Der Nakajistil

[ドイツ生活] カテゴリの記事

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  デュッセルドルフとインマーマン

  デュッセルドルフには日本人にとって馴染みの深い一本の“道”がある。それがインマーマン・シュトラーセ（上の写真）である。デュッセルドルフに限らず、ドイツに住む日本人でこの名を知らない人は少ないだろう。ここには日本書籍、日本食料、寿司屋、ラーメン屋その他日本に関するあらゆる物がそろっている。ドイツの他の都市に住む日本人の間では一人がデュッセルドルフへ行く話しが出来るとまわりがこぞって買い物注文をする。そしてその人は代表としてインマーマン・シュトラーセにやってくるというわけである。この“道”の名はカール・レーベレヒト・インマーマン（Carl Leberecht Immermann　1796～1840）に由来する。先日メンデルスゾーンの日記で彼の喧嘩相手としてだけ書いてしまったが、今日はインマーマンにスポットを当ててみよう。インマーマンは作家・詩人としてその名を残しているが、もともとは法律家としてスタートしており、彼の最大の業績はラインラント・ヴェストファレン地域での芸術活動の活性化にあった。11歳から15歳までマクデブルクの修道院で教育を受け、その後すぐにハレ大学で法律を勉強する。1819年裁判官としてミュンスターに、1824年には犯罪裁判官としてマクデブルクに就任する。そして1827年には地方裁判所判事としてデュッセルドルフへやってくる。デュッセルドルフにやってきたインマーマンは当時停滞していたこの地域の芸術活動の活性化に力を注いだ。とくに演劇の分野での功績が評価されている。彼の脳裏には劇場の改革が常にあった。当時のデュッセルドルフは人口も少なく、劇場を運営するのは困難だったがインマーマンの努力が功を奏し、演劇界は一時期相当な盛り上がりを見せたという。しかし、そのやり方は少々政治的・策略的であったために芸術家たちの反感を買うこともあったようだ。先日の日記で書いたように、当時劇場の音楽監督であったメンデルスゾーンは彼に日増しに反感をつのらせ、ついに決別することとなった。その後、劇場の運営は行き詰まり、執筆活動に専念することになった。作家としても優れた手腕を発揮し、メンデルスゾーンも彼の作品は評価していた。ロベルト・シューマンの「リートと歌　第2集」の第4曲目「ライン河で」(Auf dem Rhein)Op.51-4　もインマーマンの詩によるものである。そのほかの代表作は次の通り。叙事詩「トゥリフェントヒエン」Tulifäntchen. 1830年「アレクシス　三部作」　Alexis - Eine Trilogie. 1832年 小説「亜流」　Die Epigonen 1836年 小説「ミュンヒハウゼン」　Münchhausen 1839年 禁煙経過時間 18日 3時間 38分経過吸った煙草　0本吸わなかった煙草 181本浮いた煙草代 36ユーロ延びた寿命 15時間 5分

  2005.08.01

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• 木組みの家ＨＰ　習作１

  ASockelゾッケル台座NBalkenköpfeバルケンケップフェ梁の頭部BGrundschwelleグルントシュヴェレ土台敷桁OAuskragung/Überhang　アウスクラーグング、ユーバーハング張り出しCStänderシュテンダー　柱PStock-/Saumschwelle　シュトックシュヴェレ、ザウムシュヴェレ上階敷桁DRiegeｌリーゲル　横木QFußstrebenフースシュトレーベン足部筋交いEWilder Mann　ヴィルダーマン山男、原始人などを意味する言葉。おそらく形がそう見えることから名づけられた。RFußwinkelhölzerフースヴィンケルヘルツァー足部三角木FHalber Mann　ハルバーマン半分の人の意味。Ｅの半分という意味であろう。SMal-/Andreaskreuze　マールクロイツェ、アンドレアスクロイツェＸ十字、アンドレアス十字GStrebeシュトレーべ筋交（すじかい）TBrüstungsstiele (Thüringer Leiter)　ブリュストゥングスシュティーレ（テューリンガーライター）窓の下の壁の間柱HRähmレーム桁UBrustriegel　ブルストリーゲル胸部横桁IKonsolen, Knaggen　コンゾーレン、クナッゲン持ち送りVKopfstrebeコップフシュトレーベ 頭部筋交いJBügeビューゲ梁首WKopfwinkelhölzerコップフヴィンケルヘルツァー頭部三角木KWindbretterヴィントブレッター　風板XDachschwelleダッハシュヴェレ軒桁LFüllholzerフュルホルツァー詰め木YAufschieblingeアウフシープリンゲ広小舞MProfilblendeプロフィルブレンデ横飾りZZwerchhaus mit Ladeluke　ツヴェアヒハウス　ミット　ラーデルーケ搬入口付屋根裏部屋クヴェトリンブルクの日記で、「木組みの家」ホームページを作ろうと計画していることを書いた。具体的には、少しずつ学びながら分かったことを小出しに日記に発表して行こうとおもっている。 １５年前、僕が新入社員の時、新人研修で指導してくださった先輩の言葉がずっと残っている。 「研修で教わったこと、帰ったら家族や友だちと話しいや。そうやって人間もの覚えていくねんで」 言った当人はそれほど名言として言ったつもりはなかったかもしれない。でもこの言葉は僕の人生観にも影響した。今回も僕が「木組みの家」についてしっかり覚えるために、このブログで覚えたことを披露させていただくことにする。そしてある程度まとまったらホームページとして独立させたい。 前置きはそれくらいにして、今回はとりあえず木組みの家の各部分の名称を把握したかった。たぶんこれはＨＰでも最初のページになると思う。 もちろん全部ドイツ語。幸い小学館の「独和大辞典」は建築用語もある程度載っている。しかし、実際それが本当に当てはまるかどうかは保証できない。なにしろ日本の家屋とは構造が違うので、用語についても若干のズレが生じる。また上記のWilder Mann　（野生人）のように形がそれを思わせるからそういう名になったなんてのもある。 一応今回は２,３の建築関係のサイトを見ながらほぼこれに相当するだろうという日本語を当ててみた。今のところまだ暫定的である。また、今日の日記を書いてて思ったのだが、上記の建築用語のようなものも一般になじみがあるとは言えない。だからＨＰではドイツ語のカタカナ読みをサイト内の通用語としたほうがスムーズに行きそうな気がした。 とりあえず以上の用語を身につけていれば他の資料も読みやすいものとなるだろう。禁煙経過日数１５日６時間吸ったタバコの本数0本吸わなかったタバコの本数１５４本浮いたタバコ代３０ユーロ延びた寿命１２時間５０分

