隅田川水系のシーバスを食してみる
前回の小名木川釣行で、ハゼ好きさんが釣った62センチのシーバスをいただいてきたので、今回から調理に入る。いただいてきた当日は既に夕飯も済ませてから帰ってきたので、これから食べるというのは腹具合的に無理だが、そのまま置いておくと悪くなるので、すぐ食べられる様に裁いて切り身にしておく。これまで、実家から鯛や鰤を送ってもらったことがあるので、魚が大きかろうが裁く分に道具立ての上で不都合は無い。改めて見ると、やはりでかい。これまで裁いてきた鯛(海上釣り堀産(養殖))と錯覚するぐらいの大きさと重量がある。とりあえずいつもの様に、鱗をとって、内臓除去し、三枚に下ろすところまではあまり考えずに進む。腑分け最中に気付いたのだが、この個体メスであった様で、立派な卵巣を抱えていた。んー実に立派なサイズ。感心すると共にちょっとだけ後悔も。この一匹の個体から後々何千匹のセイゴが産まれていただろうか。が、フィッシュイーターである彼らを残すことは、ベイトとなるハゼも成長のために犠牲になるということでもある。食物連鎖の厳しいところで、それが自然なわけであるから、人間がどうおもったところでどうにもなるもんではないが、そうであるならばせめておいしく食べてやる必要がある。あと、未消化の内容物を見ていると、粉々になったカニが出てきた。また、別の個体(チーバス)からは未消化の5センチぐらいのハゼが出てきた。カニはとりとめの無い程に分解が進んでいたので写真に撮らなかったがハゼの方は形があったので撮ってみた。んーちょっとボケてしまった。んーやっぱり色々食べてるね。このあたりの生態系の頂点。切り身はとりあえずラップして冷蔵庫へ。近日まずは塩焼きから試してみようか。三枚に下ろしたあとのアラは、アラ煮にするのが我が家では自然な流れなのであるが、これはちょっとばかり悩んだ。川シーバスのアラ煮か。ちょっと聞くだにいろいろ厳しそうだ。使用する部位的に、いろいろ溜まってそうなところが多そう。無駄な抵抗っぽいが、一番溜まりそうな頭部、こいつをもう少し分解してみる。頭部のみバス持ち~エラとか一番環境に接する部分なので、ここは迷わず除去。血合いとか、目に見えて内臓っぽいところは分解していき、カマの部分と頬肉の部分が残るぐらいにして鍋に入れる。これに背骨部分が入るぐらいなので、かなりハードルとしては低くなったんではと思う。そして無駄な抵抗その2。浮いてくるアクと油をなるだけ除去。煮込み始めると同時に、スープが白濁する。良い出汁がでてもいる様だが、先入観かどうしても素直に喜べない。(いやいや、それはおかしい。これは罰ゲームじゃなくて楽しい調理の時間のはずなんだ。)しばらく無心になってアクと油をすくい取る作業に専念。10分ぐらい続けて浮いてくる脂が無くなったところで味付け。少し食べてみて味付けの確認をするが、味付けは恐らく問題ないのだが、やはりなんだか癖のある香りがする。前に黒鯛(チンチン)を食べた時の様な、香りの強い青物を更に強烈にした様なそんな香り。時折使われる「どぶ川の匂い」なんていう表現はちょっと遠い様にも思うが、藻類の匂いに近いのかもしれない。とりあえず完成してその日は寝かせてあったんだが、寝かしているところでdontaco会長からシーバスの潮汁を作る時の注意事項を教えていただく。鱸を潮汁にするときは下拵が肝心です、沸騰した湯で表面が変色するまで下茹でをし、流水で細かい鱗や血の塊・内腹膜等を厳重に掃除してください。鍋も洗って水と一割程度の酒を入れて沸騰させます、ここに魚を入れて再度沸騰したらひを弱め、フツフツとする位で数分間煮ます。味付けは砂糖・塩・醤油でお好みに、青葱や生姜は火を止める寸前に加えて下さい。血抜きをしても身に血が廻りやすい魚ですから注意が必要です。 う。そのセオリーでいくと、いちど湯通しして流水でヌメリと鱗を除去するところはしていないので、これは若干失敗した感が。そういや鰤大根作るときも、軽く茹でてから水洗いするし。そういう点でいうと、煮物としては調理法失敗したかも。シーバスに申し訳ないことをしてしまったかもしれないが、ともあれお待ちかねの実食である。・・・・というところまでを書きためてあり、さあうちに帰って喰って記事アップするぞと思っていたら思わぬ事が起こった。詳しくは次の記事へ。