「先月は前年を切った。諸君、
ふんどしを締め直して今月は頑張ろう」
といったことが、不振対策になるのか。
ふんどしなど、だれもはめていないのだから、
締め直しが出来るはずがない。
はめていたとしても締め直したら、
業績が上がるのか。関係ない。
「そんなふうに、言葉尻を捉えた言い方をするなよな。
言葉のたとえなのだから」
と言いたいとことだろう。
その「たとえ」のこと。聞く人に理解してもらい、
できれば行動に移してもらいたい。
そのための「たとえ」なのであるから、
少なくとも、次の要件を充足するものであって欲しい。
1- より具体的、具体的事例で
「たとえ」は抽象化するものではなく、具象化しな
ければ、迷いと迷路が増えるだけだ。
2-より普遍性、共通性を考える。
話す人あるいは書く人と、それを聞く人、読む人との間に
普遍性、共通性がなければならない。
商店主たちへの講演に、「例えば、建築学会における定義では・・・」
といったことでは困るのである。
相手に合わす、ということはこちらと相手都の間に
普遍的要素、共通体験といったもので、
意志を合わそう、といった意識を持つことである。
商店経営者の従業員に対する話には
買うか買わぬかは、消費者の意志決定。
この択一の意志決定を、
どうしたら「買う」の打率を上げ、「買わぬ」の打率を下げるか、
この意図が明確なこと。そして
そのためには具体的にどう動けばいいか、
といったことを指し示すものであってほしい。
それを「やる気を出して、頑張ってくれ」とか、
「もっと足を使え、頭を使え!」と檄を飛ばして、
売上が上がる、と考えているのか、と言いたいのである。