  2005.07.30

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  クヴェトリンブルクの木組みの家

  「ハウルの動く城」という映画をご覧になっただろうか。この映画の背景は中世のヨーロッパを彷彿させるものであるが、その特色は木組みの家がたくさんあることだと思う。一昨日の日記でも木組みの家を紹介してある。実は僕の本家サイトの中の「ヨーロッパ文化史」について色々調べたりあちこち取材（？）に行ったりするうちに、副産物として木組みの家の知識もついてきた。だけど木組みの家のことを書くのはあのサイトの筋から外れている。でも知ってしまった以上、ものすごく知ったかぶりしたい欲求にかられる。で、友人たちが僕の知ったか話の犠牲者になってしまう。そこで、「木組みの家」のウンチク満載のホームページを１つ開設しようと、かなり以前から考えていた。しかし木組みの家についてくわしい書籍もサイトもほとんどないのである。最良の方法はクヴェトリンブルクにある、「木組みの家博物館」に行くことだ。それで今日休みを利用して行ってきた。右の写真は「木組みの家・後期ゴシック様式」の解説である。そう、同じように見える木組みの家は実は時代によって微妙に違うのである。博物館は写真はＯＫだがフラッシュ禁止。ピンボケになって文字が読めないと意味がないので各解説ごとに5枚ずつ撮影した。 クヴェトリンブルクはブラウンシュヴァイクからそう遠くないハルツ地方の東側にある。旧東独側ということになるが、このあたりは戦争の被害を受けなかったので、中世の町並みがほぼ残されており、ユネスコ世界遺産に指定されている。左写真は町の中心部。この町は旧市街が広く拡がっており、木組みの家ばかりである。 右写真は中心部近くにあるイタリアン・レストラン。なぜか日本語で「イタリア料理店」と書かれてあるのが不思議で撮影した。 ブラウンシュヴァイクからクヴェトリンブルクまで鉄道で行くと、マクデブルクで一回乗り換える行き方とフィーネンブルク、ハルバーシュタットで計2回乗り換える行き方がある。今日は往復とも2回乗り換えのルートで行った。左写真は乗り換え駅のフィーネンブルク駅である。なんとここはドイツ最古の駅らしい。駅の中には鉄道資料館なるものがあったが今日は開いていなかった。禁煙経過日数11日 2時間 37分吸ったタバコの本数0本吸わなかったタバコの本数111本浮いたタバコ代22ユーロ延びた寿命9時間 15分

  2005.07.25

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  市内見物

  昨日はクララ・シューマンのピアノの話題で終わったので、今日はほかの場所を写真とともに紹介したいと思う。まず右写真であるが、左手には広場があり、この辺がブラウンシュヴァイクの町が起こった中心である。ローマに「市場」というものが登場して以来、ヨーロッパの町は中心に市場（マルクト）を置いて発展するようになった。写真の教会は聖マルティーニ教会。ゴシック様式の特徴を持つが、建て始めはロマネスク様式であった。 マグニトア近辺の旧市街。この通りには木組みの家が並ぶ。木組みの家（Fachwerkhaus）はドイツのメルヘンチックな風景の特徴であり、多くは中世に建てられた非常に古い建物である。驚くべきことは家の構造はほぼ昔のまま現在も「家」として使われていることである。上階に行くにしたがって道に出っ張っているのがわかる。これは昔、（日本で言う）１階部分の面積で税が決まったからという説と、上階へ荷物を吊るし上げるのに便利だったからという説がある。 昨日のピアノを展示している博物館のピアノのメイン展示場。左端に見えるのが昨日のクララ・シューマンのグロトリアン。右端のスクエアピアノは1835年のシュタインヴェーク最初の製品。このゼーゼンのシュタインヴェーク工場はハインリヒ・シュタインヴェーク（ヘンリー・スタインウェイ）が渡米前に作った工場で、現在のグロトリアンである。そのあたりの事情は6月2日の日記に少し書いたが機会があればいずれまた書きたいとは思う。禁煙経過日数9日 7時間 10分吸ったタバコの本数0本吸わなかったタバコの本数92本浮いたタバコ代18ユーロ延びた寿命7時間 40分

