ロスト ハイウェイ
『LOST HIGHWAY』オープニング、暗闇のハイウェイをバックに鋭角な黄色いタイプが飛んでくる。曲はディビット・ボウイ。陰鬱で湿った映画から脱却したのか、と一瞬妙な期待感を持つも、本編が始まるといきなり沈痛な面持ちの端正なマスクの男が登場。やっぱりコレね。インターフォン越しのメッセージ。そして、角封筒に入ったビデオテープが玄関先に届けられているところから、すべては始まる。謎は解けるのか?意味が分かる展開になるのか?…そもそも意味って何なのだ。象徴的に出現するLOST HIGHWAY HOTEL。炎上から逆転する砂漠の小屋。不気味な白塗りの小男。(暗黒面の擬人化???)デヴィッド・フィンチャー監督「ファイトクラブ」では現実側の視点から非現実(妄想)が描写されるが、ロストではピンポンのように現実と非現実を行ったり来たりする。そうそう、リンチもクローネンバーグもフィンチャーも“デヴィッド”なんだね。