この漫画が好きだ2/バンパイア
徳弘正也の漫画はどれをとっても面白い。最近楽しめたのがこのバンパイアだ。シェイプアップ乱ちゃんを読んだとき、その面白さにはまり、それは今でも変わっていない。ストーリーテラーとしての力量はものすごい。登場人物像がきっちり描かれている。ウィキぺディアの力を少し借りる。下記長いので読みたくない人は省いてよろしい。昭和編 バンパイアであるマリアは不老不死に取り付かれた人間達との戦いをその長い人生において幾度となく繰り返してきた。そして2004年、再び不老不死に取り付かれた人間との戦いが近い事を感知したマリアは超能力を持った高校生本田昇平を見つけ出し、彼の能力を強化し始める。十文字家の刺客がマリアに襲いかかる中、十文字家の中にいながら、マリアを神と崇めるマリア会を設立した十文字篤彦も本格的に動きはじめ、様々な思惑が交差する事となる……。 近未来編 2010年に起きたマリア会の軍事クーデターにより日本は、民主主義が消滅し、マリアを神と崇め「正義は必ず勝ち正直者は報われる」ことを教義とするマリア律法が全てに優先し異を唱えるものを排除するディストピアと化していた。2014年、マリアの娘である本田マリアは昇平の妹として育ち普通の女子高生となっていたが政権内部の権力闘争に巻き込まれていく。 登場人物 [編集] 主要登場人物 マリア浅草で踊り子をしている。表向きは21歳と言っているが、今の体は4歳。屋形船に住んでいる。基本的には人間に対して好意を持ち性格も優しいが、不老不死に取り付かれ自分を狙ってくる人間達に対しては一切容赦せず、殺す事にもためらわない。自分を狙う組織が現れると覚醒者(超能力者)を探し出し、共に組織を壊滅させる。ファンを装い近づいてきた唐沢に襲われた事により、人間との戦いが近い事を感知し、超能力者を探し昇平と出会う。一時は昇平と離別し、山中で暮らすが、昇平の必死の探索で再会。常に自分を狙う組織と戦ってきた為その戦闘能力は非常に高く。武芸百般に通じている。 近未来編の本田マリアは寿命が近づく前に生まれたため不完全なバンパイア。本田 昇平(ほんだ しょうへい)16歳の高校生で足立区在住。祖母と二人暮しをしている。両親と産まれて間もない妹を惨殺されたショックによって10歳にして言葉を失う。元々わずかな念動力を持っていたが、マリアとのカタルシス(浄化)を受け才能を開眼し、テレパシー(触れた相手の心を読む)・念動波(サイキック)も使える様になり、言葉も取り戻す。だが同時にうわべだけで馴染んでいた周囲が豹変し、不信と嫌悪の目に向けられることになる。以降マリアのパートナーとなるべく共に超能力の修行を積む。篤彦との接触によって彼の考えに共感し、「マリアには秘密」という約束で1級天使としてマリア会に入会する。しかし、梅津同様に現実のマリアと篤彦の中のマリアの違いに気付き彼の考え方に対し疑念を抱くようになる。近未来編では別人のようにたくましい体付きの青年となり本田マリアの兄として支えているが能力は弱まっている。 マリア会 10年前に篤彦と梅津の二人からはじまる。当初はマリアを守る事が目的であったが、次第に目的はマリアを神とした新国家の樹立へと変質して行く。信者は篤彦の独断によって1級天使、2級天使、天使候補生とランク付けさる。2級天使は20人おり、一人を除き中央本省庁の若きエリート達。天使候補生は5万人の陸上自衛隊員によって構成されており、新国家樹立のクーデターを起こす為に備えている。教義は篤彦がマリアとの生活の中で聞いたマリアの言葉を後年まとめたとされる「マリア律法」。