  2005.07.24

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• 撮影

  明日は出荷日。しかも連休前とあって大忙しであった。幸い今日はあまり手のかかる仕事がなく、スムーズに一日の仕事を終えた。帰る準備をしようとすると仕事部屋をノックする音が聞こえた。「ハロー」そう言って同僚のコンラート（仮名）が入ってきた。彼は工員ではなく事務員である。彼の後ろには知らない人が何人かいた。なにやら大掛かりな機材をもってガシャガシャいっている。「ちょっと仕事してるところ撮影したいんだけど」最近、わが社はイメージビデオなるものを作成している。前にも一度撮影があった。しかし、今日するとは聞いていなかった。僕は「帰るところだったんだけどなあ」と、少し迷惑そうに言ってみせた。もちろん冗談である。僕は結構俗物で、撮影とか取材とかされるのが好きなほうである。コンラートは分かっていてニヤッとしてから撮影スタッフを中に入れた。撮影スタッフは4人。その中心にいるのは若いカメラウーマンだった。彼女は僕より少し背が低く、二十歳すぎくらいのドイツ人にしては小柄なかわいらしい女の子だったが、動作はてきぱきとしていて、他のスタッフをしっかり仕切っている。なかなかのプロだ。一応普段の僕の仕事を撮影するということだった。もっとも僕だってプロのはしくれ、カメラなど気にせずいつも通り集中して仕事をする・・・わけなかった。向こうには照明やらカメラやら色々な機材が並んでいる。いつもより数倍明るい。というかまぶしい。いやでもカメラが回っていることを意識させられる。正直なところ、撮影中は今やっている仕事のことなどほとんど頭になかった。今、どういう風に映っているか、どんな顔しているか、手さばきは華麗か、ああ、もっときれいな格好してくればよかった・・・などと考えていた。撮影中の仕事は普段の仕事より数倍疲れる。カメラに何かエネルギー吸い取られていくような感じがしてしまう。こう考えるとモデルやアイドルって結構大変な仕事なんだなと感心する。話は変わって連載しているカウンターだが、このアイデアを参考にさせていただいた方から、こういうソフトがあることを教えていただいた。このソフトは時計と連動して自動的に計算してくれる。「延びた寿命」という項目があり、これは1本ごとに5分寿命が延びるということで計算している。モチベーションを高めるのに役立ちそうなので、今日からこちらも採用することにした。禁煙経過日数6日吸ったタバコの本数0本吸わなかったタバコの本数60本浮いたタバコ代12ユーロ延びた寿命5時間

  2005.07.20

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• VISA　その後

  先週後半は禁煙で僕個人は非常に盛り上がっていた。しかし、禁煙とは行為ではない。喫煙という行為を中止しているのだ。ちょうど生理学上「口」が定義できないのと同じである・・・何だか屁理屈の羅列だ。何が言いたいかと言えば、禁煙中は他の何かを行為として行っている・・・つまり、禁煙一色の日記の影にはそれなりに出来事があったということである。先週月曜日、ビザ申請の手続きに行ったことは日記に書いた。そして、永住申請の用紙を渡され、必要書類もそこで教えてもらった。木曜日には必要書類がそろったので、金曜日に提出しに行った。その時は月曜日の担当者がいなかった。日記にも書いていたがその後ろに座っていた女性係員がいた。その係員は僕の提出した書類を見て、「あら・・・まだ早かったわねえ」とつぶやいた。えっ何だって？その係員曰く、月曜日僕に応答していた係員は僕が語学学校に行っていた頃から数えていたようである。無論そのころは働いていないので、カウントされないのは重々承知。でも早めに申請できると思っていたのだが、そうではなかった。でも、今年１０月には申請できるようなので、用意した書類は預かってもらう。そうすることで今度は顔一つで手続きができるそうである。とりあえず暫定的にビザを発行してもらった。それが出来たのが今日である。暫定的とはいうが、今までより条件がかなりいい。まず労働許可を別途取得する必要がなくなったこと、職場・職種の限定がなくなったこと。ただし自営業をすることは禁じられている。期限は再来年まで。これも今までは１年限りであった。うっかりして次の申請忘れそうである。しかし、前の日記にも書いたがこういう制度は予告もなくコロコロかわるので、条件のゆるいうちに早めに永住申請したほうがよさそうだ。禁煙経過日数５日吸ったタバコの本数0本吸わなかったタバコの本数５０本浮いたタバコ代１０ユーロ

  2005.07.19

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• 自転車泥棒

  僕は朝5時半に家を出る。いうまでもなくかなり早い。当然まだ目が覚めきれずかなりぼーっとしている。いつも自転車を置いてるところにいくと、いつもよりなんだかすっきりしている。状況がよく呑み込めず、「目の前に石があったとしてそれを取り除いてもそれを見ていた人にはまだ石の存在が残るっていってたのフッサールだったかな・・・」などとわけのわからないことを考えてしばらくするとある事実に気がついた。自転車が盗まれている！とりあえずどうしようか。電車だと今から行くと確実に遅刻だ。でも、ほかにどうしようもなかった。電車に乗っても自転車が盗まれたという実感が沸かなかった。泥棒に対していかりの感情をふつふつさせるにはあまりにも寝ぼけてた。あたまの中ではなぜかユニコーンの「自転車泥棒」という歌が流れていた。そういえば、自転車泥棒って軽犯罪なんだよな・・・と思った。本当にそれでいいのか！！と、ここで初めて怒りのこぶしが握りしめられた。自転車は結構高価なのだ。今回盗まれた自転車だって同じのを新しく買えば600ユーロする。それに自転車に特別な思い入れのあるひとだっているかもしれないのに・・・。ちなみに僕の自転車にはＵ字ロックという頑丈な錠がかかっていた。これは壊すのがかなり難しい。つまり乗っていくのは不可能。おそらくワゴン車か何かでさらっていかれてどこかで売買されるのあろう。ドイツでは通常自転車をチェーン錠で柱などにくくりつけて持っていかれないようにする。Ｕ字ロックは頑丈だがそれができない。それで近々チェーン錠に変えようと思っていたところである。しばらく新しい自転車を買う資金を捻出できないので、電車通いの日々がつづく。いつもより15分早く起きなければいけないのも、ちょっとつらいかもである。

