モヤモヤとの戦い
札幌から帰ってきて早2日。団体,生で見たかった~!とか,帰って来たくなかった~!!とか,その思いばかりが膨らんでいます。今回,世界選手権ということで,現地に赴きジャンプの観戦をしたわけですが,私,すごく,苦しかったのです。13年前,リレハンメル五輪直前の,大倉山3連戦で,葛西さんのジャンプを初めて見ました。いや,ジャンプという競技を初めて見たときに飛んでいたのが,葛西さんだったわけです。もちろん,テレビ観戦ですが,このとき,こんなにすごい競技があったということに驚き,さらに,一際輝くジャンプをする,葛西さんに惹かれたのです。このとき,葛西さんは3連勝していますから,一番飛んでいた人であることは間違いないのですが,それ以上のインパクトを,私に与えました。以来,中学,高校と,お年頃の時期を,葛西さんだけを見つめて育ちました。それが,現在に至っているわけです(かなり浮気性にはなりましたが…汗)そんなわけで,葛西さんは,私にとって,特別な存在であるわけです。そんな私ですが,年を取るにつれ,ただ純粋に葛西さんのジャンプを応援する,ということが,難しくなってきました。それは,葛西さんに対する,周りの目を気にするようになったということです。例えば,今シーズンのように,葛西さんを含め,日本チーム全体が不調である場合,ウキウキとジャンプの話をすることができなくなるわけです。私が熱心な葛西教信者であることを,理解してくれている友人なら問題ないのですが,例えば家族や親戚,職場の同僚,ちょっとした知り合いなどには,控えめになります。なぜか。それは,たぶん,「えぇ!日本のジャンプ,弱いじゃん!」とか「まだ,葛西ってやってるの?」(たまに言われる)とか,言われるのじゃないかという気持ちがあるからです。そんなとき,「何言ってるの!!これだけ活躍してるんだから!!」と言い返すこともできないので,初めから,その話題に触れなくなってしまうのです。葛西さんの活躍を期待し,応援する。でも,結果は…。次がある!次が!!と思っても,なかなか次が来ない。そうすると,だんだん,期待しないようにするのです。がっかりしたくないから。葛西さんが悪いことは,全くないのですが。これは,失恋したくないために告白できない状況によく似ています。そして,他に責任を押しつけようとしてしまいます。連盟とか,連盟とか,会長とか…(だって~,本当に腹立つんだもん)。 でも,私にできることは,とにかく,葛西さんの活躍を信じて応援すること。順位がどうであれ,葛西さんが飛び続けていることを,応援することなのです。 ありのままの葛西さんの姿を受け入れ,いつでも,純粋に応援し続けたい,そう思っているのです。しかし,一方で,マスコミの取り上げ方も気になってしまいます。今回,札幌まで行って観戦したラージヒル。葛西さんは,体調不良を押しての出場で,何とか飛ぶ状態。それでも2本目に残りました。試合が終わって,翌日家に帰るまで,そのことは知りませんでした。もちろん,一介のファンが,試合前や試合中に知っているべき事ではありません。出場している限りは,どんなに具合が悪くても,それをライバルや観客に知られることは,弱みをさらすことになるのです。この日,昨日の予選の大ジャンプとは打って変わった結果に,私は,明日の新聞に何て書かれるのかなぁ…と考えていました。「やはり弱かった」「不調脱せず」「調整不足」等々,揚げ足を取るかのごとく,書かれるのかなぁ…と。さらに,某会長に,また,「何をやっているんだ」と言われるのかなぁ…と。そうなると,次に思うのが,誰か一人でいいから,日本選手が上位に行きますように…ということです。普段は,葛西さんが日本人トップであって欲しいと,常々思っていることなのですが,葛西さんが上位に行けないのであれば,誰かに,その盾になって欲しいと考えるのです。マスコミから葛西さんが攻撃されないためには,誰かが上位に入ることが必要なのです。今回は,栃本くんが16位と,決していい順位ではないにしろ,今の日本チームとしては救いになる順位,そして,高校生という話題性で,そのピンチを救ってくれたと思いました。結果的には,葛西さんの体調不良も報道され,新聞への取り上げ方も,翌日に団体が控えているからか,比較的当たり障りの少ない表現でした。観戦中は,葛西さんのジャンプ以外,ほとんど見ていないようなもの。せっかく札幌まで行って,観戦しているのに,葛西さんのジャンプ以降の選手がどんどん飛ぶ度に,暗~い顔して,ふくれっ面に涙目の私。周りで,純粋にジャンプ競技を楽しむ観客が,外国勢の大ジャンプに大歓声を送ります。それを見る度に,その歓声を聞く度に,私の気持ちは,果てしなく沈んでいくのです。私って,いつからこうなんだっけ?私は,葛西さんが好きだけど,ジャンプは好きではなかったのかな。そんな自分に気付き,情けなくなって,また涙がこみ上げてきました。何やっているんだろう…と。こんなんでは,葛西さんが大ジャンプしなければ喜べない人になってしまいそうです。「え~ん,葛西さん24位だったよ~(ToT)」って,明るく伝えられる気分にもなれず,札幌に来ていることをメールしていた友達や母親にも,結果はメールしませんでした。当然,ブログにも,何て書こうか迷って,そのままでした。 翌日の団体銅メダル。本当に喜ばしいことで,純粋に喜びたいところなのですが,最初に思ったのは,「これで,日本チームや葛西さんが叩かれずに済んだ。」ということ。それから,1,2位のチームとこんなに開きがあることを書かれるのかなぁ…とか,他のチームが失敗したからまぐれだ,とか書かれちゃうのかなぁ…とか。世の中の人は,どれだけ関心をもつのかなぁ…とか。葛西さんファンにとって,団体の結果って,どれほど嬉しいものなのかなぁ…とか。「私って,この結果に,喜んでいいのかなぁ…」とか。こんな自分が嫌で嫌で。でも,テレビ放送が終わって即,友達がメールをくれました。「葛西さんのジャンプ,美しかったねー!!メダルおめでとう!テレビの前で興奮しちゃったよ☆」この友達は,熱心な葛西教信者の私に洗脳されることなく,普段,ジャンプを見る人ではありません。しかし,私は,このメールに救われました。私も,喜んでいいんだ!って。いや,心の底では,喜んでいましたよ。パソコンのスコア見ながら,ガッツポーズしていましたよ。遠慮がちに,「よしっ!!」って言っていましたよ。一人ではね。でも,この喜びを他に伝えるのははばかられる気がしていたのです。しかし,この上の方にかかってた,いろんなモヤモヤの雲を,友達のメールが晴らしてくれた気がしました。年季の入ったファンだからこそ思うことなのか,私がひねくれているだけなのか,よく分かりませんが,私にできることは,とにかく,ひたすら,葛西さんを応援し続けることだということは,よく分かっています。まだ,モヤモヤとの戦いは続きそうですが,土曜日のノーマルヒル,(生で見れないけど)精一杯応援します。長々と,のろけ話をお読みくださってありがとうございました☆