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カテゴリ:航空関係
747は航空会社からみればそれほどいい機体ではないのかもしれませんが、
利用者から見ればこれほど優れた機体はありません。 ![]() (日本国政府専用機の747型機:羽田空港で撮影) まず、747はもともと軍用機として設計されました。 その後、民間機に設計変更されましたが素性は明らかに軍用です。 777みたいな軟弱な飛行機とは別格です。 スペックでは現れませんが、個人的には乗っていて安心感の差は 他の機種の追従を許しません。 また、747を語る上で忘れてはならないのがエリアルールの存在です。 -------(以下、747のエリアルールについての簡単な素人説明)--------- 亜音速程度の速度域では物体の最先端から最後尾まで 絶対前面投影面積変化率が緩慢なほど効力が減少するという現象である。 この現象は形状はあまり関係なく、胴体部の円形状から 主翼部の線形状に至っても断面積変化そのものだけが関係する。 747の場合、もとが軍用の戦略輸送機として設計されており、 前方からのコンテナ搭載を容易にするためコクピットを胴体前方上部に 設置している関係で胴体前方が膨らんでおり、その部分が収束すると同時に 主翼が出ているために偶然ではあるがエリアルールに合致して 机上検討上よりも高速巡航が可能になったという経緯がある。 なお、初期の747は現在の747と違ってエリアルール効果は 少なかったが747SP(747 Special Performance)の開発時に エリアルール効果が非常に大きいことが判明し、以降の-300、-400型では 最初からエリアルールを意識した設計になっている。 ちなみに747SPはローンチカスタマーの今は無きパンナムが当時の定番である アラスカのアンカレジ経由ではなく、無給油での太平洋横断での直行便を 行いたいがために通常の747の胴体を短縮した寸詰まり747を発注した機体で ある。 当然、通常の747よりも2階席部分の盛り上がりの収束部から主翼にかけての 断面積変異は遙かに減少している。 そのため、当時の民間航空機ではコンコルド以外で唯一、最高速度時速1000kmを 突破しているほどの高速機となった。(無風状態ならば) ちなみに747SPの最高速度はM0.92で、巡航速度M0.88となっている。 最新型の747-400でさえ巡航速度はM0.855である。 ------------------------------------------------------------------------ ということで747は通常の旅客機の中では最速なんです。 以前、デリーからの帰りで777に乗っていたとき遙か遠くで747が同方向に 飛んでいるのを目撃しました。 いやぁ~早いっすね。そりゃ、時速数10kmは向こうが早いので5分くらいで 視界から消えました。 ましてや767なんてM0.80ですし、737なんてM0.78ですからね。 737なんて747(M0.855)に比べれば時速で80km程度も遅いんです。 関係ないだろ!? と、思われるかもしれませんが、実際に飛行機に乗るとたまに この恩恵に与ることがあります。 例えば、新千歳空港なんかで予定していた快速エアポートよりも1本早く 乗れたりとか。 もっとも、あまりに早く着きすぎて接岸予定のボーディングブリッジに まだ出発機がいたりするケースもありますが。 これらのほとんどは747で経験しています。 てなわけで航空会社としてはそれほどいい機体ではないのかもしれませんが、 客から見たらいい機体です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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