  2005.07.12

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• VISA

  外国人にとってもっともやっかいな問題の一つはビザであろう。僕は現在、永住権を持っていないので、毎年更新しなければいけない。またさらに厄介なのは、更新の方法がコロコロ変わることである。僕の場合、通常は会社との契約書を労働局に持っていって、そこで1年間の労働許可書を出してもらう。（約6週間要する）労働許可書を出してもらったら今度はそれを外人局に持っていき、滞在許可書、ビザをようやくもらえると言うわけである。ところが、労働局に行ったら以前と受付方法も変わってて、たった数人しかいない受付窓口に並ばなければならなかった。ちなみに並んでいる人の大半は失業申請である。30分くらい経って自分の番がまわってきた。「労働許可申請したいんですけど・・・」「あ、ここじゃないです。先に外人局行ってください」と、受付の女性。「え、今まで労働許可の申請がさきだったんですが・・・」「ＥＵの方はこちらになりますが、あなたはＥＵの方ですか？」知らない間にシステムが変わっている。お役所は勝手に仕組みを変えるけどそういった報告というのはこちらには来ない。かなり憤慨したが、ここでごねたところで何も出てこない。会社のほうから確認してもらったら、やはり「外人局→労働局」の順番になっていた。なんだか腑に落ちない気持ちで今日外人局へ行ってきた。だいたい労働許可なしで滞在許可なんか出してくれるのか不安もある。もともとここもあまり好きな雰囲気ではない。なんとなく囚人にでもなった気分にさせられる。やがて僕の順番がまわってきて、入室した。「あのー、滞在許可延長したいんですが・・・」と言ってパスポートと現在の労働許可書、会社との労働契約書を提出した。係員の女性は「ふむふむ」とパスポートを眺めていた。その時、「あなたは日本人ですね」と聞かれた。もちろん「はい」と答えた。係員は後ろにいた同僚らしき女性に「日本人は9番でよかったわよね」と言った。「うん、9番」と同僚は答えた。（何だ？9番って）と思っている間に係員はいろいろな書類を集めて持ってきた。「あなたは5年滞在しているので、永住の申請ができます」と係員。えーっ。でも永住ってたしか色々な書類（税金や社会保険を5年間おさめた証明など）を揃えた上、さまざまな審査があると聞いていた。「ここの書類に記入して、写真と過去3ヶ月の給与明細を一緒に提出して下さい」それだけ？正直驚いた。そう言えば知り合いの日本人から、日本人への労働許可の待遇が最近変わったと聞いていた。しかし、それは日系企業に勤める日本人に限られるものと思っていた。どうやら「9番」とはそのことらしい。まだ詳しく書類に目を通していないので断言できないが、世の中の仕組みが変わるというのは必ずしも悪くないな・・・と思った。でもやはりまだ確実なことは言えないのでぬか喜びは控えておくことにする。

  2005.07.11

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  3年前のフィルムは現像できるか　後編

  おととい、3年間放置していたフィルムを現像に出した。そして今日とりに行った。ここに写真が並んでいることから何も言う必要ないと思うが、全く問題なく現像されていた。これで日記が終わるのも味気ないので、これらの写真を撮っていたパリのことなど書いておくことにする。 この写真はモンマルトルの丘から撮ったパリ市内。向こうにエッフェル塔が見える。（・・・木がじゃま！）ここには自分の絵を売ったり、観光客相手に似顔絵を描いたりする画家が多い。絵の勉強に来ている留学生もここで修行（？）したりするそうである。土産物屋には「ショパンの手」の石膏像が売ってたりする。 これはパリ・コンセルヴァトワール。僕が用があったのはここではなく、隣接している楽器博物館だった。実はこの1月前にシュトゥットガルトの楽器博物館に行ったのだが、そこではドイツものが中心で、「なるほど、ピアノの発展にはドイツが重要な役割を果たしたんだ」と思っていたところである。しかし、ここではフランスものが中心で、「なるほど、ピアノの発展にはフランスが重要な役割を果たしたんだ」とうっかり思ってしまう。 実際はピアノの実用化にはドイツが、ピアノの発展にはフランスが重要な役割を果たしたというのが本当のところである。特にエラールは現在のグランドピアノのアクションの礎石を作る偉業を行っている。フランスにはエラールの他、プレイエル、ガボーなどの優秀なメーカーがあったが、20世紀中頃にほとんどがドイツに移ってしまった。しかし、フランスに残った技術者が独立して「アトリエ」を持ち、フランスのピアノ技術の伝統を保っている。左の写真はピアノではないが、パリ中心部から少し外れたところにあった古楽器のアトリエである。残念なことに思ったほどこの内部をシャッターにおさめていなかった。デジカメなら相当撮りまくっていただろうに・・・。 ここには色々な民族楽器や古楽器がところ狭し（本当に）と置かれてあった。個人的に目についたのが右写真のモノコードの一種である。店員によれば、これは調律のための道具ということである。縮小された写真なのでよく見えないが、ネックの部分には音程をあらわす文字と目盛が刻まれている。その目盛のところに真鍮製の移動駒を動かすと、その音程が出るようになっている。現在の電子式チューナーの前身のようなものだろう。この他にもピアノ工房もいくつか訪れていたのだが、残念ながら写真に撮っていなかった。何となく「パリ＝ファッション、グルメ」「ドイツ＝伝統、職人」のイメージがあるような気がするが、この時みた印象ではパリの職人気質というのはドイツのそれより古くさく、頑固に思えた。なお、パリのピアノ職人に興味を持った方がおられたら、「パリ左岸のピアノ工房」（新潮社　T.E. カーハート著）という本がおすすめである。この本はパリのあるピアノ工房に興味を持った著者が、ある日ふとそこに足を踏み入れて、幾度も通ううちに「生涯の伴侶」となるピアノに出会う・・・というロマンチックな話である（一応“ノン”フィクションらしい・・・）何だか終わり方がわからなくなってきたので、今日はこの辺で・・・