ただし実際にどこまでが本当にマリアの言葉であるかは疑わしく、実際のマリアの言葉であっても篤彦に都合良く解釈されている。「教祖」という言葉は使ってはいないものの、実質的に篤彦が教祖である。十文字 篤彦(じゅうもんじ あつひこ)マリア会の創設者であり、最高権力者。また十文字化粧品副社長であり、比丘尼クラブNo.5、青のマスター。歳は40。古田タミによって助命された叶密子の息子であり、10歳まではマリアに育てられた。その後タミに引き取られて養子となり、成人後は弁護士の職に就く。10年前に十文字家からの仕事を請け負い信頼を得る事となり、所蔵していたマリアの右腕(太平洋戦争中に失った物)を見せられる。この際にいつか十文字家はマリアに迫る事を確信し、マリアを守るためにあえて敵陣の中へ身を投じる事を決意し、愛子に近づき結婚する事となる。愛子の婿であることを割り切って十文字家と共に活動しているが、心底から愛子を忌み嫌っていた。以降仕事において見事な手腕を発揮し、正統な血族ではないながらも比丘尼クラブに身を列する事となる。また同じく10年前に梅津と二人でマリア会を設立し、自衛隊員を中心にマリア会の信者を増やしていく。マリア会においては信者には自身を「あーちゃん」と呼ばせている(「あーちゃん」は幼少期にマリアから呼ばれた愛称)。なお、極めて強力なマインドコントロール技能を持ち、十文字 護弘を完全に己の制御下に置き、自分自身を含めるマリア会のほぼ全員を教義で洗脳している(昇平のみ自力で解除)。唐沢に唆されコモンセンス社のマリア捕獲作戦のときにマリアたちを見殺しにした。その後、用済みと判断した唐沢によって射殺されマリア会の歴史から抹殺されていたが実は……。梅津 直人(うめづ なおと)元刑事の65歳の老人で、通称は「(梅津の)おっさん」。マリアファンクラブ会長。10年前、駅のホームから線路に落ちた人を助けようと線路に降り、自身も轢かれそうになった所をマリアに救出され、良き知り合いになる。その後、彼に近づいてきた篤彦と共にマリア会を設立。マリア会においては唯一マリアとの接触を許された1級天使。マリア会に所属しながら、マリアを神として崇めてはおらず、一人の女性として惚れているが故、彼女を守ろうとしている。マリアとしばらく行動を共にしていたため、自身の周囲から人間の心の声が聞こえる様になる。篤彦の行動に疑問を感じ始め、マリアに篤彦の秘密を打ち明けようと決心した直後、唐沢によって遠方からの狙撃により死亡。石川 光蔵(いしかわ みつぞう)平山によって3年かけて洗脳された殺人マシーン。通り魔を装い愛子を殺害。その後、自身も自殺。平山 猛(ひらやま たけし)2級天使で唯一官僚ではなく、集英病院に勤務する。石川を洗脳して十文字愛子を殺害。成功後1級天使に格上げされる。近未来編ではマリア会教祖であり原理派のリーダーだが裏では愛人を持ち隠し財産を蓄えている。小谷 清子(こたに きよこ)2級天使で若手官僚。近未来編では原理派に属しているが実は革新派の阿南将軍の愛人であり昇平を騙して天使たちを暗殺させていた。 十文字グループ [編集]東洋最大の美容グループ。内部に秘密結社として、マリアの右腕から不老不死を研究する比丘尼クラブがあり、会員に天命丸を販売している。十文字 時子(じゅうもんじ ときこ)十文字グループ総帥であり、十文字ビューティーコーポレーション代表取締役会長。また、十文字ビューティーコーポレーションの株の36%を持つ筆頭株主。比丘尼クラブにおいては「親様」と呼ばれる。十文字 護弘(じゅうもんじ もりひろ)時子の長男で、十文字ビューティーメイト代表。