≪今日の卓上四季≫
ちょうど30年前のきょう、本紙夕刊にこんな特大見出しが躍った。
<本道ー本州いま陸続き>。その朝、青函トンネルの先進導抗が難工事の末に貫通。
「しょっぱい川」の川底を突き抜けた喜びにわいた。
調査の斜坑を掘り始めたのは、東京五輪を間近に控えた1964年5月。東京ー新大阪を
結ぶ東海道新幹線の開業もこの年だ。先進導抗貫通までに19年もの歳月を要した。
トンネルはその後、本坑の工事が進められ、88年3月に津軽海峡線が開通。しかし、
期待された新幹線の実現には後3年ほどかかる。掘削開始から数えると実に半世紀を超える。超特急を走らせる事業なのに、進み具合は亀の歩みのごとしだ。
世の中は2度目の東京五輪招致に向け動き出した。乗り物も次世代のリニアへと進み
試作車の走行試験が年内にも始まる。そんなこと気にせずのんびり行こう、公共事業の
時代では無いと思っても、北海道がこうまで後回しでは釈然としない。
陸上の長距離レースの光景と重なる。1周遅れの走者が先頭集団に抜き去られ、
見る見るうちに離されていく。五輪の舞台なら大声援が送られる場面でも、取り残される
身にはつらい。
トンネル工事の基地があった福島町の人口は当時の半分以下。過疎化のスピードは
新幹線よりもはるかに速い。先頭集団との差をどうやって詰めていくのか。
開業までの重い宿題だ。
2013.1.27 道新より
1988年 この頃だったと思う。
原子力発電所 建設反対の署名を頼まれたとき、
リニアモーターカーのためには電気が必要と、署名しなかったことがある。
その後試験走行はあったものの、成功の話は聞かず、
忘れて行った。そんなときあの大震災。
福島の原発事故を思うと、やっぱり反対ですよね。
新幹線はいらない と
思っている今日此の頃です。