  2005.07.07

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• 3年前のフィルムは現像できるか　前編

  最近のネットニュースでよく出てくるのが「のだめカンタービレ」という少女漫画である。何でも、この漫画の影響で日本の若者のクラシック愛好者が増えているという。僕も実は全12巻読破していた・・・。僕にはこの「のだめ」に共通する点が1点ある・・・。それは「部屋」である。くわしく書くのは恥ずかしいので控えるが、最近はうちも特にひどかった。先週あやうく大事なものを踏み潰しそうになったので、これはまずいと思い、週末大掃除した。片付けている途中で箱の中から1個のカメラを発見した。デジタルでない、普通の「フィルム式」カメラである。3年前デジカメを買って以来、この「フィルム式」のカメラはまったく使っていなかった。よく見ると中にまだフィルムが入っていた・・・しかも巻き戻していない。3年前このカメラを最後に使ったのはパリへ旅行に行ったときだ。そういえばパリ旅行の写真が思ったより少ないな、とは思っていた。そう、カメラに入っていた分だけ取り残されていたのだ。しかし撮影後3年間ほったらかしたフィルムは現像できるのだろうかと疑問に思った。現像液に一回漬けてあれば、まあ何年も持つだろう。しかし、光を焼き付けてそのままの状態で3年間放置したのである・・・。ひょっとしてこれほど放置したフィルムを現像してみた人っていないのでは？そう思った僕はこれはやってみる価値があると思った。そして今日スーパーのフォト・サービスに預けてきた。数日後の日記でもし花の都パリの写真が出ていたら成功ということであるが、もしなかったら・・・それは次回のお楽しみに。

  2005.07.05

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• シュヴァルツ・ファーレン

  昨日は教会で奏楽奉仕があり、デュッセルドルフへ行ってきた。そして帰ってきたら夜8時半だったが、なんと楽天が朝まで「メンテナンス中」。というわけで結局日記も1日空けることになった。アクセス数激減・・・（“バイエル”の時の約5分の1）それはともかくデュッセルドルフからの帰りの電車で30分ほど乗ってデュイスブルクあたりに差し掛かったとき社内改札がやってきた。 もちろん僕は切符をもっているので、何の問題もない。 しかし、後ろの席でなにやらもめている。どうやらシュヴァルツ・ファーレン（無賃乗車）らしい。ちょっと振り向くと、小太りの青いジャンパーを着た、いかにもビールの好きそうなおやじさんがいた。 ドイツは日本のように駅に改札がない。だから切符がなくても構内に入り込んで、なんなら車内にだって入れる。また近郊電車は車内改札がいつも来るというわけではない。それでシュヴァルツ・ファーレンが後を絶たない。 しかし今日乗った列車はＩＣＥ（ドイツの超特急）である。駅に停車するたびに改札が来るような電車である。この小太りの青いジャンパーの「ただのりおやじ」はこともあろうに係員と交渉してただでハノーファーまで行こうとしたようだ。（だいたい東京－名古屋の距離） 「ただのりおやじ」の言い分はこうである。 「ミュンヘンから来た列車が遅れたせいで、普通電車ではハノーファーでの用事に間に合わなくなった。だからＤＢ（ドイツ鉄道）がこの電車に乗せるのは当然だ」 これに対し係員は事務的だ。まず、Es tut mir leidという「すみません」とも「お気の毒」ともとれるドイツ特有の玉虫色の挨拶をする。そしてシュヴァルツ・ファーレンの手続きに入る。この時、身分証明書の提示を要求するが、「ただのりさん」は持っていなかった。 「今日は忘れてきた。本当だ。おれはシュヴァルツ・ファーレンなんてやったことないんだ！！たのむ、見逃してくれ！今日どうしてもハノーファーでしなければならない仕事があるんだ。（注：この時すでに日曜の夕方）」 「そうですか、それについて私にはできることはありません」 と係員は言いながら電話を取り出した。 「もしもし、ボッフム駅に鉄道警察お願いします」 ・・・ボッフム駅に着くと3人の黄色い制服を着た警察官が待っていた。「ただのりさん」は警察官たちに連行された。ひとこと「シャイセ（あまりよくないことば）」とつぶやいて・・・。 警察官に連れられていく「ただのりさん」の手にぶら下がっていたスーパーのポリ袋が妙にせつなかった・・・。

  2005.07.04

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• ザウワークラウトを作る　第2回

  前回、ザウワークラウトを漬け込んでからまるまる2週間。そろそろ食べ頃ではないか・・・と、恐る恐る地下室へ見に行った。レシピにはカビだかキノコだかが生えると書いてあった。なので、自分の部屋に持って上がる時に近所の住人に見られたくない。万一見られてもいいように、紙袋を持っていって、住人のいないすきに地下室に取りに行った。地下は暗くて漬物器の中の様子がよくわからなかった。そこですばやく紙袋にしまい込み、そそくさと自分の部屋に戻った。部屋に戻っておそるおそる紙袋から漬物器を取り出した。案の定、カビらしきものが上に浮いていた。取り除いてみると、カビというより、何かの酵母のようだ。とりあえずちょっと皿にとって試食。・・・。一応ザウワークラウトの味がする。僕はドイツ・レストランでよく食べられるようなクセのある、しかし旨みのよく出ているのを想像していたが、あまりクセがない。酸味もやわらかくてフルーティーだ。しかし、何かコクがない。発酵が足りなかったのかもしれない。でも、カビか酵母らしきオリモノを目撃してしまった僕はこれ以上地下室に置いておく勇気がなかったので、もう引き上げることにした。最初は豚肉を焼いてブラウン・ソースをかけたものと一緒に食べようと思ったが、このあっさり味では負けてしまいそうだ。それで焼きソーセージと一緒にした。それが上の写真である。ソーセージだと、やはりこの酸味は欲しくなる。そういう意味ではソーセージとよく合っていた。しかし、レストランの味を期待した僕には少し残念な結果であった。それどころか、（ドイツの）スーパーで売られているビン詰めにも負けてる気がする。ううむ。しかし、はじめからうまくいくわけもない。まあ、今回はとりあえずザウワークラウトが出来たというところで満足するべきなのかもしれない。第2弾いつ頃やるか・・・それともやるかやらないか・・・未定である。