比丘尼クラブでは赤のマスター。篤彦を懐刀としており、彼の意見を尊重するため、出来るだけ違法行為等のリスクを回避しようとしている。親族の中において、最も穏健派に近い人物。十文字 美宝子(じゅうもんじ みほこ)時子の長女でいくつかの十文字関連会社の代表取締役。比丘尼クラブでは白のマスター。マリアの捕獲に傭兵を使う事を提案する過激派。十文字 ひとし(じゅうもんじ - )時子の次男で十文字美容芸術大学の理事長。比丘尼クラブでは黒のマスター。愛子の殺害をマリアによる物だと思い込み、「殺られる前に殺る」為、マリアの殺害を極道の白泉会に依頼する。十文字 愛子(じゅうもんじ あいこ)時子の次女であり、篤彦の妻。十文字化粧品の形だけの社長で、絵に描いたような悪女。比丘尼クラブには所属していない。下等生物を見る様な視線で自分たちを見る篤彦に気付き、篤彦が十文字に近づいてきた理由を調べ始め、遂にマリアと篤彦の接点を知ったが、マリアクラブの一員によって通り魔事件に偽装され殺害される。40歳没。萩谷(はぎたに)比丘尼生命科学研究所の所長。マリアの腕を科学的に研究している。その研究の副産物として出来たのが天命丸である。 その他 [編集]唐沢(からさわ)5年前、不法入国の中国人の息子として地元のチンピラのボスをしていた所を篤彦に会い、その力を買われて側近となる。しかし、その正体は世界第2位の軍需産業コモンセンス社のスパイであり、計画的に篤彦へと近づいてきていた。篤彦をも上回る強力なマインドコントロール技能を持ち、その力でマリア会に食い込み乗っ取っていく。非常に優れた戦闘能力を持ち、銃器の扱いだけでなく、格闘術は篤彦も認めるほど。ばあちゃん本名は不明。昇平の祖母で、両親亡き後の昇平を引き取り育てる。認知症が始まっているが、時折鋭い言動を発する。過去にマリアらしき人物に会ったことがある節がある。久保(くぼ)マリアファンクラブ副会長。マリアに寝床として屋形船を提供している。古田 タミ(ふるた - )40年前の25歳時に東京で●●嬢として働いていた所を、予知能力を持つ覚醒者としてマリアに見出され、闇の霊神会を滅ぼすのに協力した女性。その際、まだ赤ん坊であった教祖の息子(篤彦)を自分が育てるから助ける様にとマリアに懇願し救う。そして育児資金を稼ぐまでの10年間はマリアが育てる様に依頼し、約束通り10年後に迎えに来る。九州の筑豊炭鉱の生まれで、ガス爆発で両親を失い東京へと出て来ていた。マリアが人間に対する大半の不信を無くし、子供(人間)好きな性格となるきっかけになった人物。叶 密子(かのう みつこ)闇の霊神会の教祖で、篤彦の実母。40年前にマリアに襲いかかってきたが、古田タミの協力を得たマリアによって殺害される。 近未来編からの登場人物 田中(たなか)本田マリアのクラスメイト。愛称:ブーちゃん。影山 隆(かげやま たかし)本田マリアのクラスにきた転校生。原理派、革新派にも属していないサイボーグ戦士。マリアを神と崇め命をかけて守る。その正体は……。阿南(あなん)将軍革新派リーダー。元々は自衛隊のトップだったがマリアと比丘尼クラブの存在を知り不老不死に取り付かれクーデターに参加した。謀略を駆使して本田マリアを陥れ、原理派を抱き込もうとしていた。私利私欲の人物だが現実主義者で現在の体制の危険性を見抜きその破滅を防ごうとしていた。ここまで読むのは相当骨が折れるね。要するに言いたいことはひとつ。巻が終わると次がどうなってくるのか読みたくなる作品。音楽でも、映画でも共通しているのが次への期待。そういった期待感を抱かせる漫画家の一人だね。漫画って本当に面白い。