況でも思ったらあかんね。2.声を掛けずに私がスタカットからコンテに切り替えたこと、この斜面はスタカットで安全地帯まで下ろすべきでした 自信過剰 3.ピッケル、アイゼンの使い方を教えたつもりになっていた事、私の技量不足、訓練不足 4.ルート取り、どうやって降りるかハッキリ相棒と打ち合わせしてなかった事 5.相棒のアイゼンの前爪が短くこの場所の雪質では蹴り込みが厳しかった事 それなりに対処出来ればいいのですが。滑って下りよう と半分冗談で言っていた事が本当になりました相棒は厳冬期の石鎚山に何十回も登りアイゼン、ピッケルワークは大丈夫だと思ってました。この事故で我々は再訓練が必要と再認識が出来ました。来シーズンは基本からやり直しです。再度、実際の急斜面で訓練必要。 今回の山行で2度目の滑落事故を目撃してしまいました 私達の滑落事故で注意喚起出来ていたはずなのに・・・下山中にこの矢印を2人の人が滑落していた。大丈夫だったのか。ヘリが飛んできましたがピックアップした様子はありませんでした。雪面を滑り岩場を乗り越えて落ちていった。(その後の調べで一人はヘルメット無しで脳挫傷で死亡 まぎぞえの方は奇跡的に無事)涸沢から穂高岳山荘までも登攀装備は 12本アイゼン(爪の長いもの)、ピッケル(使える事)、ヘルメットは最低限必要です。そして休憩中に自己確保するスリングやカラビナ 誰が上から滑ってくるか解りません。私達はザックにもスリングとカラビナを付けてザックも落とさないようにしてました。がっ人がザックと一緒に落ちました・・・あらら~説得力ありませんわ。私達が登るとき、前を膝を雪面について登る青い目の方がいつ落ちてくるか不安でしょうがなかったが、落ちたのは私達でした。なんのこっちゃ0920 滑落後遺症の相棒 ザックが傾き痛々しい 北穂のルートも昼頃に雪崩れたとの事 1033 我々のテントはスノーフライのお陰で飛ばされてませんでした中にはテントを飛ばされて雪崩危険地帯まで回収に行った方もいらっゃいましたα米で早めの昼食をとり撤収し下山します1133 涸沢でもう一泊したかったのですが相棒はそんな気になれません 下山、下山 1440 ニリンソウ? ソフトを食べるまでずっと今日の滑落の反省会 山は嘘をつかない人は何処まで山に近づけるのか 瀬戸大橋に帰ってきました 相棒撮影 生きて帰る これが登山です。 今日も無事下山 合掌装備30kg個人装備無線機、長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 ゲイター マフラー バラクラバ 靴 ザック ザックカバー アイゼン ピッケル×1(私のは支点用を兼ねて)、アックス×1 昼ご飯 行動食 非常食 調味料 飲料 水筒(保温性) ガスカートリッジ コンロ 食器 調理器具 ライター 地図(地形図) コンパス 笛 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯、タブレット 時計 サングラス タオル ツェルト ナイフ カメラ テントマット シェラフ(-16℃と2℃)ヘルメット ロックカラビナ スリング共同装備スコップ コッヘル ツェルト ポール テント テントマット ロープ 確保機 ロックカラビナ カラビナ スリング ロープスリング タイブロックby JJ5KLK58.5Kg 体重が増えました今回の私の滑落事故は深刻である。一つ間違えば死んでいた。このまま突き進むのか、進退問題でもある。熟考したい。またGWの時期の涸沢から上部は落人が多く(今回人の事は言えませんが)非常に危険(まあどの山もその傾向はあるのですが)。この時期に行かない事も出来るがそれよりも登山者の教育が必要と感じた山行であった。