  2005.07.02

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  ハンブルクの蟻

  実は水の都、ハンブルク・・・僕はこのあいだ日曜日ハンブルクへ行ってきた。そして乗っていた電車がアルトナという駅に着いた時、ある詩のことを思い出した。「ハンブルクの蟻」という詩で、ドイツでは有名な詩の一つである。日本ではあまり有名ではないようで、ネットでも見つからなかったので、訳は僕自身の拙訳でご辛抱いただくことにする。Joachim RingelnatzHamburger AmeisenIn Hamburg lebten zwei Ameisen,Die wollten nach Australien reisen.Bei Altona auf der ChausseeDa taten ihnen die Beine weh,Und da verzichteten sie weiseDann auf den letzten Teil der Reise.ハンブルクの蟻　ヨアヒム・リンゲルナッツ作ハンブルクに住む２ひきの蟻が、オーストラリアへ旅に出かけました。アルトナ近くの道路の上で、彼らは足が痛くなってしまいました。そして彼らは賢明にも、残りの旅をあきらめました。６月１０日の日記で僕がドイツ語をまじめに勉強する気になるきっかけとなった「やまのあなた」という詩を紹介したが、「ハンブルクの蟻」も同じ本に載っていたものである。この詩の本意が「おおそれたことを企てながら結局ちょっとしたことで簡単にあきらめてしまう」ことを皮肉ったのか、「わけもわからず大きなことを企てたが、このままではどんな困難があるかもしれない。それが足が痛くなった程度で避けられたのでよかったじゃないか」ということなのか、色々に解釈できると思うが、これから大きな夢を持とうとするものにとってはなんとも夢のない詩である。ところで、僕がこの詩をはじめて読んだときはハンブルクからアルトナというのがどれくらいの距離かわからなかった。すぐそこかもしれないし、太平洋の島かもしれない。実はアルトナというのはハンブルク市内にある。ミュンヘンやスイスのバーゼルからハンブルク行きのＩＣＥ（ドイツの超特急）に乗るとその終点がアルトナ駅である。蟻たちがどこを起点として旅行したのか詩では触れていないが、ハンブルクの中心だったとすれば現在のハンブルク中央駅より少し北のあたりである。（上の写真はだいたいその辺り）地図で見るとここからアルトナはほんの目と鼻の先だが、結構この距離は微妙である。電車で行くと11分かかる。歩いて行くにはちょっときつい距離である。またこの間には多くの運河があり、ヨットの浮かぶアルスター湖があり、不夜城「レーパーバーン」がある。この間を歩いてみるといい具合（？）に足も痛くなるしちょっとした冒険をしてみた気分になるのではないだろうか。オーストラリアへ行く夢を持った蟻たちがこの「ちょっとした冒険」に満足したところで足が痛くなり、「これでいいじゃないか・・・」と蟻たちは思ったのでは・・・。ひょっとしたらそんなところにもこの詩を楽しむ鍵があるかもしれないと、僕はアルトナ停車中の車内で考えていた。

  2005.06.28

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• ドイツと水

  このブログを始めて一番最初の日記には、ピアノ工場の一日と題して一日起こった出来事などを書いた。その時、月曜日にはミーティングが開かれることも書いた。それで今日も毎週あるようにミーティングがあった。マイスターは開口一番、「これからしばらく午後３時になると水道が止まります。」と言った。「そのようにブラウンシュヴァイク市からお達しがありました。」マイスターによれば、ブラウンシュヴァイク市は最近水不足になやみ、その対策として大量に水を使用する工場には時間差で水の供給をストップするのだという。ピアノメーカーで水を使うというのはあまりピンと来ないかもしれない。だが実は大量の水を使用する。特に使うのは塗装である。ピアノの塗装は普通エアガンで吹き付ける方法をとっている。塗装の部屋というのは壁の一面に滝のように水が常に流れている。工場が操業している間はずっと水を放流している。エアガンを持った作業者と「壁の滝」の間に回転式の台があり、そこに外装部品などを載せて、作業者は滝の方向へ向かって塗料を吹き付ける。もちろん水道からすっと新しい水を引っ張り出すのではなく、塗料を含んだ水は一旦集められ、上澄みが取り除かれたあと、再び滝に送られる。工場は２時半には定時終了となり、３時以降働いている人はあまりいないので、操業上の問題はない。しかし、３時ごろシャワーを浴びる人はかなりいるので、その人たちには大きな問題だ。塗装や外装研磨に携わる人は塗料の跳ね返りを浴びたり、粉塵にまみれたりするので必ずシャワーを浴びてから帰る。そもそもドイツは水に乏しい国である。ドナウ、ライン、モーゼルなど有名な川は多いが、実は川そのものがあまりない。ブラウンシュヴァイクには自然の大きな川はなく、小さな川と運河が通っているのみである。そのため、ドイツ人は水の使い方にシビアである。ドイツ人と共同生活している日本人学生がよく揉めるのは食器を洗う時だ。日本人は蛇口から常に新鮮な水で食器をきれいに洗う。ドイツ人は流し台に栓をして水をためて洗う。しかし日本人の感覚ではそれがひどく不潔に思える。しかもドイツ人は洗剤の残っている食器をろくにすすがない。それで両者の間では「水がもったいない」「汚い」という口論が絶えない。また反面水害も多いのもドイツ近辺の特徴である。おそらく平地がなだらかなのも影響しているのかもしれないが、急に水が増えてもはけ口がないのですぐ氾濫する。僕が記憶しているだけでもラインは３回氾濫してるし、2002年のモルダウを中心とした大水害はまだ記憶に新しい。それで水に対する恐怖心もドイツ人が心に宿すものである。そのあたりから「ローレライ」などの伝説も生まれているのかもしれない。単に水がもったいないというより、水に対して「畏敬の念」すら感じているように思える。ドイツの演劇、音楽、文学などで「水」が扱われる時、そういったことも頭に入れて鑑賞するとより面白いかもしれない。（写真はレーゲンスブルク・ヴァルハラから見たドナウ川）

  2005.06.27

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• ボウリングとブラウンシュヴァイク　最終回

  アメリカ・ブランズウィック社のサイトから会社のなりたちの書かれたページ「About Brunswick」が見つかった。英語が大の苦手な僕はそれを解読するのにひどく時間がかかるだろう・・・というのが当初の予測だった。しかし「ブランズウィック社の名前の由来はわがブラウンシュヴァイク市」という仮説の正誤を確認するのに全く時間がかからなかった。それには次の一文だけで充分であった。「Brunswick founder John Moses Brunswick　 （ブランズウィック創始者　ジョン・モーゼス・ブランスウィック）」この一文から分かるとおり、「ブランズウィック社」は「ドイツのブラウンシュヴァイク市」とは関係なく、単に創始者の名前が会社名になっただけであった。しかもブランズウィック社はドイツにもいくつか拠点を持つが、ブラウンシュヴァイクにはひとつもないのである。この瞬間僕の仮説は完全に崩れたわけであるが、せっかくだからもう少しその内容を書いておく。ジョン・モーゼス・ブランスウィックは起業の際、ボウリングやビリヤードを公共の場に取り入れることでボウリング史上重要な役割を果たした。そして彼の娘婿であったモーゼス・ベンジンガーはボウリングのルールを標準化し1895年にアメリカ最初のボウリング議会を組織した・・・という具合である。これでブラウンシュヴァイクとボウリングの関連性への道は途絶えた・・・ように思えたがここに来て意外な事実が見つかった。14世紀にケーゲルシュピールが禁止されたことがあり、その禁止令の根源がなんとブラウンシュヴァイクだったのだ。（出典：http://free.pages.at/ssgmariahof/kegeln-geschichte.htm）このページによれば、14世紀はじめ、ブラウンシュヴァイクで「泥棒とケーゲル選手は滞在禁止」というお触れが出てそれを受けて各地でケーゲルが禁止されたようである。1468年フランクフルトでは条件付きで許可されたものの1511年にはハインリヒ8世が罰則を設けて禁止したとある。結局ブラウンシュヴァイクとボウリングとは浅からぬ関係であることが分かったわけであるが、アメリカでボウリング発展に貢献した人物と14世紀ボウリング禁止の発端となった町の名前が同じとは、なんとも皮肉な事実である。

  2005.06.20

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  ボウリングとブラウンシュヴァイク　第2回

  ブラウンシュヴァイク市内のケーゲル場。僕の知る限りではボウリングのレーンとケーゲルバーンが一緒にある施設は見たことがない。近代ボウリング場がファミリー向けレジャーなのに対しケーゲルはビールでも飲みながら楽しむ大人の娯楽というイメージがある。ケーゲル場があるのは、写真のようなペンションや酒場などが多い。意外なところでは教会の地下にあったりする。（昨日からのつづき）まずは日本のサイトでボウリングの歴史を学んだ。特にここのサイトは分かりやすく書いてある。http://www.bowling.or.jp/bpaj/history_01.html要点をまとめると、１．紀元前5200年頃の子供の墓から、大理石でできたピンとボールが発見された。ボウリングらしきゲームが存在していたと思われる。２．中世イギリスで芝生上で行なう「ローンボウルズ」が流行し、ドイツでは僧院で「ケーゲルシュピール」が流行した。３．ドイツの「ケーゲル」は当初宗教的な意味ももっていたが、16世紀マルティン・ルターにより９ピンのルールが制定され、スポーツ的要素を持ちはじめる。４．１６世紀から１７世紀の間、ボウリングはアメリカへ渡り、現代の１０ピンの競技に発展する。以上のことから、少なくともドイツがボウリングの歴史上重要な意味を持つことはわかった。ここで、かの宗教改革者マルティン・ルターに注目した。先ほどのサイトでは「ファミリーボウリングのパイオニア、マルティン・ルター」とさえ表現している。彼はザクセン選帝侯とは友好的関係にあった。すると、ニーダーザクセン州の１都市であるブラウンシュヴァイクにいた可能性はあり、その事実が確認できるだけでも、１歩前進である。しかし、その考えはもろくも崩れ去った。「Luther in Braunschweig」　というサイトではルターがブラウンシュヴァイクに与えた影響を述べながら、「obwohl er selbst nie in Braunschweig war　（彼自身は一度もブラウンシュヴァイクにいたことがなかったが）」とはっきり書いてあった。ここでアメリカに飛んで、ブランズウィック社の公式サイトにたどり着く。そしてどうやらブランズウィック社の名前の由来がわかりそうな「About Brunswick」なるページにたどり着いた。しかし、僕は海外に住んでいながら英語が苦手なのである。どうやらこのページに書いていることが分かればブランズウィック社の名前の由来がわかりそうなのだが・・・地道な暗号解読作業がはじまった。そして・・・続きは次回。（つづく）

  2005.06.19

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  ボウリングとブラウンシュヴァイク　第1回

  ブラウンシュヴァイク市にあるボウリング場。ドイツでは10ピンの近代ボウリングとその祖先にあたり、ドイツの伝統競技である9ピンの「ケーゲル」がそれぞれ別々の競技として存在する。写真のようなボウリング場で行なわれるのは近代ボウリングで、ほとんど日本のそれと変わらない施設である。ブラウンシュヴァイクの英語名、「ブランスウィック」の名を聞いて「ボウリング」を連想する人は多いと思う。僕もクレーフェルトに住んでいた頃、ボウリング場へ行ってボールに「Brunswick」と印字されているのを見てブラウンシュヴァイクを思い出したりした。（その時はブラウンシュヴァイクに戻る予定がなかった。）それで、以前からブラウンシュヴァイクとボウリングの関連性に興味があった。おそらく、ブラウンシュヴァイクがボウリングの起源に何かしら関わっていて、ある時ボウリング好きのアメリカ人青年が「ボウリングのメッカ」であるブラウンシュヴァイクにあやかろうと「ブランズウィック　（この会社名はズが濁る）」という名の会社を作った・・・というのは１００％僕の想像だが、この仮説が本当だったらすごいロマン（？）である・・・と個人的に思っている。そこでこの仮説の真偽を確かめるべく、日本、ドイツ、アメリカのサイトへネットサーフィンの旅に出かけた。これはその壮大なロマンの記録である・・・と、本当は今日一日分として全部アップロードするつもりだったがプレビューで見たら読む気になれないほどの文字の羅列であった。そこで、3回のシリーズに分けることにした。次回をお楽しみに・・・していただければ幸いである。（つづく）

  2005.06.18

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  ザウワークラウトを作る　第1回

  ザウワークラウトとは、ドイツ料理でよく付け合せで出てくるキャベツの漬物のことである。ドイツを紹介する本で「酢漬けのキャベツ」とたまに書かれてあることがあるが（実際にそういう浅漬けっぽいのもある）、本来はレッキとした天然発酵の漬物である。ネットでレシピを見たところ、日本の漬物の作り方と似ていて、自分でも作ってみたいと思った。そこでまた新たな日記ネタとして始めてみようと思ったわけである。 材料は次の通り。2 - 3 Weisskohlköpfe （キャベツ　2，3玉）20 - 80 g Wacholderbeeren （ビャクシンの実）5 EL Kümmel　（キュンメル　大匙5杯）1 EL Koriander 　（コリアンダー　大匙1杯）Salz （塩）写真は左から塩、ビャクシンの実、コリアンダー、キュンメル。奥にあるのは左が日本から送ってもらった漬物器で、その右が材料となるキャベツである。上のレシピはキャベツ2，3玉を使い、大きなバケツで漬けるよう書いてあった。石で重石をするというのは日本と同じで面白い。写真の漬物器はそれほど沢山は入らないので、とりあえずレシピの半分くらいの量で材料を揃えた。まずスパイス作りから始める。左の粉末の写真は左からビャクシンの実、コリアンダー、キュンメル。まずそれらを粉砕してつぶす。最終的に一番右にあるような粉末にする。今回一番骨の折れる作業だった。次にキャベツを千切りにする。漬物器にどれくらい入るかわからないので、4分の1ずつ作ることにした。千切りにしたキャベツは水洗いし、ボールで塩もみをする。ある程度柔らかくなってきたところで先ほど作ったスパイスを少しづつふりかけ、再びよく揉む。これを数回くりかえす。キャベツがしんなりとし、褐色がまんべんなく行き渡ったところで漬物器に移す。結局4分の3作ったところでもう漬物器はいっぱいになってしまった。残りはレモン浸しにして今日食べてしまうことにした。全部漬物器に移したところで、蓋をし、圧力をかける。このまま地下に持っていって一晩寝かせる。これからの予定は明日漬け汁が大分搾り出されてきたところで圧力を少し弱め、そのまま２，３週間寝かせる。こうすることでキャベツに含まれている糖分が乳酸に変わるらしい。なんだか表面にキノコだかカビだかが生えるらしいが取り除けば問題ないらしい・・・。ということで、次回はとりあえず2週間後。

  2005.06.17

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• ドイツ語学習の動機となった詩

  僕が最初にドイツ語を勉強したのは今から10年ほど前、ふと本屋でNHKドイツ語講座のテキストを手に取ったのがきっかけだった。調律に行っていたピアノの先生がよくウィーンに研修に行ったりしていたので、「ドイツ語をちょっと知っておくのも悪くない」と思って次の日からラジオを聴き始めた。はじめたときはどうせすぐ飽きるだろうと思っていたが、ある時この詩と出会った。カール・ブッセの「ユーバー・デン・ベルゲン」、日本語で「やまのあなた」という詩である。ここに上田敏の有名な邦訳を紹介したい。やまのあなたやまのあなたのそらとおく「さいわい」すむとひとのいう。ああ、われひとととめゆきて、なみださしぐみ、かえりきぬ。やまのあなたのそらとおく「さいわい」すむとひとのいう。この詩を読んだ若かりし頃の僕の心の琴線は振るえてとまらなかった。それから俄然ドイツ語に興味が出てラジオだけでなく会話スクールで勉強するようになった。そして気がついたら今ドイツに住んでたりする。

  2005.06.10

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• 家と履物

  今日、ドイツ在住歴の長い日本人のご婦人（ご主人はドイツ人）と話す機会があったが、その時「家と履物」について話してくれた。よく知られているように日本や多くの国では履物を脱いで家にあがるが、欧米では靴のままあがる。日常的には室内履きを履いているようである。さて、ドイツに住んでいる日本人のほとんどの家庭は土足厳禁である。もちろん子供へのしつけの意味もあろう。それはともかく、家に客を迎える時は玄関で靴を脱ぐようお願いし、丁寧な人はスリッパなど勧めたりする。しかし、この両方がドイツ人の感覚としては抵抗があるようである。その根本にはドイツ人が「下半身」をひとつの単位で考えていることがあるそうだ。例えて言うと「靴を脱ぐこと」と「ズボンを脱ぐこと」、「他人の履いたスリッパを履くこと」と「他人の履いたズボンを履くこと」の違いは少なくとも日本人が考えているほどには感じないようである。特に大事な人の前で「かかと」を見せることははしたないことと思われるようだ。もちろん日本人の家庭を尋ねようとするドイツ人であれば多かれ少なかれ日本の文化に関心があるはずで、履物について何か言われても「失礼な」と思うよりはむしろ文化的な興味をそそられることであろう。ただ、家に迎えるドイツ人はすべて「客」とは限らない。時には電力会社の人、何かの修理で技術者を家に入れないといけない場合がある。その時、先ほどの婦人は「土足用」のカーペットを別に敷くそうである。いずれにせよ、ドイツ人を家に迎える時に彼らの「感覚」を念頭においておけば、もてなしも随分違ったものとなる気がする。

  2005.06.05

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